ぶち抜かれた壁、引き抜かれた四古流
ここは、言うならば天国である(死んでないが)
「ふぅ。これで今日は500人目か……」
「井上さん! 次は私もお願いします!」
その少年はとても素晴らしいテクニックを持っていた。経験人数は2億人に達する。
「わっはっは、もちろんだよ! 俺の嫁達!」
「「「井上さん最高!」」」
その右手と精剣は、すでに伝説と化していた。
(快感、最高、大絶頂!)
「はーっはっは! 女最高! いつまでも、この感覚を味わい続けていたいわ!」
しかし! もちろん夢である。
埼玉県在住の、井上さんちのお宅からお送りいたします。
「ジりりりりりりりりり」
「…………朝?」
午前8時25分。中卒のピッチピチ(童貞)の少年、井上 四古流は日曜から早起き。
「やばい。急がないとプリ〇ュアが始まってしまう」
少年の楽しみは、もはやプリ○ュアのOPを大音量で聞くことのみである(本編は見ない)。
「……ってもう終わっちまった。時間って、ほんと過ぎるのはやいな~」
そうつぶやくと、少年はラジカセの電源を付けた。
「よし歌う!」
超近所迷惑。言っておくがここはアパートだ!
「お互い、ぴ~んちを乗り越えるたび~」
「つよく」
「強く!」
「近く」
「近く!」
「NA☆RU☆NE☆★★!!!」
………………。
「ゆあーべすと……、じゃなくて! あんた誰だ!」
「何てことを! ふたりでプリ○ュアじゃなかったんですか!」
「いきなりキレだした!?」
ちなみにここは6畳間で、窓はもちろん施錠済み、扉には引きこもりを象徴する鍵がかかっております。
「どっから入ってきた!」
「あぁ。そこの壁をちょっと、ロケットランチャーなるもので破壊しただけです。」
「どうりで! なんか涼しいと思った!」
そこには超絶イケメンがいた。いかにもモテそうな顔つきである。殺したい。
イケメンなんて、この世から消えてしまえばいいのに……。
「まあまあ、童貞どうし仲良くしようじゃありませんか!」
「童貞だったんだ! てゆうか、俺は、別に、どどど童貞ちゃうわ!」
「隠さないで、四古流さん。あなたが顔はそこそこなのに、性格と名前のせいで微塵もモテナイことは知っております」
「本名で呼ぶな! 名字で呼べ、名字で!」
「とにかく! あなたは私たちの団体に加入してもらいます」
「団体だと……」
ちょっと食いつく主人公。
「秘密結社!≪変態野郎達の会≫!」
「だが断る!」
次回に続く!