引きずられてギルドの説明
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少し前におじさんの急所を不幸な事故が重なり再起不能にしてしまった後、色々あってメイドさんに受付まで引きずられたエレンです。
俺ってメイドさんの仕える人なんじゃないの?・・・いや、まだ仕えたわけじゃ無いんだけどさ。
「やぁメイドさん久しぶり、珍しいね貴方が誰かを連れているなんて」
「久しぶりですねリン、この方。エレン様は、私が仕えても良いと判断した方ですので」
どうやら、この受付の女性はメイドさんと面識があるみたいだな・・・というか引きずってる時点で変って気がついてくれ。
「へぇ~、エレン君って言うんだ。私の名前はリンって言うの、よろしくね」
活発な感じの女性だ、この人は綺麗より可愛いと言った表現が似合う。クリーム色のセミロングの髪に紫の瞳か・・・何冷静に観察してるんだ俺?
というかリンさんは俺が引きずられていた事にはノータッチ?
いいや、自業自得と割り切ろう。
「よろしくお願いします、リンさん」
「うん、よろしく!」
うん、やっぱり俺の笑顔は一定の好意を持ってくれてる人にだけ効果があるんだな・・・じゃあメイドさんは。
いやいや、まだ大丈夫なはずだ。
「リン、エレン様のギルド登録の手続きをしてもらえますか?」
「解った、用紙を持ってくるから待っててね」
「お願いします」
リンさんは奥に用紙を取りに行っt「お待たせ!」はやっ!?
「早いですねリンさん」
「そう?まぁ、結構近くにあったからね。そんな事より、はい」
リンさんが登録用紙を渡してくる
「この紙に名前と年齢、性別と自分の主な戦闘スタイルを書いてね、武器も書ければ書いてくれると嬉しいかも後、契約してるなら使い魔の有無も。あ、名前は偽名じゃダメだよ、でも年齢は書きたくなかったら書かなくていいよ」
結構しっかりしてるんだ。名前だけ書けば良いと思ってけど
「戦闘スタイルってどう書けばいいんですか?」
「ん~とねぇ、まぁ私だったら使う武器は短剣だから、接近戦とかそんな感じで良いよ。魔法だったら魔法で」
そんな感じでいいのか。まぁ色々あるから適当に選べばいいか?
「じゃあ・・・・・・・・・・こんな感じでどうかな?」
俺は記入した紙をリンさんに見せる。
「どれどれ?」
俺が書いた用紙をメイドさんとリンさんが見る。
ちなみに書いた内容はこれだ。
名前・エレン
性別・男
年齢・14
戦闘スタイル・魔法
武器・弓
使い魔・有り
だ。
「へぇ、エレン君って魔法使うんだ。でも魔法使うのに何で弓?剣なら分かるのに」
「俺なりのこだわりですね」
「そっか、でさ。使い魔ってどんなの?殆どの人は嗅覚が良い生物や攻撃が出来る生物を使い魔にするんだけど」
「え~と、まぁ・・・詳しくは言えませんけど攻撃がメインの使い魔ですね」
「そうなんだ?まぁこれ以上は詮索しないよ」
「ありがとうございます」
流石ギルドの受付、引くときはしっかり引くんだな。
「じゃあ、どの系統魔法が得意か書いてくれる?」
「へ?・・・あ、はい」
危ない危ない、そう言えばサラが言ってたな。
『この世界では魔法は自分に合った系統でないとあまり使えない』って
その後リニスと俺は全系統を上級まで使えるから変って言われったっけね・・・ハハッ
でも、どうしようかな得意な系統・・・ここは風って答えておくかな?色々便利だし、風。
「じゃあ、風系統で」
「りょ~かい!じゃあギルドカード発行してくるね」
リンさんは用紙を持ってまた奥に入って行った。
何か初めから思ってたけど、リニスと似てるな。あの元気な性格とか・・・怒った時も似てるかな?短剣を使うとか言ってたから、短剣投げてきそうだな。
「エレン様は魔法が得意なんですね?」
「うん、だから気配を消す訓練は結構やってるよ。まぁ、メイドさんにはバレちゃったけどね」
全力じゃないからバレても仕方ないけど・・・別に悔しくは無いからね!
