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4.地属性でなくても、女子は強いものじゃ

日刊ランキング12位だと!?

あわわ …皆さんの期待に応えるよう頑張ります。

今回、遂行していないので後で修正予定!

お手柔らかに~

 中立地帯という権力者や兵役を持つ者にとって旨みのある土地が消えた事……

 王を名乗る山を断ち切る程の大剣を創りだす村人の格好をした魔術師の少年。

 怪力で、大地を割り、地響きを起こす従者の異国の服を纏った少女。

 

 ロザヴェルトの将軍やその場にいた兵士達は当然、泡を食ってありのままに話した。

 だが、少年たちが使った魔法恐らく、地属性では無いかと知るや全く取り合わない。


 確かに誰の土地でもない以上、国からの庇護は得られない代わりに住むことは出来る。

 野盗や魔物に襲われても地力で退治できるなら問題もない。

 最低限、自給自足出来るのなら世捨て人にとっては最高の環境だろう。


 だが、国相手に喧嘩を売るほどの実力を持った(バカ)が住み、あまつさえ建国までするのは完全に想定外だ。

 

 普通、それだけの実力者なら士官でもなんでもして国に自分を売り込むこだろう。

 

 その為、国に帰った将軍達の謎の地属性使いの報告は誰も真面に取り合わなかった。


「地属性? あの土を弄るか、石を飛ばすしか能のない無能者か?」

「はは、我らはロザヴェルトは風…しかも気象属性の中でも強力な雷属性の者を排出する国だぞ?土如きに遅れを取るなど……くくく、将軍閣下もご冗談が上手い。」

「山を断ち切る剣ですか…みてみたい物ですな。」

「はっはっは、大方、サキュバスでもいて誑かされてのでは?」

「ヒースワルドの獣共に遅れを取った言い訳にしては面白い冗談ですなァ!?」

「それより、吾輩はスカートを履かずにいた下着の様な履物をした痴女とやらを見てみたいですな。」


 このように嘲笑され果ては、ヒースワルドに負け、何の戦果も持たず逃げ帰ったと糾弾される始末。

 

 将軍は屈辱に震えながらも脳裏に少年の言葉が何度も再生される。


『早く自国に逃げ帰って、色々と無駄な対策でも練ることだな。』


 少年の言葉が将軍の脳裏で繰り返される。

 

 彼はこうなることを見越していたのだ。

 そして、彼らは戦争を止めるといい、武力を示した。

 あれほどの使い手が敵に回る……その事実が恐ろしい。


 上層部(うえ)はもう当てにならない。

 ……いや、当てになる人物は一人、心当たりがあるが、今はこの国に居ない。

 自分たちで何とかせねばなるまい。

 

 しかし、どうやって?


 

 案1  人海戦術による消耗戦 

 難点  先の戦いを見る限り、此方の人的損害の方が大きく採算が合わない。  


 案2  刺客を差し向ける。

 難点  今となっては中立地帯に入るもの全てが敵だろう。 暗殺は困難   

 案3  集団魔法、儀式魔法による遠距離狙撃。 

 

 あの大規模の魔力量だ…彼らの魔法に対する防御力、抵抗力も高そうだ。

 それに合わせて数を揃えて放つ儀式魔法ならそれなりの人数が必要だ。

 大人数での力を合わせた儀式魔法によろ狙撃か、呪いでの遠距離からの攻撃なら効果があるのでは?

 

 要検討。

  

  

 

 案4 和睦した後、情報収集後…殺!

 

 それに敵に回すより上手く此方に取り込んだ方がいいのでは無いだろうか?

 使者を今すぐにでも送り和睦を進めるしか無いのでは無いか?

 しかし、あの地に住まう者達に自分たちがしてきたことを考えると難しい。


 女を使った絡めてはどうだ?

 少年の周りにはあの怪力の少女がいる。 難しい…いや、ヒースワルドに執心だった少女だ。

 

 獣族の奴隷をあてがえば彼女は此方に引き込めるのでは?

 

 搦手で味方に引き込む…その考えに至った時、廃棄した方の答えが自ら将軍の前に現れた。



「ほう? わらわが居ない間に随分、面白い事が起きていたようだな?」


 途端に嘲笑の声が止み、会議室にいる誰もがその声の方に顔を向ける。

 

 黄金の髪を背中まで無造作に伸ばし、黄金の瞳を光らせ、黒いドレスを纏った美少女がいた。


 年の頃は件の地属性使い達と同じ位だろうか、幼さを残しながらも、妖艶な魅力が滲み出ている。

 魔女……いや、暴君の気質を持った少女が不敵な笑みを浮かべ…しかし瞳は新しい玩具を見つけた子供の様に輝かせている。


「ロ、ローズ王女様、お、お戻りになっていたのですか?」


 文官の一人が、冷や汗をかきながらも黄金の少女…ローズ、この国の王位継承権を持つ少女に話しかける。


 しかし、ローズは文官達を一瞥もせず、将軍にだけ視線を向ける。


「ふん、わらわに黙ってヒースワルドと戯れにいった駄犬共を躾けに戻ったのだがな……」


 その王女とも思えぬ言葉使いに、諫言する者はこの場…いやこの国にはいない。


 ロザヴェルト国の中でも指折りの才に恵まれ、それを裏付ける努力と向上心を持つ、ロザヴェルトの切り札の一つ。


 「雷帝」ローズ・ロザヴェルト


 心、技、体 全てが揃い、おまけに美貌とカリスマを併せ持つ少女の姿をした怪物。

 

 此度のヒースヴェルトの遠征もこの少女が参加していれば、誰も武名を広げることも報酬を得ることも出来ない為、ローズが諸国を回っている間に黙って遠征を行ったのだ。


「なかなか面白い話をしておったな? ヴェルナー将軍もう一度、わらわの前で申してみよ。」


 和睦から最もかけ放たれた答え……ロザヴェルトの怪物をぶつけるという答えに至るのは暫く後のことだった。


案5 怪物には怪物を

 難点 適格者の人格,敵の戦力も未知数,最後の手段。





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