星に願いを…
もしも本当に"願いの叶う夜"が訪れるのならば、一体何を願うのだろう。
本当に大切な何かを一つだけ叶えられるのだとしたら、何を祈ろう。
平和?幸福?
幼い頃に描いた夢かな?
遠い日のあの初恋が実っていれば、現在は果てしなく変わっていたのかな。
素敵なドレスを着てパーティーに行けますように?
とっても大きなプリンを一人占めできたらいいなって。
そんなのきっと一番じゃない。
叶えられるものと、自分の想いだけじゃ適わないもの。
境界線は何?
それを決めるのは誰であって何のため?
答えなどないそんな"曖昧な夜"なのに、何千年も前からなぜ人は祈り続けるのだろう。
胸の前で手を組んで、瞳を閉じてお祈りを。
願いごとを唱えるまでは、少しも瞳をあけてはいけないの。
叶うのかも分からないのに、人は一体誰に向かって、何のために祈りぬくのだろうかなんて、思ったりして…
可愛いドレスも、素敵な靴もいらないわ。
大きなプリンも、幼い頃に描いた夢だって。
平和も幸福も世界中の誰かにそっとあずけてしまいましょう。
0になった私が祈る願いはただ一つ。
"It's you, only my dear.."
あぁ、きっと。
はるか遠いあの夜から、"自分の想いだけに素直になれる、たった一つの夜"だったのね。
きっと、そう。
今夜だけは素直になってもいいかな。
星に願いを…
君に想いよ。