プロローグ
小説初心者ですがよろしく
それは不思議と心を引き付ける扉だった。
普通の扉だ。
黒塗りの鉄でできた普通の扉だ。
普通の大きさ、普通の位置にドアノブがあるだけの普通の扉だ。
しかし、なぜかその扉は心を引き付けた。
「こんな所に扉なんてあったっけ?」
記憶を掘り返してみても、記憶の中のこの場所は壁だったはずだ。
「もしかして隠し扉?」
そうに違いない。きっとこの襲撃で壁が壊されて出てきてしまったのだ。見ると、ここ以外にも辺りはあちこち壊れている。
このままではまた奴らが来るかもしれない。
「クロ!何やってるのよ!早く逃げるわよ!」
彼女もそう思ったのだろう。いつも明るい幼なじみの顔は恐怖に色取られている。少し新鮮だと思う。
それでも他人の心配をするあたり、あまり取り乱していないのかもしれたい。
彼女は面倒見のいい性格で、困っている人は放っておくことができないのだ。
「先に逃げてもいいよ。どうせ逃げ切れないし」
「そんなのやって…」
「分かるよ」幼なじみの言葉を遮る。
何も言ってこないという事は、彼女自身その事はもう分かっているのだろう。
「そんな事より」
自分の置かれた絶望的状況をそんな事と称したことに幼なじみは怒って何かを言っているようだが、どうせ死ぬのだからどうでもいい。人生の最後を説教で迎える気はない。
どうせなら、この扉の奥で迎えよう。
今まで誰も見た事の無い扉だ。何かあるかもしれない…いや絶対にある。
なぜかそう確信して扉を開ける。
その奥には―