「それがエレン様の全力でしたら私は気が付く事は無かったでしょう」
「まぁ、それも踏まえて依頼で分かることさ」
「そうですね」
さて依頼だけど、どの程度の実力を出したら諦めてくれるかな?
その時に合わせれば良いか?
「お待たせ~、エレン君のギルドカード出来たよ」
リンさんがカードらしき物を持ってこっちに走って来た。本当にリニスみたいだ。
「ありがとうございます」
「いいってことだよ、エレン君ってギルドのランクの事やランクの上がり方とか知ってる?」
「はい、一応一通りは」
そう言うと何故かリンさんは落ち込んだ・・・何で?
「でも、多分俺も知らない事がありそうなので、教えてもらっていいですか?」
「うん!任せて!!」
かなり機嫌がよくなったみたいだ。何だろ、年下に何かを教えたいお年頃って奴か?
いや解らないけど。
「メイドさんはどうするの?ランクの事とか聞いてもメイドさんは暇なだけでしょ?」
俺は隣に居るメイドさんに聞いてみる。
「いえ、私はエレン様の御傍に」
「そっか」
さっき思ったんだけど、メイドさんの名前って何?依頼の時に聞いてみようかな?でもそこまで親密?な関係になることもないしな。
「じゃあ、パパっと説明しちゃうね」
「お願いします」
~~~リンさん説明中~~~
「・・・という事だけど、大丈夫?」
「はい、とても解りやすかったです」
「それなら良かった」
まぁ、簡単に説明された事をまとめると
・ギルドにはGからSSSまでの12個のランクがある
・ランクを上げるためには自分のランクの依頼を20回受けるか(この場合だと20回受けた後、進級試験みたいのがある)自分のランクより上のランクを受ければ上がれる
・自分より上のランクを受ける場合の回数(自分がGの時)ただし一人で受けた場合
SSS・一回でSSSまで上がれる
SS・一回でSSまで上がれる
S・一回でSまで上がれる
・この上の3つはどのランクでも適応される。
AAA・一回でAAまで上がれる
AA・二回でAまで上がれる
A・三回でBまで上がれる
B・四回でCまで上がれる
C・五回でDまで上がれる
・ここまで、これより下は何を受けてもランクは上がらない。何でもGランクの依頼をしっかりやらせるためだとか。
・依頼はどのランクでも受けられる。リンが言うにはSSS・SS何て受ける人はここ数十年いないだとか。
・登録したギルドとは別に、個人達で創立させたチームギルド何かがある。
・依頼達成の有無はちゃんと証明出来る物を持って来る。
・討伐だったら討伐対象の一部、採取だったら実物。
・手伝いや護衛だったら対象の人のサイン。
こんな感じだよね。
でも、どのランクの依頼も受けれるというのは知らなかった・・・やばいね。
というか、ギルドランクが12個って多くない?
「エレン君、早速依頼受けるの?メイドさんが依頼用紙もってるんだけど」
リンさんはメイドさんが持っている依頼用紙に気がついたようで話しかけてくる。
「はい。メイドさんと約束したので、俺がメイドさんの仕える人の実力であるかどうかを確かめるために」
「その通りです。リン、そういう事なのでこれをお願いします」
メイドさんがリンさんに持っていた依頼用紙を渡す。
「はいはーい・・・ってこれジャイアントグレムリン一体の討伐じゃない!」
ジャイアントグレムリン?何その大きい感じな名前。
「あの、ジャイアントグレムリンって何ですか?」
「エレン君。ジャイアントグレムリンって言うのはね、Aランク討伐生物の中でも上位に入るのよ!普通のランクAが二人でも苦戦するような相手なのよ!!」
リンさんの迫力が怖いです。
「メイドさん?何でそんな危険なモンスターの討伐依頼を受けたんですか?」
まぁ、モンスターに分類されている奴なら多分楽勝だけど。猛獣や魔獣や幻獣、竜種に比べればマシでしょ?
