兄の変異とか
久々の作品です。
批判には反応しません。
誤字の指摘は受け付けます。
「んじゃこりゃっ!」
朝、6時になる我が家にその口調とはあまりにも似合わない綺麗な声で悲鳴が上がる。
当然俺もその悲鳴で起き上がることになる。
「た、隆哉!」
勢いよく開かれる扉。
そこからは生粋の日本人とも言える象徴の黒髪、黒目の美少女、言い表すなら大和撫子。和風チックな美少女がいた。どちらかと言えば綺麗としか言いようがない。
上下はパジャマで明らかにサイズの合っていない服装をそれなりに主張しているものが支えていた。俺の悪友に言わせるのなら「完璧なエロス、絶対領域はちゃんと弁えているな」だ。その上から目線が非常にイライラするが。
これの人物はおそらく俺の愚義兄、朝桐紡。歳は一ヶ月ほど誕生日が早く、高2。
母親の再婚相手の連れ子。と言っても兄弟歴は11年と長い。
黒髪短髪で中性的な顔立ちで身長171㎝ほど。男女ともに人気があり中学校時代は一方的な推薦で生徒会長となり、無駄なまでに真面目に1年間生徒会長を務めていた強者。と、紡と同じ学校を出た生徒から聞いた。
そして、ブラコン。
「隆哉っ!な、なんか俺女の子になっちゃってるんだけど!?」
そのまんまの勢いで俺に抱きついてきた。
腹のあたりをしっかりとホールドしているのだから本来柔らかい感触が伝わってくるはずなのだが俺には伝わってこない。
俺の外見と言えばお河童ヘアーのポッチャリとした見た目で体重計に乗れば100キロ台をマークする体である。それと黒縁メガネ。
身長は紡よりデカいのでただの巨漢状態。
これはそうゆう物体を着けているのだから仕方がない。
「おそらく、親父もしくはお袋の仕業だ」
俺らの親父とお袋は異常なまでに研究などに力を入れる天才と呼ばれる部類の人だ。
親父とお袋は普通に飛び級をしてたりする。勉学面は世界で名を連ねるレベルなのだが、料理とかそっち方面はからっきし。
料理については俺が小1のころからやらされていた。
今となってはちびっ子に刃物を持たせるな!と思うが今ではそれでよかったと思う。
基本、放任主義で祖父母の家へゴーって感じで長期休暇、所謂夏休みとか冬休みはよくそこに連れてかれた。
両親より祖父母の方が親って感じがする。
それでも誕生日とか、入学式、卒業式とかいてほしい時にはちゃんとそばにいてくれたからいい親だと思う。
中学校の3年間は紡はそちらの方にしかない登山部に入るために祖父母の家に住んでいた。俺も部活とかがあって中々会えなかった。高校からはまた一緒に暮らしている。
そんな両親は日々未知への探求心で色々なことを俺たちに強要してくる。
さすがに命の危険を感じた時は全力で逃げたが。
とゆう訳で、こんなことをやりそうな両親を問いただすことにした。
「バカ親父、紡はなんでこんなことになってるのか説明してくれるよな」
「はっはは、隆哉くんそんなに大人に対して厳しく当たるように育てた覚えはないぞ」
見た目は真面目そうな40歳代のフケメン。大人なカッコよさを持つ人である。
「こんなもん思春期の息子的には普通だ。思春期の娘だったら『お母さん、もうお父さんの服と一緒に洗濯しないでって言っただしょ!』言われるはずだ」
「な、な………な…ん…だって?」
「ほら、紡。何か言ってやれ」
「早く戻して。そうしないともう口きかないよ」
「NO!それじゃパパ生きていけない!」
さっきほどの驚きから落ち着いたのか紡の声は非常に冷えていた。
目は虚ろ。下手なこと言ったら壊れる。
自分の性別が変わったなんてそうそう納得できることじゃない。
日ごろから中性的で女に間違えられて、トラウマがあって、それが嫌で髪を短くしたこいつには特にな。
「早く」
「だ、だがそれをすると体の負担が大きく障害を患ってしまうかもしれないんだ」
親父は焦ってそんな紡の青ざめた様子を確認できておらず、さらりとやばいことを言う
「っ!?」
下唇を噛み、手から血が出そうなほど強く手を握り締めている。
直後、泣きながらリビング、そして家から走って出ていく。
俺は無言で親父の鳩尾をそこそこ手加減をして殴った。
「紡連れてくるから、言い訳考えとけ親父それとこれ、外させろ」
自分の腹につけられたやたらとリアルな普通の脂肪にしか見えない物体と頭に着いている物を叩きながら親父に命令する。
セッチャー君12。なんともネーミングセンスのない親父の発明品。
普段から敵に警戒されずに自分を守ることがべきるスーツとして親父が発明したものだ。形はお河童ヘアーに頬、首への人工の限りなく皮膚に近づけた物体を加えたもの。つまり、フルマスクが進化したもの。
防弾などの性能を上げようとしたため装着するとポッチャリとした人の顔にしか見えない。
ある意味それで不自然さがないので逆に驚きだ。
もう一つが問題のボディーの方。
ボディーにはとことん気合を入れてしまったため人肉型のスーツの中に血に近いものが流れるように設計したためさらにポッチャリボディーへの見た目を加速させた。
スーツを着てる間は微生物云々が綺麗さを保ってくれるらしい。
そのスーツを着るとやはり両手両足の肉の違いが気になるので両手両足も同じように追加された。
正確に言えば、普通にスーツじゃない部分は重要な部分と口と目と耳と鼻。
それの問題はやはり重さ。
総重量50キロを超え、体への負担が尋常じゃないことだ。
それを俺に押し付け、月1でメンテナンスをしながら開発促進をした。
丁度高校の入学式ごろにやらされ始めて、久々に再開した紡にはたいそう驚かれた。
スーツを脱げばまるで別人状態。我ながら体脂肪率を10をキープしてるだけのことはあると思う。
それまで来ていた服だと少々デカいので着替えて紡のいるだろうところへ向かった。
紡が家を出てから10分、
紡の落ち着く時間も考えればこれくらいでちょうどいいのかもしれない。
セッチャー君を着けているのでなかなか切ることのできなかった髪をカチューシャで押さえ、軽く羽織れるものを持って家から河川敷へ向かった。
初心者なので大目に見といてください。
設定も愚だ愚だ。