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第55話:花の禁句

10分の追いかけっこの末、直也君は鳥里さんを捕らえる事に成功。

 しくしくと泣く鳥里さんを慰めつつ、捕らえられた宇宙人の様に左右で挟んで花梨達が待つ駐車場へと連行する


「もう泣かないで宮ちゃん」


直也君は鳥里さんへ優しく声を掛けるが、鳥里さんはイヤイヤと首を振って泣き止む気配が無い


代わりに俺が声を掛けると……


「と、鳥里さん、ジュースでも飲む?」


キっ! と睨まれてしまう


「…………」


「…………」


俺と直也君は顔を見合わる。お互いに困り顔だ


さてどうしたものか、直也君。花梨ちゃん達にフォローをしてもらいましょうか


そんな風に、直也君とアイコンタクトをしている内に駐車場の前へと辿り着く


「お、みんな居るな。おーい」


キキキキー! 


突然、甲高いブレーキ音が公園内に響く


「……ま、まさか」


嫌な予感がし、音がした方向を見ると、武道館入口に伸びる道路のカーブを見事なドリフトで曲がりきり、こっちに向かって突っ込んで来る軽自動車!?


「か、母ちゃん!?」


母ちゃんが運転しているであろう暴走車は、勢いを落とす事無く俺達の目の前で右へと直角に曲がり、車輪を浮かしながら空いている駐車場のスペースへ入りピタっと止まった


相変わらず慣性の法則を無視した運転だ


「…………」


シーンとする周り。誰一人言葉を発しない


がちゃ


そんな沈黙の中、助手席のドアが開き、雪葉がよろよろと車から出て来る


よろよろ、よろよろ…………あ、こけた


「大丈夫か、雪葉!」


慌てて駆け寄る俺


「あ……うぅ……お、に……」


雪葉は俺を見上げながらカタカタと震えた。

 ……可哀相に、一体どれほどの酷い目にあったと言うんだ


「もう大丈夫だぞ雪葉。この兄がお前を守る!」


「お、お兄ちゃん……お兄ちゃん!」


ひしっと抱き合う俺ら。美しい兄妹愛に周りは感動の拍手を……


「な、涙が止まらないです、お兄さんっ!」


一人以外はしていなかった

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