僕の初野宿ライフ
変種完了しました。
エレンです。現在、俺とリニスはサラ(狼ver)の背中に乗って移動している最中です。
風が気持ち良い、サラの毛がさらさらで気持ち良さ倍増だ。
闇を使っていかないのかって?・・・それは俺も考えたよ、でもさ、何か闇で作った道は俺だけしか通れないらしいんだよ。
試しにリニスとサラが通ろうとしてみたけどダメだった。
なんか、物凄く嫌な感じがして長く居ると精神が喰われそうな気がするらしい。
それを聞いた時、少し落ち込んだ。
だから、サラの背中に乗って行こうって事になった。
サラの背中に乗った時「エレンが私に乗っかてる・・・ハァハァ」って言ってたのは聞き違えだと思いたい・・・思わせて。
そんな訳で
「以上現状説明終わり」
「どうしたのエレン?」
何かリニスに変な顔された、ごめん、そんな目で俺を見ないで。そんな可哀想な子を見る目で見ないでくれ。
「何でもないよ、ただ言わなきゃいけない気がしただけだから」
ホント、何であんな事言ったんだろ?
「そっか」
リニスはそれで満足したらしく俺が貸した本を読み始めた。
俺は話題を変えるためにサラに質問した。
「ねぇサラ、後どれくらいかかりそう?」
「そうね、このペースで行くと今日中に着くのは不可能だから野宿をして・・・明日の午後には着くでしょ」
「そっか、ありがと」
今日は野宿か。
実は野宿は初めてだからちょっと楽しみなんだよ。
というか・・・疲れたな。まさか、さよならを言うだけでみんな一人一人に抱きつく事になるなんて。あ、男性は拳と拳をぶつけ合ったりしただけだけだ。
俺はそっちに興味は微塵もない。それよりも、みんなと抱きついている時のサラとリニスの顔がね・・・うん。怖かった、慰めるのに苦労した。
でも、そのかいがあって、今はこうして穏やかに進んで行けてるんだけど。
俺は空間から本を取り出して読み始めた・・・至福の時間。ほんとに最初の力を制御出来ていないときは地獄だったな。
そんな事を考えているうちにも俺達は進んで行く。
「ここら辺で野宿にしよっか」
日もくれて暗くなり始めた頃。サラが立ち止まって背中に乗っている俺とリニスにそう言ってきた。
野宿。
来たよ野宿、星空の下でご飯を食べ星空を見ながら寝る、自然を体で感じながら寝るこれぞ野宿。
「どうしたのエレン?そんな笑顔で」
おっと、心の中ではしゃぎすぎたらしいね。無意識に笑顔になっていたらしい。
相変わらずリニスは俺の笑顔を見ると顔が赤くなる、順応性を高めなさい。
「何でもないよ、ただ野宿って初めてだから嬉しくってね」
「そっか、確かに野宿なんてしたこと無かったもんね」
まぁ、森に居た時は小屋にいたし。あれはあれで、森を感じれたから気持ちが良かった・・・でも日に日にその森が俺達の修行によって壊されているのを感じれるから複雑な気分だったな。
「サラは野宿とかしたことあるの?」
「私?私は里を出た後は結構してたね」
おぉ、経験者がいたよここに。しかも慣れているっぽいし。
「じゃあ、今日の野宿も安心だね」
「だね」
リニスも同意見らしい。
「まぁでも、川や泉が近くにないと色々困るかな?」
「確かにそれは困るね!」
リニスの声大きいなぁ。
まぁ、体の汗とか汚れとか流したいもんね、特に女の人は。
「でも、魔法があるからあんまし関係なくない?」
「私は、水系統の魔法は得意じゃないからね。というか魔法自体得意じゃないし、戦闘の時も体術をベースにしてるから」
確かに前にも言ってたな、魔法は身体強化ぐらいしか使わないとか。しかも使える魔法は古代に失われた魔法だからね、この前姿を消す魔法『バニッシュ』を使ってもらったけど・・・何処にいるか
解らなかった。
魔眼を使って初めて、何処に居るかが解った。
魔眼スゲー、って思った時だ。
サラの気配遮断技能と古代魔法が合わさった結果が誰にも気づかない・・・暗殺に持ってこいだな。
「私は魔法ならどの系統でも全部使えるけど、体術は苦手だから護身ようにとサラ教わったのだけだし」
逆にリニスは魔法が得意だけれど、体術はサラが教えた護身用の技だけ・・・といってもそこら辺の生物には負けないぐらいの体術だけどね、多分。だって森に居たでっかい熊?みたいのに普通に勝ってたし。
あれ、猛獣にカテゴリされてるらしい、ってサラが言ってた。
「でも、エレンはねぇ」
「そうそう、エレンは」
「何?」
何で二人してこっちを見るの?
