孤児院の少年
ある少年は、孤児院にいた。
少年の名前は、アルヴィス。
あくまでもそれは本名では無い、
孤児院が付けた名前だ。
アルヴィスが物心ついた時には、
孤児院に居た。
「アルヴィス、皆と遊ばないの?」
アルヴィスは、外で遊ぶ子供を窓辺から見下ろしたまま、口を開く。
「別にいい…」
素っ気ない態度で答える。
「まったく…」
「静かなのはいいけど、不気味ですよね」
「いつも、あそこにいるわよね」
背後から、囁き合う声が聞こえる。
声達は、囁きながら、部屋を後にする。
(何を言ってても、俺には関係ない)
外の子供達を見る。
ケンカし合う子、泣いてる子、
様々な顔が見える。
「俺の顔は、どうなんだろうな」
その声は、誰にも聞かれることなく、
虚空に消える、はずだった。
「退屈そうね」
その声に、アルヴィスは目を丸くして、
驚く。
無理もない、部屋にはアルヴィスしか居ないのだから。
「だ、誰だ」
部屋を見渡す、誰もいない。
「ここよ、ここ」
声は本棚から、聞こえているようだった。
「私を見つけてみなさい」
声は、アルヴィスを挑発する。
「めんどくさい」
アルヴィスは一蹴する。
「あら、つれないのね」
声の主はつまらなさそうに一言発すると、
「折角だから、話しましょ?」
アルヴィスは頭を搔くと、
「めんどくさい」
再度、一蹴する。
これは、孤児院の少年アルヴィスの物語。
この後どうなるかは、お楽しみに
ふふふ…
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