福島悟と秘密
やっとの思いで陽菜の部屋を片付けて、眠ることができる・・・はずだったのだが、あることによって眠ることができない。
あることってのは隣で寝ている陽菜のことだ。
「なんでお前はここで寝るんだよ」
「だって悟の家ベッドこれしかないんだもん」
陽菜がこっちを向いて話そうとしたがあまりにも距離が近くすぐに向こう側を向いてしまった。
確かに親が布団を敷いて寝る派だったので俺の家には俺のベッドしか設置されていないし、その布団も処分してしまった。
しかし、これはヤバい・・・
シャンプーも持ってきていたのか陽菜からは柑橘系のさわやかな香りがする。
いくら俺のベッドが広めだといってもこれまでここまで密着したことはなかったのだから、意識せずにはいられないレベルだ。
明日の家にベッドは運び込んでおこう。
「悟ってさー、私のこと嫌いなの?」
「・・・なんでそう思うんだよ」
「だって悟って二・三年前まで仲良くしてくれてたのに、最近冷たいじゃん・・・」
違う。俺は彼女のことを嫌いになったわけではない。
親が死んでから俺は陽菜に引け目を感じていたんだ。
そんなころから陽菜も変わってしまった。
明るかった性格もナイーブな感じになってしまったように感じる。
「明るくしても、冷たくしないって約束して」
いつの間にかこちらを向いていた陽菜と目が合う。
「努力するよ」
俺たちはいつの間にか眠りについていた。
「起きて、悟!」
体に感じる重み、そして安心感のある声に眠りから起こされる。
「おはよう悟」
「おはよう陽菜」
鼻に香るのは陽菜の香り・・・だけではなくなにか香ばしい香りが漂ってくる。
「ベーコン・・・」
「おはよう、陽菜ちゃんついでに悟」
「おはよう高島君」
「よう、直樹。それと悪いんだが少し話があるんだ、ちょっと屋上まで来てくれ」
どっちにしろこいつには陽菜と一緒に住んでいることはばれてしまうだろう。なら先に教えておいてベッド運びやらを手伝ってもらおう。
朝の風が頬を吹き付ける・・・
「・・・で、こんな告白めいたところに呼び出してはなしって?」
「変な言い方をするな。真面目な話だ。俺と陽菜が同居することになった」
高島に理由を話すと予想通り理解してもらえたようだ。
「わかったこのことは内密に・・・だな?」
「ああ、頼んだ」
教室に戻った俺たちには、友達に同居のことを話そうとする陽菜を止める仕事が待ち受けていた。
高坂陽菜17歳
身長163cm
体重46kg
B-72 W-63 H-72
福島悟の幼馴染
テニス部主将
クラスの人気者
かわいい