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童話

すごい腕前を持つ美しい女剣士が消えた話4

作者: まんどりる
掲載日:2020/01/20

 私の名は『ウィザードリー・ナイト・メアー』。

 『アドヴェンチャー王国』の王族に代々仕えている兵士ウィザードリー家の長女だ。


 そして私は剣士。


 昨年、なんと護衛隊長から、国の女の中では最強と認められたのだ!

 王国の周りをうろつくモンスターが我々の大地に足を踏み入れようものなら、剣を構えて闘う。


 

 私はこの仕事に誇りを持ち、毎日国の安全や王族の護衛に徹しているのだ。


 死ぬまで剣士として生きていく! 私はそう誓った。









「ピピピピ……」



 ???



 鳥の声かな。


 私は目を覚ました。まだ眠い。それも昨晩は遅くまで門番業務に勤めていたから、無理もない。


 それにひきかえ今日はどうだ?


 護衛や見張りはおろか、月25日の訓練すらない!


 完全に暇な一日だ!


 いやー! やっぱり業務はないほうがいいな!ふふふ。

 今日は一日ゆっくり過ごし、明日から再開される訓練や業務に備えよう!




 私は布団にうずくまり、再び仮眠をとることにした!




「ピピピピ……」




 ……んー。


 うるさいなー。鳥のさえずりなんて普段は聞こえないはずだが……


 私は布団から出て窓を閉めようとした……



 だが、そこに窓はなかった。




「あれ?」



 そしてよく見ると、ベッドも普段の真っ白な布とは違い、薄っぺらい毛布になっていた。



「……」



 あたりを見回すと、普段の部屋ではないな。



 あれはなんだろう。



 上を見上げると白く濁った色のガラスが円盤状に加工された器具が天井に張り付いていた。そこから1本の紐がたれている。



 さらにあたりを見回すと、質素な床と質素な壁が私を取り囲んでいる。


 へやの向こう側には大きな黒い板、小さな机の上にはそれの小さいものが一つおいてある。ぬいぐるみのようなものもあるな……

 あそこには縦長い鏡、横に誰かの服がかかってある。


 壁際には本棚があるが、並べられた本の背表紙には見慣れない文字が書かれている。



「……!」



 そして私は察した。



 ここは異国の地……きっと知らない間に捕らえられ、この部屋に監禁されているのだ……!



 どこの国のどんな民族かは知らないが、この私を幽閉するとは……


 私を連れ去ったり目的はおそらくだが、わかっている。



 きっと私の素晴らしい剣の腕前を知ったこの異国の王が、

『アドヴェンチャー王国の女剣士……やつはとんでもない力を持っておる……

すぐにでも捕虜にし、我々の軍事力に尽くさせるのだ!!』とでも言ったのだろう。

 いやあ、まさかこんな遠い国の王の耳にまで私の噂が流れていたとはなぁ。



 ……っと、そんなバカなことを考えている場合ではないぞ!



 なんとかしてここを抜け出し、一刻も早くアドヴェンチャー王国に戻らないと……


 そのためにはまず、敵側の作戦を読む必要があるな。


 よし! こんなときは、敵側の気持ちになって考えるのだ!



 異国の王はどうして私を攫ったのか。ふ……そんなのは簡単よ。

 きっとこの国の王が、

『アドヴェンチャー王国にとんでもなく優れた剣術を持つ女剣士がいる!

 しかしもっとすごいのはその女剣士はかなり美しいのだ!

 よし決めた! 我が国のイケメン王子の妻として迎え入れよう! 者共!さらってまいれ!!』とでも言ったのだろう。


 そしてきっとこの部屋は私を招待した待ち合い場所……


 きっともうすぐ私を迎え入れるイケメン王子が……



 ……っと、ダメだダメだ!こんなことばかり考えていたららちが明かない!



 さっさと敵側の思惑を探らねば……


 なぜ私をさらったのだろう……それはきっと異国の王の命令。

 なぜ命令したのか……それは私を手に入れるため……

 

 私を手に入れるため王はこう言い放った。

『アドヴェンチャー王国に剣の腕前もさることながら、とんでもなく美しい女剣士がいるという噂を、かねてから聞いておった。

 しかもその女剣士はそれだけではなく、勉学の成績も優れていると聞く!! それに優しいし可愛いし完璧じゃ!! 

 よし野郎ども!! 我が『アドヴェンチャーオウコクナンカヨリモモットステキナ王国』へお招きしろ!! できればお連れしろ!! あわよくばもてなせ!!』

 ……とでも言ったのだろう。


 ふふふ、我ながら完璧な推理だ。よし、そういう事にしておこう。


 よし! と言うことはきっとこの紐を引けば、


《ようこそウィザードリー・ナイト・メアー様!》


 と書かれた紙がどこかしらから出てくるのだろう。




 そして私は思いっきり紐を引っ張った!!




 ピカッ!




 そして私はあまりの眩しさに目を背けたーーーー




 どうやらそれはくす玉ではなかったようだ。

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