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愛しているから憎かった  作者: 櫻井 幸
3/12

出会い(2)

1人でポツンとしていても仕方がないので

会場を少し回ってみる。何人か話しかけるもこれと目星しい人はなかなかいない。

年齢は大体27〜40までの人が多いみたいなのかな?

女性は若いが私達のように大学生はいなさそう。

とワインをふちっこの壁際で飲みながら思っていると1人の男性に声をかけられた。


「隣でご一緒してもよろしいですか?」


長身のその人はマスクから見える目を細めて形のいい唇をキュッと上にあげていった。

育ちが良さそうな話し方にスーツ姿がよく似合っている。


「ええ、どうぞ。」と疲れ切っていた私は無愛想に言う。

「疲れますよね、こういう所って」と彼が口を開く。

「そうですね、私も少し疲れてしまいました。」

「アンケート交換しませんか?」といい彼はアンケートを渡してきた。

私もすかさず彼に渡す。

「まだ大学生なんだ。」とこの人もほかの人と同じ反応をする。

「あなたはお医者さんなんですね」と返す。

今日来ている人たちは弁護士、医者、国家公務員、等男性は自分の職業に自信あり気な人が多い気がする。

どーせ、この人も私が学生だと知り残念がっているだろう。


「学生だから相手にされなかった?可愛い顔が少しむくれてますよ」と彼ははにかみながら私をおちょくる。

「またあなたも私のこと学生だからって下に見るのですか」とむくれて私は答える。


「いいね、ほかの女性達とは違う反応だ、むしろ学生さんくらいの方が僕の職業に群がらなくて好感度があるよ。さっきから色んな女性に付きまとわれててね、みんな医者の嫁になって専業主婦にでもなりたいみたいだ」と会って間もない私に愚痴をこぼす。


「そうですか、、、いいご身分ですね

35歳で独身、そろそろ結婚もしたくなりますよね」とプロフィールの年齢を見て棘のある言葉をいう。


「そうだねー、そろそろ結婚しないとだよね、子供も欲しいしね。楓さん語学得意なんだ?何語話せるの?」

「何語だと思いますか?」

「んー、英語とか?」

「英語もできますよ、あと3ヶ国語できます」

「え、凄いね。大学で専攻してるの?」

「まぁ、そうですね。あと北欧の言葉と中国語と韓国語が話せますよ」

「かっこいいね、見直したよ」

「それはどうも」

「僕も韓国語できるんだ。조금 한국어로 이야기할까요?」と流暢な韓国語で伝えて来た

私はびっくりした。医者でさらに韓国語もできるとはさすがだなと思う。

私達は少し韓国語で話をして打ち解けていた。

「雪さんは釜山に留学していたんだ、僕はソウルに行ってたんだ」と彼は言う。

「雪さんって面白い娘だね。よかったら連絡先教えてくれない?」


「え、でも今日のイベントは1人しか交換できないんですよ?私でいいのですか?」

と私は不安になりながら伝える。

私も交換するならこの人と交換したいと思っていたがまさか彼もそう思っていたとは。


「ほかの女性よりも、僕はすごく雪さんが魅力的に感じるよ。それに僕のことを医者の人って思ってる印象がないからね。さっき久しぶりに韓国語で話せて嬉しかったしね」


「そうですか?私はまだ学生ですからあまり相手の職業は大事と思っていないからかな、それに滝さんとはまたお話ししたいなと思っていたのでよろしければ交換してください。」と恥ずかしながら告げる。


「仮面いっせいーのーで、でとろっか」

「はい。」

「いっせーのーでっ」


その時私は時が止まったかのように思えた

この人になぜか惹かれる。

胸騒ぎがする。そんな風に一瞬だが感じた。

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