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エルフになるとは  作者: 月目亜夏
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始まり

300の国と地域で構成されていたドワル大陸。

200年ほど前、その国境が、地域の境がある1人の生物によって破壊された。

『魔王』と呼ばれる1人の生物による権力者たちの大量虐殺は、後に史上最悪の『大革命』として歴史に名を残すこととなった。

「それじゃぁ、ミオルいってらっしゃい。何年かに1回は帰ってきてね。」

 過保護なお袋に手を振り、俺はいつものように家を出る。俺が見えなくなるまで手を振っている光景が、振り向かなくても分かる。親父は仕事だろう。妹は学校。いつもと変わらない日常だが、それも今日で最後だ。これから俺は旅に出る。

 目的地は決まっていない。とにかく自由な旅に出る。


 俺、ことミオルはドワル大陸のちょうど真ん中、クレアという地域で生まれ育った冒険者だ。

 この地域では16歳までは学校に通う必要があり、その後も3年間は工房に弟子入り、もしくは教育機関への入学が普通だ。

 俺も冒険者や騎士などの教育機関であるターテンテル校に入学し、今年の春に卒業した。そしてこの半年間、資金調達のために冒険者として様々な依頼をこなしてきた。

 全てはある目標のために。


「こんにちは。この依頼お願いします。」

 俺はいつものようにカウンターで依頼を受ける申請をする。

 冒険者とは、冒険者ギルドという組織から仕事を依頼される人のことだ。大陸全土に支店があり国とは管轄が異なる機関で、大革命すぐに復旧した機関だ。

 申請が通れば誰でも冒険者に依頼をすることが可能で、その内容は多岐にわたる。薬草採取や魔物討伐などの手軽に出来るもの。貨物の護衛や人手の募集などの依頼達成に数ヶ月もしくは数年かかるもの。大陸中から依頼があるため、他国、他地域へ行くことも多い。

 そんな依頼をこなすのが冒険者だ。以前は地域同士の行き来が難しく護衛などの依頼は少なかったが、地域の境がなくなり冒険者ギルドは大革命以前より活気づいているらしい。

「はーい。あれミオルさん今日は大荷物ですね。もしかして決めたんですか。」

 顔なじみのギルド職員がカウンターにやって来る。俺が背負っているカバンを見て嬉しそうにしている。ここの職員とも今日でお別れだ。

 俺は以前から目に留めていた依頼の紙をカウンターに置く。俺の新しい人生の、始めの第一歩だ。

 それを受けとり手際よく手続きを済ませ、受領証と共に戻ってくる。

「それではミオルさん、お気をつけて。」

 そんないつもの挨拶に見送られて俺はギルド支部を出る。


 ここから俺の冒険が始まる。俺の自分探しの旅。ドワル大陸を1周する旅が。

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