SCP-522-JP 空気中フランスパン濃度測定所
軽く書くつもりが思ったより長くなって…
オブジェクトクラス:Safe
SCP-522-JPは一般的な中規模空気中フランスパン濃度測定所であり、群馬県████市の██山の山頂に建設されている。中には7m級チャールズ式反射測定器がある。
この測定所自体をサイトとして収容し、一般人の侵入を防ぐ。これを用いて測定を行う際はセキュリティクリアランスレベル2以上の職員の許可を必要とする。
この異常性は、SCP-522-JPを用いて実際に空気中フランスパン濃度を測定した際に起こる、未知のフランスパン以外のパン(SCP-522-JP-1)が1~2.5%検出される現象である。これは財団が行う簡易測定では検出されない。SCP-522-JPによる測定を行った際は現実への影響を計算して提出する必要がある。
フランスパン以外のパンはSCP-522-JP内部のメモリにこれを含む計測データがある時のみ現実に存在することが分かった。内部メモリのデータは測定後に自動で紙媒体に出力してからリセットされるため、現実に存在するのは極短時間のみ。フランスパン以外のパンの特性は現在研究中。
…いやいやふざけるなよ!?まず空気中フランスパン濃度ってなんだよ!!空気中にフランスパンなんてあってたまるか、ぶつかるじゃないか!!濃度は0に決まってるだろ!!だって?そんなこと言われても…
もしかして君たち朝のニュース見たことないの?毎朝やってるじゃないか、天気予報のコーナーで今日の気温と空気中フランスパン濃度。
え??聞いたことない??これはきっとありもしない空気中フランスパン濃度なんていう数値を認識させるミーム汚染に違いないって??
だから違うって言ってるじゃないか。なんで分かってくれないのさ。
以下の閲覧にはセキュリティクリアランスレベル3が必要となる。
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SCP-522-JP-T
オブジェクトクラス:Safe
SCP-522-JP-Tは異常性を持つSCP-522-JPの報告書である。この報告書を読んで内容を記憶している間、読者(SCP-522-JP-R)は空気中フランスパン濃度に関する記憶を全て失う。その上、SCP-522-JP-T以外のフランスパン濃度に関する情報を認識できなくなる。
この異常性のために読者はSCP-522-JP-Tのことを「意味不明な報告書」や「たちの悪いジョーク」と思い込み、SCP-522-JP-Tの削除を求めることもある。また、読者は「TV局で行われるフランスパン濃度予報コーナーを全く認識できなくなる」などの一部の記憶喪失により、日常生活で違和感を覚えることがある。
セキュリティクリアランスレベル2以下の職員のために、本報告書には閲覧終了と共に内容の記憶を消去するミーム処理が施されている。また、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員は読んだ後に各自記憶処理をせよ。
さらに、上記のSCP-522-JPの記事も真実であり、収容対象である。SCP-522-JP-Tの影響を受けていない職員に一部の必要な情報のみを伝えて管理する。
やっぱり空気中フランスパン濃度なんて意味分からないって?
混乱するのも分かる。でも温度や湿度と同じ日常にありふれた数値として存在していることは事実。財団の行う研究や実験にはフランスパン濃度が欠かせないので、早急に記憶処理して各自の職務に戻りましょう。
って████博士も言ってるから。さ、早く記憶処理しちゃってよ。
つまり
読んだら空気中フランスパン濃度が分からなくなる報告書。空気中にフランスパンは、あります!でも時々違うパンが見つかる異常性が!?
皆も今後知らない言葉を聞いたら存在を疑う前にとりあえず記憶処理をしてみよう(違う)!思い出せるかもしれない(そうじゃない)!
「SCP-522-JP」 Mamekusa_T氏作
http://scp-jp.wikidot.com/scp-522-jp
次回紹介するSCPは、引き続き認識に異常を引き起こす系で。
貴方の認識と他人の認識が同じだという保証はありますか?そもそも貴方の認識は本当に正しいですか?