花のスイートハニー 3
missoni2
【敵を見極めろ!】
「あれ? 花梨? そんな所で何してんの?」
「うっ……」
花梨の大声は、コンビニにいた小学生達にも当然聞こえてしまい、その中の狐目……田中だっけ? そいつが花梨の元へ来て声を掛ける
「べ、別に何もしていないわよ」
「ふ~ん」
探るような狐目。ガキんちょの癖に嫌な目をしているな
「やあ花梨」
そんな狐目とは対象的な爽やか美少年が、他の小学生達と一緒に花梨に近付き話し掛けた。
その声は優しげで、体型はスマート。パッチリ二重が涼やかだ
「……坂田」
花梨は、露骨に嫌そうな顔をして美少年から顔を背けた
「花梨も来たし、俺らももう公園行くわ。じゃーな坂田。から揚げサンキューな!」
デブ眼鏡は美少年っつか坂田? からバスケットボールを受け取り、去ってゆく
「……あんたは行かないの?」
苛立ちと呆れを含んだ声の花梨
「行かないよ? だってずっと花梨を待ってたんだから。今日、このコンビニで卵の安売りがあるから必ず来ると思ってたけど、一人で待つのは退屈だし、隙を付かれる恐れがあるからね」
坂田少年は、ニッコリ笑ってそう言いましたってか、ストーカー決定! イェーイ!!
「さぁ花梨。遊びに行こう? 駅前のデパートでパフェ奢ってあげるよ」
坂田少年は花梨の手を取ろうと、腕を延ばした
「待てい!」
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【花梨を渡すな!】
「花梨は俺と商店街のタコ焼きを食いに行くんだよ」
坂田少年の腕から花梨を庇うべく、花梨の体を抱き寄せる
「っ!? ぅ……」
スカートの両端を、ギュっと握ぎる花梨。奴が怖いのか、僅かに震えている両肩が痛々しいぜ
「…………貴方は誰ですか?」
坂田少年の目が、初めて俺に向いた
「俺はコイツの……」
何だ? 妹の友達?
「か、彼氏よ!」
「そうそう、彼氏、彼氏……彼氏!?」
いつの間に!? い、いや違うだろ俺!!
「ば、馬鹿! お前何言って……」
「彼氏……よ」
そう言って俺を見上げた花梨の瞳には、不安と怯えがあって……
「ふっ。そうだったね、マイスイートハニー」
思わず俺は歯を光らせ、サムズアップしていました