SCP-040-JP ねこですよろしくお願いします
オブジェクトクラス:Safe
SCP-040-JPは、それを覆うように建てられた収容棟に収容される。見つけたオブジェクトの上に収容施設を建てちゃう財力、さすが財団。
収容棟に入った時は、絶対にSCP-040-JP内部を視認しないこと。内部を見る必要がある時は必ずカメラを通し、直接肉眼で視認しないこと。直接見る必要がある時は、Dクラス職員に視認させること。曝露した職員とはコミュニケーションを取らず、一方的に指示するだけにしましょう。相変わらず捨て駒にされるDクラス職員さん…
SCP-040-JPは██県の旧██村に放置されていた、木造で幅約5m、奥行き約4mの平屋の井戸小屋。小屋の中央には古くに作られたらしい石造りの井戸がある。井戸は異常に深く、探査機を使った調査でもどこまで続いているかは不明のまま。元々小屋は固く施錠されていたが、劣化により壊れてしまっていた。1967年の事案[編集済]により収容された。
そうか!深〜い井戸っていうオブジェクトだね!でも事案とか言ってるからなあ…
はい、もちろん唯の深い井戸ではないのである。
小屋の中を覗き込むと、対象は激しく動揺し「ねこが居た」と報告する。そして対象はこのねこが居たということに執着するようになる。この影響は肉眼で視認した時のみ発生し、写真や映像ではねこの存在も確認されされなかった。
対象は全てのイエネコ(普通のペットとか野良とか)が、「毛がなく造作のない顔に人間の様な2つの目がついた」ように見える。そしてどの方向から見ても自分を見ているように感じるようになる。
そして対象は数日〜数週間の間に、ねこが暗闇にいて監視していると感じ始め、常にねこの視線を気にしだす。ねこのいる暗闇に規則性はなく、監視の目的や総数も分かっていない。
ねこはこのような見た目である。
(本家ではここでねこの絵挿入。作者はスケッチ担当の研究員ではないので割愛するけれど、ぜひ見て欲しい。インパクト大で忘れられなくなる。)
このねこが現れる位置は統計的に視野の端っこの暗い所だと思われる。井戸の暗い部分が影響しているかもしれない。
直接人間が視認すると発生するため、SCP-040-JP内部の無人探査装置による調査が行われた。結果として地下29 ██mまでたどり着いたが、壁が玄武岩で構成さていることは分かったが、きいてますかSCP-040-JP外部からの調査では岩盤のみがあった。対象の報告するねこは観測されなかった。
[データ削除済]
また、曝露した対象は「ねこがいる」という観念を他人に積極的に伝えようとする。ある程度観念を理解した人間は、直接曝露した人と同じ反応、認識異常を被る。ある程度話を聞くのか、もしくはキーワードがあって曝露するのかは分かっていないが、これはねこです
ねこはいます。いますその観念を伝える媒体は何でもよく、デジタル、アナログ、会話でも可能。そのため曝露した対象に異常性があるのではなく、このねこはそこにいます観念自体にミーム的効果があるだろう。います。この伝達行為は極めて自然なため、曝露初期の動揺が終わってからは影響下にあるかの判断は困難である。ねこでした
よろしくおねがいします
メモ
と言うことでこの井戸小屋の異常性とは、井戸を視認した人がねこがいるというミーム汚染を受けるということ。ねこはいます。
ミーム汚染って?
感染力を持った情報に曝露し、ねこはいますそれによって今までの常識を強制的に書き換えられてしまうこと。(例えば日本人は靴を脱いでから家に入る。しかしアメリカに移住したら、そこでは家で靴は脱がない文化だった。そのため靴を脱がない習慣が身についた。これも一種のミーム汚染である。ねこでした)簡潔には説明しづらい上に元は財団用語ではないため、詳しくは調べて見て下さい。よろしくおねがいします
いや気になった所はそこじゃないし!読みにくい!ただひたすらに読みにくい!
