ところがある日。
ところがある日、変なのが庭にいた。
……『変なの』って言うとあれだけど、庭に、玉垂が見たことのない、知らない女の子がいたの。
サラサラの長い髪の毛がとても綺麗な小さな小さな女の子。
あれは夏のことだったかしら?
あの日は、とってもとっても暑い日のことだった。
玉垂のお屋敷には、大きな榎の木があったから、とても涼しくすごせたの。それにお屋敷は、小高い丘の上にある。
小さな丘ではあったけれど、とても風通しが良かったのよ?
それに大きな榎の木にはね、びっしりと小さな葉っぱがついていてね、真夏でも、その暑い日差しを、優しく遮ってくれていたの。
あなたは知っているかしら?
朝から晩まで陽の光が全く射さない場所があるとね、そこは夏でも、けっこう涼しいものなのよ? それが大きい木なら、なおのこと。
玉垂のお屋敷に生えている、その大きな大きな榎の木は、夏の突き刺すようなその日差しから、庭を優しく守ってくれていた。
広い庭を丸ごと冷やしてくれていたから、そこは すっごくすっごく涼しかったの。
それだけ過ごしやすいお屋敷だったから、本当なら、動物や虫たちがやって来て、涼んでいく……なんてこともあるかも知れません。
けれどこのお屋敷は、玉垂が大事に大事に隠してる場所でもありましたから、誰かが忍び込むなんてことは、あるはずがないのでした。
ですから、玉垂がこのお屋敷を見つけてからの百年間、誰かがここへやって来る……なんてことは、ただの一度もなかったのです。
それがそこにきて、侵入者ですよ!
玉垂は当然、驚いたの!
「え!? 庭に、誰かいる……!」
未だかつてなかった、大事件です!
玉垂が唯一持っていた不思議な力。
その力が、効かないなんて──!
──あ。
言っておきますけれど、『お屋敷』って、建物だけじゃなくて、庭も入れるんですよ? 庭に丘に、それからお屋敷も全部。
それからそれから、玉垂自身も当然入れて。
だから、入って来れるわけがないのです。
今までだって、誰一人として、ここには来なかったのですから……!
だって、玉垂は、静かに暮らしたかったの。
誰にも見つからないように、静かに静かに暮らしたかったの。
だから一生懸命、お屋敷を隠していた。
誰からも見つからないように、
お屋敷も庭も、それからこの小さな小さな丘も含め、
みんなみんな隠したの──。
┈┈••✤••┈┈┈┈••✤ あとがき ✤••┈┈┈┈••✤••┈┈
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