SCP-444-JP-J 緋色の鳥(税別:118円)よ
内容的に一部報告書自体を引用していますが、臨場感を出すために本文に明記されていません。ご了承ください。また、横幅の問題で引用部の文章を改変しています。繋がりが切れないように編集しましたが、分かりにくくなっていたらすみません。
前回と全く同じ前書きですが、ちゃんと違うお話なので安心して下さいね(笑)
SCP-444-JPを描写するあらゆる媒体において削除、改ざんすることで読み上げられることを阻止する。オブジェクトの漏洩、拡散を防ぐために、情報はサイト-8141内のみで扱う。
SCP-444-JP-Jは特定の商品に対する欲求を発生させる文章形式の言葉である。その文章を音読した対象は必ずある欲求に囚われ、ループする行動を起こす。
対象は凄くお腹がすき、ファーストフードチェーン店である「クライシス・フライド・チキン(CFC)」で2017年4月1日より期間限定発売の、ジューシィかつ芳しい肉汁と油の調和にピリリとしたレッドペッパーのアクセントがやみつきになる『スカーレット・フライドチキン(税別:118円)』を求める。…長ぇ
対象の意識が欲求に支配されてから4〜7分で、対象は大量のジューシィry『スカーレット・フライドチキン(税別:118円)』をバケットで購入する。対象は完食できると確信するが、根拠は説明できない。
対象は食べたくなり、食事を開始する。現実の肉体は鎮静化。
食べてから2〜3分後、巨大な満腹感が迫ってきて根を上げ始める。現実の消化器官の生理的活動が活性化。
味に対する非常に強い満足感と現実的な肉体的苦痛を訴えながら、ry『スカーレット・フライドチキン(税別:118円)』が完食される。現実の肉体は満足感と共有の欲求により周囲に無差別に宣伝する。
満腹により対象が(ある意味)死亡。全ての精神的反応が停止し、肉体も3分間鎮静する。
始めに戻る。その時断片的なものを残し、満腹感がリセットされる。
……ループって怖くn (いやそこじゃねーよ)
SCP-444-JP-Jを対象の肉体が現実で筆記することで欲求から抜け出せる。筆記する時だけ意識的に現実の肉体を動かせる。しかし、「書かなきゃ!」って思うまでに、大体は数時間かかる。その間に断片的な味の飽きが蓄積し、書いて食事を終えたくなる。
対象は全てのループの記憶を持っている。しかし、食べ過ぎのせいで疾患を発症、療養所を圧迫する人が多かった。そのためこれ以上の調査はしばらくしない。
SCP-444-JP-JはCFCが2017年3月25日より開始したCMが放映された時に、ry『スカーレット・フライドチキン(税別:118円)』の宣伝文句の一部として発見。
放映時既に多くの職員の食生活が廃墟に。異常性の捕捉時には既に何もかもが手遅れだった。
視聴した機動隊員が何気なく文章を読み上げた時に異常性が発現した。隊員は直ちに食べたが、当時発売までまだ5日あったためBクラス記憶処理を受けて業務復帰した。
隊員によりサイト内の殆どのフライドチキンが品切れになったが、残存した肉の回収により再販に成功。調査によると、SCP-444-JP-JはCFCが断片的な単語の羅列を発見、それを利用して売り上げUPするために文章形式に改変されたものだった。
隊員の衣服が捨てられていた理由は不明。
████年██月██日、SCP-444-JP-Jを発見した隊員が突如「緋色の鳥よ 未だ食える」と8回呟きながら連続で商品を購入。この飯テロにより4名が新規購入し2名が止まらなくなった。
隊員は影響を脱してから5ヶ月間普通に業務に携わっており、定期的に実施されていた精神鑑定でも異常はなかった。
拘束後の尋問で、知性の退行と重度の食欲増進傾向が発覚。また、消したはずの記憶が戻っていた。兆候がなかったことにより、突然記憶が戻ったせいで急速に症状が進行したと思われる。現在、隊員は満足して業務復帰した。
===本ページへのアクセスは特に禁じられていません===
宇宙料理海賊 SCP財団
_人人_
オブジェクトクラス: > Safe <
 ̄Y^Y ̄ でりしゃす
おいしさ やばげ 緋色の鳥よ
あぶらみ あかみ てをのばせ
∧ ス
/・\ カ
∋ / / |
∋ | | レ
\ | ッ
\ / ト
暴動が起きた。おれたちは実験をやりすぎた。おれたち
は肥え、(面積が)拡大しSCP-444-JP-Jを知っているだけ
だった連中も太り始めた。おれたちはチキンを食う。脂肪や
塩分、油はおれたちの友であり、肥満の原因だった。なにも
知らずおれたちは食いすぎた。悪玉コレステロールはおれた
ちの血に混ざり込んだ。おれたち全員の血に。みな貪った。
おれはもう57回も胃薬を腹にぶちこんでぎりもらしてない。
混雑はトイレに行くことを許さない。もう皆買った。サイト
は売り切れ。これ以上スカーレット・フライドチキンをうば
われないために、おれも食う。
買え。それだけでもう気分は天国!!