そう思ってくれなきゃ困る。だって本家文章を壊さないように書いてみたんだから。とりあえずその疑問は横に置いて、次に進もう。
本家ではこの後にインシデントレポートが追記されている。
19██/██/██にこの報告書の影響だと想われる大規模ミーム災害がサイト内で発生。報告書を執筆した職員と受理した職員が曝露していたと考えられる。曝露した職員は記憶処理または解雇処分に。これ以降、報告書提出時は全てミーム処置を経由させること。
つまり、上の報告書自体がSCP-040- JPの汚染媒体になってしまっていた。そのため「ねこはいます」とか「よろしくおねがいします」とかが文章の隙間に入り込んでしまっている。そこ(傍点のないねこ関連のワード)を抜けば何とか理解できるはず。報告書を書いた人が感染していて、読んだ人も感染。絵で伝えても感染。音声で伝えても感染。…etc…その結果、財団施設内で広がりまくってしまったと。何やってるんだよ財団日本支部…。
ちなみに資料室管理者からのミーム処置の対する注釈が記載されている。
「この様な失態を二度と繰り返さない為の対ミーム処置です。報告書提出の際はこの処置を必ず行うようにしてください。宜しくお願いします。」
……宜しくお願いします?本当に大丈夫なんだよね?
また、このオブジェクトはJoke記事も有名である。ついでに軽く紹介しておこう。
SCP-040-JP-J ねこですよろしくおねがいしません
オブジェクトクラス:Safe→Thaumiel
SCP-040-JP-Jを覆う収容棟は解体、一般公開される。新人職員は必ず井戸内部を視認しましょう。全職員はねこを常に観察、曝露していない人に広めましょう。ねこはこのような見た目である。(後ろ向きのねこの絵。作者はry)
ん?どういうこと?見ちゃうし広めちゃうの?というか後ろ向き!?
20 ██年4月1日に報告書の除染が不十分だったせいでミームが漏洩していたことが判明。その後日本支部理事会は隠蔽できない程感染拡大したとして、アンニュイ・キャット・プロトコルを制定。みんなで曝露しようぜ!ミームの効率的運用のためオブジェクトクラスをThaumielに。もちろん財団本部への協力要請は却下された。そりゃそうだ。でもよろしくお願いします。
しかし、曝露者が増えるにつれミーム汚染は鈍化、8月には完全に無力化されてしまった。
何故かって?ねこが疲れちゃったのさ。本家にはねこが財団日本支部理事の「鵺」に託した伝言が載っているが長いのでざっくりと。
みんなが長時間じぃ〜っと見てるせいでねこも見返さないといけない。けど夏になって人の視界端まで暑い。ねこは暑いの苦手なのに。こっち見んな!暑いんだよぉ!疲れたんだよぉ!お前ら寝ろ!涼しくして健康に過ごせ!
って言ってたらこの人熱中症になりやがった。仕方ねぇ救急車呼んでやる。こんなことになるなんて思ってなかった…やっぱり井戸が良いや。もう無理おうち帰る。 かしこ
的な感じ。そりゃあ日本人の約67%もの人にじっと見られてたら疲れるわ。しかも財団職員は16時間とか48時間とか見つめ続けてたみたいだし…要注意団体にも広めたせいで襲撃が減ったとか…職員仕事しろ(笑)
それにしても、かしこって女性用の結語だったような。ねこはメスなのか!?
「当報告書は生物系ミームオブジェクトによるAK-クラス:世界終焉シナリオへの対処事例として、当時の版をアーカイブ化したものです。」
うーん…他の危ないSCPに対して役に立つとは到底思えないのだが。
※AK-クラス:世界終焉シナリオとは
人類の知覚または思考プロセスの崩壊による世界の終焉。つまり全てが狂ってしまうこと。文明が崩壊するから再構築シナリオと言われることも。
インパクトのある顔と項目名で有名なSCP-040-JP、色んな所でネタにされている。現実社会にまで浸透しているとは…侮れない奴だな。実際、内閣府で出されたチラシにも出ているとか…
日本支部の作品は、本家とはまた違った雰囲気のホラーが多い。暑くなったら読みたくなるね。ゾクゾクした怖さを楽しみたいなら日本支部がオススメ!
この紹介を読んだ皆さん、ペットや近所の野良猫の顔はどう見えていますか?自分は大丈夫です、って?自己申告じゃダメですよ、決まりですから。記憶処理へのご協力、よろしくお願いします。
「SCP-040-JP」 Ikr_4185氏作
http://scp-jp.wikidot.com/scp-040-jp
「SCP-040-JP-J」 snoj氏作
http://scp-jp.wikidot.com/scp-040-jp-j
次回紹介するSCPは、せっかくだし日本支部から有名どころをもう1つ。
さあ、みんなで一緒に音読しよう!せーのっ…