上級魔法を撃っても傷がつかないとかは・・・無いよな。
「エレン様ならきっと討伐できるだろうと思いましたので」
「メイドさん!しかもこの依頼だと生息している場所がAAランクのモンスターでじゃなくて、猛獣、魔獣が生息していると言われている破滅の森ですよ!?」
破滅の森って何?俺が住んでいたえ~と・・・そう!猛魔竜幻の森と同じ感じなのかな?まぁ少しは違うだろうけどさ、だってあそこ魔獣やら猛獣やら幻獣やら竜種やらが沢山だもん・・・魔獣と幻獣は全員使い魔契約する事になったんだけど。
「あの、その森って『猛魔竜幻の森』って所と同じ感じですか?」
「・・・・」
「・・・・」
あれ?何でこの空間だけ時が止まったように静かに?しかも聞き耳立ててた人達も同じような感じだし。
聞いてない人は騒いでるけど・・・俺なんか悪い事言った?
「エレン君」
「はい?」
このシリアスみたいな空気・・・正直苦手です。今ならあそこで騒いでるオッサン達と仲良くできそうだよ。
順応性よ働け。
「『猛魔竜幻の森』には絶対に行っては駄目よ」
「いや、行くなんて言ってませんよ?」
「そうね、さっきの質問だけど・・・破滅の森と『猛魔竜幻の森』は比べるなんて事出来ないのよ」
それって・・・
「・・・危険度が段違いだからですか?」
「その通りですエレン様」
・・・やっぱり。ほんと俺ってイレギュラーだよね。
「そこって、メイドさんでも無理?」
「はい」
「しかもメイドさんどころか過去、ランクSSSの人が3人でその森に行ったらその9日後、3人の装備品と頭蓋骨がその人達が拠点にしていた国のギルドの前に置かれていたんだよ。しかもその近くに手紙があってね『我らの森を汚すな人間とその人間に手を貸す獣人よ、次は無い』って書かれていたの・・・そのギルドがこのギルド・ベアトリス支部なんだけどね」
リンさんが苦笑いしながら言う。
そのSSSの人達って一日しかもたなかったんだろうな。
ここから馬車などを使って6日、サラが飛ばして2日だろ?一日しか空いてる時間がないんだ。まぁ、森のみんなの事だろうからきっと直ぐに殺してもしばらく放置したんだろうけど。
というか、サラじゃないよな?SSS殺したの、何かサラから聞いたことがあるような気がするんだけど・・・
「そうだったんですか。じゃあ、あの森の事は言わない方がいいですね」
「そうね、それがいいよ」
どうやら、リンさんのシリアスな調子が終わったらしい。じゃあ
「メイドさん、行きますか」
「はい・・・どちらに?」
何言ってるの、そんなのもちろん
「破滅の森に決まってるじゃないですか」
「・・・はい!行きましょうエレン様」
「ちょっとエレン君!本当に行くの!?」
「ちゃんとリンさんが依頼用紙持ってますし」
リンさんは「ハッ!」とした表情で自分が持ってる依頼用紙を見る。
「じゃあ、行って来ます」
「ではリン、また後で」
俺とメイドさんは扉に向けて歩き始める。
思えば、メイドさんが居れば厄介事全部引き受けてくれるんじゃないのか?ギルドランクAで顔も広いだろうし。
しかも厄介事の中に面白い事があるかもしれないじゃん、それに俺の過去についても。面倒な事はメイドさんが処理してくれて俺は楽しい事と俺に関する事を処理する・・・最高じゃん。
・・・もし俺が殺しに楽しみを覚えたらどうなるんだろ?
まぁ、その時はその時か。
次回はついにジャイアントグレムリンとかいうモンスターと戦闘です!