「「規格外なんだよね(だからね)」」
「・・・俺は今の二人の言葉に傷ついたよ」
まぁ、自覚はしている。だけどそれをじぶん以外の誰かから言われると・・・辛い。
順応できない。
「だってエレンは私が知らないような魔法も使えて、さらに魔術とかいうこの世界に存在しないような物も使えるし・・・」
と、リニス。
「そして、私以上の体術を使えてしかも魔力が見えて、好きな術式を出せて、魔法陣の解析も出来る魔眼とかいう理不尽な力も使えるし・・・」
二人は交互に俺のメチャクチャ具合を言う・・・正直泣きそうです。俺の異常な順応性は何処にいった?
ここでその異常性を発揮する時だろ。
「「最後に闇とか出鱈目な位強い物使えるエレンが規格外じゃないなら何なの(よ)!」」
((しかも無意識の内に女を誑かすんだから))
「グハッ!」
俺は最後の二人の言葉で精神がゼロどころかオーバーキルを食らってしまいその場で倒れた。
しかも何か失礼な事を二人が考えていたような気がするし。
「ちょ、大丈夫!?」
「エレン?エレン!?」
二人が何か言ってるけど俺にはそれに答える気力がない。
サラside
「これはやりすぎたわねリニス」
私はエレンが倒れた後、リニスに話しかけた。
「そうだね、流石に言い過ぎたかもしれないけど」
「「事実だからどうしようにもないのよね(んだよね)」」
そうさっき言ったのは全部事実だからどうしようにも無いのが困った所なのよ。
あ、もちろんさっき思った事も事実なんだけど。
森に居た時はとにかく襲って来る猛獣が多くてね、その中にも人の言葉が分かる猛獣さらに人型になれる幻獣や魔獣がいて。
エレンが倒して治療して上げる度にエレンの事が好きになっちゃう奴等ばっかでリニスと協力して色々大変だったのよ・・・特にフェニックスのフレイなんか実力が同じぐらいだから大変。
ウロボロスのオリアナを説得するのは物凄く疲れた。
戦う?無理無理、エレンが来る前までの森のトップだったのだから。
そして、基本あの森は強い者が上に立つ、まさに弱肉強食の摂理になってるから。
しかもエレンはあの容姿、それで強い、優しい、笑うと可愛い。だから・・・正直やばい!
少し暴走してしまった。
最後にはエレンが使い魔契約で全部の猛獣、魔獣、幻獣は納得したのよね。
まぁ絶対にエレンは渡さないけどね♪
エレンは鈍感だからまぁ一人にしても誰かと恋人関係になったりはしないと思うけど・・・エレンも14歳という恋愛をしてもおかしくない歳になって来たし、この旅の内に絶対に恋人同士になるために頑張らなきゃね・・・あわよくばその先まで////
リニスとは同盟を組んでるからリニスにも相談しないと。
そうと決まれば即実行!
「リニス、そろそろエレンも大きくなって来たからこの旅の内に頑張ってみない?」
「え!?・・・う~ん、そうだね、確かにそろそろエレンも恋愛感情を持つ頃だもんね」
リニスは最初は驚いていたけど、
少し考える動作をしたけどすぐに賛成してくれた。
「よし、じゃあこの旅で絶対にエレンと恋人同士になろう!森のみんなには悪いけどね」
もしこの考えが森の奴等に知られれば大変な事になるねきっと。
「そうだね、森のみんなには悪いけどね」
リニスはいい顔でそんな事を言った・・・かなり恐い顔だった。
「ん・・・」
「あ、エレンが起きたみたい」
「そうだね、サラ。頑張ろう」
リニスは最後にそんな事を言って来た。
それに私は笑顔で
「もちろん、頑張りましょうリニス」
と言った。
エレンside
「う・・・」
あれ、俺は・・・そっか。二人から精神にオーバーキルもらってたんだっけ。
「ごめんエレン言い過ぎたわ」
「ごめんねエレン」
起きたらいきなり二人に謝れた。
「ううん、大丈夫だよ・・・本当の事だし」
俺の異常な順応性は本当にどこ行った?
