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幕章<たどり着いた偉大なる道は果てしなく>
〝存在しないモノ〟による大災害は二人の少女が見つけた遺物の力によって過去最少の被害で留まった。
〝研究者の集い〟にも遺物の詳細を尋ねられたが入手した直後の大災害への対応で使ってしまい遺物は残っていない。
そう説明をしている、ケイトが。
私が説明していないのはあの直後から3日ほど眠ったまま起きれなかった為だ。
私があの〝偉大なる法術使い〟の術を行使したことを知っているのはコトノと指揮官だけだ。
もう一度使えと言われても無理だと思う。
命を掛けても成功するか分からない。
破り捨てた日記帳にはもう過去の筆跡は残っていなかった。
まるで長い夢を見ていたような目指していた道が消えてしまったような……。
あとは〝偉大なる法術使い〟が憂いていた結果は今回は起きなかった。
何となくコトノが守ってくれたと思っている。
わざわざ聞く必要もないだろう。
私も感覚的ではあるが理解しているから。
そうでしょ。
コトノ。