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魔女紀行記  作者: 魔女
1/10

ハジマリの少女

これは1人の少女のお話。


少女の名前は、ナウラ。

ごく普通の家庭に生まれた子だ。

特別裕福なわけではないが、ナウラは幸せだった。


この日もそんな1日になるはずだった。

「お母さん、洗濯物、干してきたよ〜」

ナウラは、明るく母に言う。

「ありがとう、さっきお友達が来ていつもの場所で待ってるって言ってから行ってきたらどうだい?」

母親は優しくナウラに問いかける。

ナウラは、うーん、と唸るように考えて、

「それじゃ、行ってくる!」

元気よくそのまま友の待つ場所へと駆けていく。


友の待つ場所とは、裏山の事であり、

そこには、子供が遊べるように遊具が置いてある。

ナウラ達は、暇を見つけてはそこに遊びに来ている。


「来たよ〜!」

ナウラは、元気よく頭の上で手を振り、

友に知らせると、相手も手を振り返す。

「こっちこっち、すげぇところ見つけちまったかも!」

そういって友は山の奥へと走っていく。


「ちょっと、待ってよ〜!」

走っていく背中を一生懸命にナウラは追いかける。

追いかけていると、目の前に大きな洞窟が現れる。


「ほら、凄くね?」

ナウラには、何が凄いのかよく分かって無いようで

首をかしげる。

その様子を見て、

「なんか秘密基地みたいだろ?」

そういってはニカッと歯を見せて笑う。


それでも、ナウラには分からないようで、

「それのどこが凄いの?」

危ないから戻ろう、そう続けて言うが

相手は首を横に振り、

「ここ、探検してみようぜ」

そういって洞窟の中へと歩いていこうとする。

ナウラは、必死に訴えるが、聞く耳を持たない様子で

どんどん、歩いていってしまう。

「もぅ…すぐ戻るからね!」

寂しくなったナウラは、その後を追いかける。


「すげー!」

相手は、とても楽しそうに歩いくているが

ナウラはそうではないようで、離れないようについて行くのが

やっとの様子。


「なんだこれ」

なにかを見つけたようで、ふいに足が止まる。

ナウラも止まる、恐る恐る、後ろから覗くように

見てみると、小さな祠がそこにはあった。


かなり年月が経っているようで、所々木が朽ちている。

「な、なにこれ?」

震えるような声で問いかける。

「分からねぇけど、開けてみるか」

「だ、ダメだよ、危ないよ…」

やめるようにうながすが、一切引かず

祠の扉を開ける。


「綺麗な石があった」

そういって、石を持ってナウラに見せてくる。

赤く燃えるような石と、

青く澄んだ色をした石の2つ。

「だ、ダメだよ、勝手に触っちゃ」

「うるせぇな、これくらい大丈夫だって」

そういって、石をポケットの中へとしまい込み。

「他には面白そうなの無いし、出るか」

そのまま出ていこうとする。


「ねぇ、やっぱりダメだよ」

なんども、問いかけるも、返事はなく。

スタスタと歩き外に出る。


心無しか、寒く感じる。

「じゃ、俺は帰るよ」

「え、まだ来たばかりなのに?」

相手は、そそくさと帰っていってしまう。

ナウラは、静かにため息をつき、洞窟の方を見る。

まるで大きな口を開けたように見え、身震いする。


さっさと帰ろう。

ナウラは帰路につく。


これは、私がナウラと初めて出会う物語。

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