最近の若者というものは!
Z世代より、愛を込めて…
こんにちは!作者はしがない二千年代生まれのZ世代です。そう、Y世代と共に、所謂「最近の若者は…」と言われている側の人間であり、ネットを漁るとまあ、中々酷い言われ様なのですよ。
一体何がそんなに悪いのか?「最近の若者」の問題点を追及すべく、作者は偉大な先代方に話を聞く事にしました。
F.H.さん
「最近の若者は運動不足で怠け者。楽に流されてばかりで、なんでも自動的にやってもらうのに慣れている」
V.Cさん
「なんかさ、最近流行っている変な踊り…若者達が好きなの。体型が強調され過ぎる様な服を着て…嘆かわしい。最近の女子は特に昔ながらの清楚さがない。親は子供達、特に娘達が悪い影響を受けそうな物に、目を光らせた方が良いと思うよ」
T.Cさん
「あと女子だけじゃなくて、最近の青年はあまりにもなよなよしい!昔ながらの頼り甲斐のある男共はどこへ行った?女々しくて、ナルシストな青年達が次世代とは、先祖達も嘆くだろうなぁ」
P.Eさん
「変なメディアが多いのがだめだ。扇情的なもの、モラルのなっていないもの、品の無い服といったものが、簡単に若者の目に入る様になってしまった」
E.Hさん
「そうそう、変な小説等は頭を悪くする。子供の管理は食べ物のみにあらず!何に興味を持っているかに、キチンと注意して欲しいものだ」
S.Aさん
「あとあの大人気のゲーム!あれはダメだ。クラブまで出来ているんだって?結果引き籠り、運動不足。時間を無駄にした上で、空想の世界で勝ち負けを競っている」
Lさん
「臆病で、リスクも負いたがらないよね」
Hさん
「かと思いきや、何も考えずに散財する」
T.Sさん
「言葉遣いも悪いね。発音が悪いし、このままだと英語が理解不能になってしまう」
G.Cさん
「読み書きのレベルも下がってしまった」
K.Yさん
「日本語も昔の方が良かった。最近の言葉は乱れは下品だ。昔の世代の手紙はあんなに素晴しいのに」
R.Rさん
「悪い言葉遣いは子供にまで影響を与えている!変なあだ名で呼び合ったり、悪態をついたり、本当信じられない」
H.D.Mさん
「言葉だけじゃないよ。最近の若者は態度も悪い。しかも馬鹿で自己中な傾向が強い」
Aさん
「そうそう、自分が何でも知っていると思っているんだろうね。その自信、どこから来るんだか…」
S.B.Sさん
「ナルシストな自信過剰が多いのは確かにですね…でも中身は薄っぺらいものです」
Hさん
「親は祖父母世代に、自分達も親世代に劣ったなぁと思う事があったけど…次世代が更に酷くて、将来を嘆くしかない」
T.Bさん
「今時の若者は、歴代でも最低だ!」
…
……
………どれも聞き覚えのある話です。しかしですね、実はこれらのコメント、意訳したとはいえ作者どころか、おそらくはこれを読んでいる読者全員が生まれる前から言われている事なんですよ。
F.H.さんことファルカーク・ヘラルド誌、(1951年)。バスを利用する若者は怠け者だと主張。
T.Lさんことタイムズ・ロンドン(1816年)。ワルツの流行りにお怒りの様子。
V.Cさんことヴァレリー・スティールさん(1771年)。最近の男は情けない!
P.Eさんことペンテコスタル・エヴァンゲル誌(1926年)。映画と言うものは、最近の若者に悪影響と主張。
E.Hさんことエノス・ヒッチコクさん(1790年)。歌劇や恋愛小説は観たり読んだりしたらあかん、馬鹿になる!
S.Aさんことサイエンティフィック・アメリカン誌(1859年)。大流行中のチェスに物申す!(チェスがまさかの「ゲームばかりして…」扱いだったんですよ!?)
Lさんことライフ誌(1950年)。若者=臆病
Hさんことホラティウス(紀元前20年)。若者の散財癖は良くない!
T.Sさんことトーマス・シェリダン(1780年)。言葉の乱れが酷い事に不満な模様。
G.Cさんことグラウチェスター・シティズン誌。同じく、若者の読者離れと文章力低下に嘆きが隠せないらしい。
Y.Kさんこと吉田兼好さん、徒然草より(1330年)。昔の言葉遣いの方が良かったらしい。
R.Rさんことロバート・ラッセルさん(1695年)。子供達が悪影響受けている事を危惧。
H.D.Mさんことハル・デイリー・メイル誌(1925年)。若者は態度悪い!
Aさんことアリストテレスさん(4世紀前)。若者は自信過剰すぎ!
S.B.Sさん、母の書記誌より(1853年)。最近の若者は薄っぺらい。
Hさんことホラティウスさんは文句が言い足りないらしい。二千年以上前から若者は年々劣化しているとの事。
T.Bさんことトーマス。バルネスさん(1624年)。歴代最悪の若者は17世紀だった!?
(*´・ω・)やっている事変わらないなぁ…というコメントもさておき。特にこれをエッセイにして何かを主張したいとか、そういうのでは無いんですよ。主に「面白くね!?」という事をシェアしたかっただけなのですが、ただこの世代を超えた変なライバル意識、疲れません?今はもう「若者」では無い方も、昔の理不尽なレーベルに腹立ったりした事、ありませんでしたか?
ここで「変わってないw」みたいな書き方をしながら言うのもなんですが、確かに世代というものは、人生の経験や背景、文化、価値観等が多少なりとも異なるものなんです。それでもそれぞれの世代には、何かしら得られる物もあると思うんです。
何時の時代でも、年配の方々は、長年の人生経験から得た知恵や知識を持っていることが多く、若い世代の方々は、新しいアイデアや技術を持っていることが多いです。だからこそ、年齢や経験に関係なく、お互いを理解し、尊重し合うことが大切なのではないでしょうか?「次世代は自分達に劣っている!」「前世代はもはや老害!」と言った様に、別の世代を見下すことは、実際には何の意味もないと思うんですよ。若者は上の世代の経験と知識から学び、前世代は頭を固くせず、そこから生まれた新しいアイデアや視点に耳を傾けた方が、よっぽど良い結果が生まれると思いませんか?
人生には色んな局面があり、誰にでもそれぞれの人生の選択や困難があります。年齢を重ねた方が経験が豊富であることが多いですが、その経験が全ての答えを持っているわけでも無いでしょう?
願わくば。年齢に関係なく、お互いに尊重し、学び合い、支え合って成長していければ良いですね。
「今時の子達は結局、私達とはそう変わらないものだよ。表現の仕方がちょっと違うだけで、何だかんだ言って似ているものさ。」
—【コーニッシュマン誌のインタビュー、1936年】