世界創造の物語 ~根源的な寂しさに耐えるために~
2017年にフェイスブックを始めたのですが、当初は本を読了したら、コメントを付けてアップしていました(今はやっていません)。
この文章は、4年前に、ウォルター・ワンゲリンの
小説聖書(旧約編) を再読したときに、フェイスブックに書いたコメントです。
2017-133
世界は、何によって創造されたのか。
その存在にどんな意味があるのか。
この宇宙が時間と空間によって構成され、人間が宇宙に内包された存在で、時間と空間を所与の条件として思考する以上、頭記した、この世界の第一義と言える設問に人間は答えることはできない。
世界の創造者も、世界が存在する意味も人間には不可知。
人間はその想像力を精一杯に使って、様々な民族が様々な世界創造の物語を創った。
我々が唯一知ることができた世界。その世界はたまらなく愛しい。
だがその世界に生命を持って訪れた存在は、例外なく限られた時間の滞在の後、その世界を去らなければいけない。
人間の思考できる範囲においては、全ては移り行き、全ては消え去る。
その根源的な寂しさに耐えられなければ、ひとは、いずれかの物語に、その身を委ねるしかない。