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【書籍化】『精霊の花嫁』の兄は、騎士を諦めて悔いなく生きることにしました【BL・番外編更新中】  作者: 池家乃あひる
第一章 始まり

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30.5 ~攻め登場から見たい人向けのあらすじ~

タイトル通り、攻め登場から見たい人向けのあらすじになります。

この世界の人間は、誰もが精霊に加護を賜り生活している。

一度目は6歳、二度目は成人となる18歳の時に。真にその加護を賜るに相応しい人間かを洗礼によって見極められるのだ。

20年前の魔物との戦争で、この国を救った三人の英雄。そのうちの一人、現在はギルド長となっているヴァンの息子ディアンは、唯一その加護を授かっていない男だった。

魔物戦争の際、精霊に剣を授かる代わりにディアンの妹は『精霊の花嫁』として嫁ぐことを命じられたが、当の本人は勉強どころか精霊についても全く学ぼうとせず、父も母も人でいる間は苦労なく過ごさせたいと咎める事はない。


一方、ディアンは騎士になるようにと父に厳命され、日々鍛錬を怠ることはなかった。

どれだけ剣術が劣っていようと、魔術さえまともに扱えずとも、英雄の息子とは思えぬ姿であると嗤われようと、全ては己の努力が足りないせいだと。

同じく国を救った英雄の一人、現国王陛下の息子であり、王位継承権第一位の息子ラインハルトからは嫌われ、王女であるサリアナからは過剰に庇われる日々を送りながらも努力していたのだ。


だがある日、ディアンはサリアナから騎士に内定していることを知らされる。

学園での成績は、とても試験を免除されるものではなく、だというのに国王も父も認めているという。

そして、ディアンはとあるきっかけで、自分に下されていた評価が父親の指示により捏造されていたことを知る。

父の望む姿と、ディアンが目標としていた姿。噛み合わぬ矛盾は妹への対応についても飛び火し、反省するまで部屋を出るなと閉じ込められてしまった。

長年無視し続けていた違和感。父との会話で感じた異常。このまま騎士を目指すことはできないと、葛藤するディアンに浮かんだのはグラナート司祭の言葉。


精霊名簿士にも匹敵する知識量。

精霊名簿士とは、洗礼の際に何万といる精霊の名と役割を正確に照合する、教会にとってもっとも重要な役割とも言える。

本当に今の自分で合格するのかはわからない。それでも、このまま疑問を抱きながら騎士になることだけはできないと。

聖国に向かうことを決意したディアンは、その道中で追っ手に追われ、撒いた先で獣に襲われてしまう。

学園では妨害魔法のせいで身体の動きが鈍かった。だが、今は学園ではないし、妨害魔法をかけてくる相手もいない。

それなのにろくに動かない身体に、死を覚悟したその時。突然現れた白い獣がディアンを助け、そして――。



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