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SCPって何だろう?  作者: 来飛研究員
5/20

SCP-8900-EX 青い、青い空(Sky Blue Sky)

オブジェクトクラス:Keter


SCP-8900は、現時点で封じ込めることは不可能だろう。いきなりの衝撃発言でびっくり。

SCP-8900に感染した人や物は完全隔離して焼却処分する。その時の炎は感染拡大防止のために完全な暗闇の中で真空吸引により消火する。財団職員は絶対にSCP-8900に感染した人、物に接触してはならない。また、完全な暗闇はSCP-8900の生物への症状拡散を防ぐことが分かった。その研究ため2人の人物が拘留される。物凄く感染能力の高い何か…?それにしてもお2人さん可哀想に…


SCP-8900は接触により拡散する、可視スペクトルに影響を与える複雑な知覚現象である。

…?

脳が認識する光の波長を変えてしまう現象。

……?

本来とは色が変わって見えるようになる現象!

はい。そういうこと。

しかもこの現象は最近開発された技術により撮影が可能。しかし、撮影によって現象の拡散が早くなるのでやめましょう。


SCP-8900は現在未収容。そして理論的にも封じ込め不可能。財団にとって絶望的状況。ヤバい。

この現象は1800年代中期〜後期に、ある撮影技術の副産物として発生。当時その影響は写真乾板(被写体を写すためのガラス板のこと)のみに限定、拡散することはなかった。SCP-8900の症状が写真に現れたのは、写真技術の開発[編集済]と考えられる。SCP-8900が出現したのは、おそらく1935年前後の█████株式会社の"インテグラルトライパック"██████████技術の実験によるものと思われる。



え?SCP-8900-E()X()じゃなかったの?

そう。この報告書、最初にこのような文章が書かれている。

「このアーカイブ情報は参照専用です。

現在、SCP-8900-EXに対しての封じ込め手段は講じられていません。」

そして上でまとめた文章全てには横線が引かれている。

つまり上で説明したのは一昔前、まだSCP-8900だった時の特性である。

報告書の最後には、O5権限によってのみ閲覧可能であり、O5-8の机から発見された補遺が記されている。この文章は省略出来ないため、直接引用させて頂く。


「諸君、我々は失敗した。SCP-8900の影響はあまりにも広く拡散し、ありふれたものになってしまった。空の自然な青は下品で不自然な色合いに変わり、木々の緑は等しく汚された。SCP-8900は全ての可視スペクトルに荒廃をもたらし、我々は覆い尽くされた。


正反対の影響を及ぼす「感染症」を作り出すという試みもまた失敗した。我々は被験者に対して自然な色彩を復元させることに成功したが、この処置は被験者の口を利けなくしてしまうようだ。その上、今しがた使者がオフィスに到着し、我々のささやかな試みが収容違反を起こしたことを伝えてくれた。未来のエージェントはその性質から、これをSCPオブジェクトとして扱わなくてはならないかもしれないな。


我々にはたった一つの選択肢が残されたのだ、諸君。私は財団の最終フェイルセーフ手段、アンニュイ・プロトコルを実行する。


適切な権限を持つ君達がこのメッセージを受領する頃には、財団は世界中の資源を動員し、保有する中で最も微細な効果を引き起こす記憶処理薬である化合物ENUI-5、その大量散布を終えていることだろう。世界中のこのような恐怖を味わうべきでない男女が、立ち止まり、困惑し、自らの生活に戻るだろう、この現象が常に存在していたと確信し、何を失ったかを決して知らないまま。ただ一つ、SCP-8900の影響を受けていない写真のみが真実を伝えていくことだろう。私は残念でならない、諸君。本当に残念だよ。


これはやり遂げられねばならない。


— O5-8.


確保、収容、保護」



結局どういう話だったのか?

世界は元々、白黒の濃淡による色彩(現在では()()と認識される()()など)で構成されていた。以前の世界については作者がディスカッションページで述べている。

カラー写真の技術が原因で、世界が様々な色に見えるようになる現象であるSCP-8900が発生、拡散した。

財団は封じ込めようと努力し、反対の影響を与える感染症などを開発したが失敗。封じ込めは不可能とされた。

世界中が混乱に陥らないように、ずっと前から世界はこのような色であった、と認識するようになるウイルスを散布した(アンニュイ・プロトコル)。

世界が色彩豊かになった今、それ(SCP-8900)はもはや異常ではなくなった。そしてもちろん収容の必要は無い。正常なのだから。

SCP-8900-EX

オブジェクトクラス:Explained

これは財団の歴史上唯一の敗北宣言である。




カラー写真以降に生まれた世代にとって、白黒写真は馴染みがないかもしれない。初めて見た時に、昔は全部が白黒だったのか!と思ってしまった人、いるよね?その時は先生や親に笑われてしまったかもしれない。でも実際にそうだったとしたら…?

白黒の中に色彩を感じる世界、どのように見えるのだろうか。今日の空は何色なのだろうか。


それにしても…唯一?敗北宣言はないかもだけど、財団って何度もやらかしてなかったっけ…?

財団世界は大丈夫なのか。

「SCP-8900-EX」 tunedtoadeadchannel氏作

http://www.scp-wiki.net/scp-8900-ex


直接引用って大丈夫なのかな…引用だって明記してカッコで囲ったから多分大丈夫だよね?ダメだったら教えて下さい。


次回紹介するSCPは、秀逸な文章(?)で話題になったものでもいかがでしょうか。

名前を言ってはいけないあの…(´・x・`)

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