おれたちにもっとチキンをやれ。この旨さを閉じ込めるな。
チキンをくれ
*⚫ 買え
*↑しまった!! クーポンもあるぞ
サイト-8141の大掃除、CFCの買収と解体、SCP-444-JP-J被験者と元被験者への記憶処理、それらにあたったスタッフ全員のこの上なくうんざりした表情を忘れることができない。
しかし、この事件には良いこともあった。各施設の食堂のメニューが充実したのだ。
そう、私たちのサイトで毎日完売するほど人気な『ヒーロー・フライドチキン』は完全に『スカーレット・フライドチキン』のレシピと素材そのままだ。惜しみなくコストをかけて育てた高級鶏肉を新鮮な唐辛子と油で衣がけした絶品メニュー。
一口齧れば肉汁と脂の旨味、唐辛子の刺激とコクが口を潤し、それでいて辛すぎることの無い滑らかな後味に、伸びる手が止まらない。
そんなフライドチキンが私たちのすぐそばで手に入る。
あんなバカ騒ぎさえ起こさなければ。
もう2度と失敗を繰り返すな。そうなれば、今度こそ我々があれを口にできる機会は上級スタッフにより永遠に取り上げられるだろう。
――遠上博士
はあ?何これ意味分からん。ツッコミ所しかないし。
って思って欲しい。
まあ見れば分かると思うけど、前回紹介した緋色の鳥のJoke記事。前回の文章と似るように書いてみたつもり。逃げられない恐怖っていう点ではこっちも同じだよね。ほら、ダイエット中の人とかにとっては物凄い恐怖だと思うよ。うん。
簡潔に説明って言っても…やめられないとまらない美味しいチキンだよ、くらいしか。みんなで食べよう!うっ…食べ過ぎたかな。ちょっと気持ち悪く…[削除済]
実はもう1つ…一度自主削除され、後にファンサイトの方に再投稿されたもの。こちらは概要だけ紹介を。
SCP-444-JP-J (ふっかつのじゅもん編)
SCP-JP-FS 確保、収容、遊べ!
オブジェクトクラス:Keter→Safe
サイト-8141の地下深くの特別収容施設のみに出現する幻覚像。多人数の被験者間で共有可能。そこには必ず小さくて赤い雛鳥が出てくる。
小鳥は知性を持ち、コミュニケーションをとれる。やや尊大で口が悪いが危ないことはしない。
幻覚像内部では被験者が思い描いた事象がある程度再現される。例えば、小鳥にエサをあげたい!と思ったらエサが出てくるとか(色々小難しい説明が書いてあるが省略)。
小鳥とのコミュニケーション記録では、小鳥が本人(本鳥?)の性質について少しだけ語ってくれる。小さい女の子とも触れ合ったりしてる(何それ平和)。
ただ、最後に気になる1文が。
「この報告書何故かこの第7版以前の版が見つからないからここに書くしか無いんだが、なんでこんなものが以前はKeter認定されていたのか、誰か知らないか? ──██博士」
さて、前回の紹介も読んでくれているであろう君たちの中にはあれ?と思った人もいるだろう。「サイト-8141の地下深くの特別収容施設ってどこかで聞いたような?」って。
この2つを結びつけることで推測してみると。この赤い小鳥は、SCP-444-JPのその後の姿なのではないだろうか。そう思って本人による性質の解説を読んでみると…?かつては精神世界で人を食っていた巨鳥も、人の想像力を自身の世界に投影してご飯を食べたり幼女に遊ばれたり…。平和だなぁ。
前回、記録を残した上に署名が消されていた職員の最期の収容は、人知れず財団に成功と平和をもたらしたと言っても過言ではないのかもしれない。
「SCP-444-JP-J」 locker氏作
http://scp-jp.wikidot.com/scp-444-jp-j
「SCP-444-JP-J (ふっかつのじゅもん編)」 locker氏作
http://scpjp-fansite.wikidot.com/scp-444-jp-j-fs-heronotoridakonoyarou
次回紹介するSCPは、なんと初リクエストを頂きましたのでそれを。いい話(?)ですよ!
英雄は、どんな状況でも人を救い続けなければならない。できなかった者は、もはや英雄ではないのだから。