「そっか、じゃあご飯にしようよ!」
「そうそう、ご飯を食べましょう」
ご飯かぁ、なんだろ?・・・あ、その前に。
「ごめん二人とも、ご飯の前に見せておきたい物があるんだけど良いか?」
「うん、私はいいけどサラは?」
「私もいいよ。で、見せたい物って?」
俺は二人に了承をもらったからあれを見せる事にした。
あれを見せるとまたデタラメとか言われそうだよなぁ、まぁ闇程じゃあないんだけれど。
「ちょっと待ってて」
俺は二人にそう言って空間から俺の武器を取り出した。
「それって弓?」
「うわぁ、おっきい」
二人が俺が取り出した弓を見ながらそんな感想を言った。
「そう、これはサラが言ったように弓だよ。名前はエクスマキナ、森にいた頃、闇をどこまで伸ばせるか試してたら地面奥深くで引っかかったから闇を通して取り出してみた。名前は何か持った瞬間に聞こえて来たからそれにした」
この中には精霊が居るんだけど・・・寝てるみたいだ。
いつもは起きてるのに。
「それで?それを見せたかっただけ?」
サラが最もな意見を言って来た。
「これの威力を見てもらいたくて」
「でもエレン、魔法があるのに弓が必要なの?」
リニスがまた最もな意見を言ってくる。
確かにこの世界には魔法という便利な遠距離攻撃があるけれどこのエクスマキナの力を見れば納得するだろう。
「まずはこのエクスマキナの力を見てよ、質問はその後」
俺は二人にそう言ってから双眼鏡を取り出して二人に渡す。
「それを覗くと何か赤い点が見える場所があると思うからそこをしっかり見ててよ」
俺はそう言ってエクスマキナを構える。
俺は魔力をエクスマキナに通して矢を形成、そのまま矢を限界まで引き。
「・・・」
無言でターゲットに向かって矢を放つ。
ギュン!
風を切る音を響かせながら矢はターゲットにたどり着きそして
ドガァン!!
ターゲットとその周辺の土地を吹き飛ばした。
「今日も調子が良い」
今は夕暮れだけど。
「「・・・・・・」」
「あれ?どうしたのそんな固まって?」
なんか二人とも固まったまま動かなくなってるけど、大丈夫か?
「な・・」
ん?
「何なの今の!?」
どうやらサラが先に復活したようだ。
「何って・・・矢を放っただけだけど」
「だ・か・ら!何で矢を放っただけであんな事になるのよ!!」
「・・・はっ!」
あ、リニスがサラの声で復活した。
「エクスマキナの矢は俺の魔力によって形成されてるから、俺の魔力=威力って思ってくれればいい」
「それなら納得ね」
納得して頂いてなにより。
「あ、でも距離はどのくらいだったの?」
ここでリニスが参戦か。
よく話に入り込めたな、ビックリだよ。
「距離は大体・・・2キロぐらい?」
うん、大体そのぐらいだと思う。
「「2キロ!?」」
ホントこの二人声がよく揃うね、まぁ5年以上も一緒に暮らしていればそうなるのか?
「だいたいね、まだまだ距離は伸ばせるけど」
「「ハァ~・・・」」
何で二人してため息をつく?
「まぁエレンだからね」
「そうだよね、エレンだもんね」
そしてそのまま何で寝る準備してるの?
ご飯は?
「「おやすみぃ~」」
「ねぇご飯は?夕食は無しなの!?」
「ごめんねエレン、私はもう・・疲れ・・た」
サラ寝るのはやっ!
リニスは!?
「zzzz」
既に寝てやがる。
仕方ない
「俺も寝よ」
俺の初、野宿ライフが・・・グスン。
「おやすみ」
俺の声は虚しく森に響いた。
どうでしたか?
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