花のスイートハニー 2
mission1
【奴を確認せよ】
『で、どれがストーカーなんだ?』
俺も電柱の陰に隠れて聞いてみる
『あいつよ!』
花梨が指差す方向にはコンビニがあり、そのコンビニの駐車場でたむろっている小学生らしき連中が五人
『…………水色の服着てる奴か?』
デブで目つきの悪いメガネ。偏見なのかもだが、非常にストーカーっぽい
『その隣よ』
その隣にはオレンジのシャツを着た小狡そうな狐目
『なるほどな。あれは確かにそういう事をしそうな目だ』
『そうでしょう? 友達に言ったらそんな訳無いって言うのよ。みんなまだ子供だから分かって無いのよね』
『花梨も十分子供だろ』
『むっ! 私の何処が子供なのよ!』
『い、いやだって小学生だし……』
雪葉達よりかは大人っぽいけどさ
『な、なによ! わ、私の胸を触りたいってとか言ってた癖に!!』
『ち、ちょっと待て! 俺がいつそんなデンジャラスな発言を!? それに声が大きい!!』
『え? あ、そうね。ストーカーに見付かっちゃうわね』
そういう問題じゃ無いんだが……
『しかし見れば見る程スケベそうな目をしているな。デブに媚びへつらってるし』
肩まで揉んでやがる
『え? ……ああ、田村君の事か。そっちじゃ無いわよ』
『へ? だって後、隣にいるのは……』
バスケットボールを器用に指で回している優しそうな美少年
『バスケットボールを持ってる子よ』
『…………はは~ん』
なるほどな
『な、なによ?』
『お前、好きなんだろ?』
『な!? な、何言ってるのよ! ばか!!』
この反応、間違いない。 俺はやらしくニタニタと笑ってみる
『な、なによその顔……』
『良いから良いから。分かってるって』
『う……』
『なぁ、好きなんだろ?』
『っ! だ、誰があん』
『あの子が』
『たなん……は?』
『だけどストーカーは駄目だぜ? 嫌われ……どうした? 腹でも痛いのか?』
花梨は下を向き、肩をプルプルと震えている
『………か』
『うん?』
『ばっっっっかじゃないの!!!』
花梨のその声は半径150メートル内に響いたと言う