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人の風呂事情 2

マドマーゼル蘭子のお風呂で性格診断


※個人の感想です



頭から洗う人


「これは生粋の変態ね。何故かって? 頭は頂点、ピラミッドで言ったら尖ってる部分でしょ? そこが好きって、なんてマニアック!? フェチよ、ドフェチよ! この変態!!」


利き腕の人


「利き腕を最初にふさぐなんて相当な自信家ね。傲慢、まさに傲慢! ルシファーだっけ? なんかそんな感じで傲慢なのよもう!」


利き腕じゃない方の人


「警戒心が強くて結構な事ですこと。あなたモテないでしょ?」


尻の人


「あーあなたはエロいわ。何故かって? マリリン・モンローを知ってるかしら? 今も輝く20世紀のスーパースターよ。そのマリリンの何が凄かったかって、まぁ色々ありすぎるぐらいあるんだけれど、あたしはモンローウォークと呼ばれる特殊な歩行術を推すわ。お尻ぷりぷりって感じのエロくて、とっっってもセクシーな歩行術。だから真っ先にそこを洗うあなたもエロい。ドゥーユーアンダースタン?」



続きは次回

午後8時。電話をするには少し遅い時間だが、まだ大丈夫だろう


「アドレス聞いとけば良かったな」


ぼやきながら綾さんに電話をする。数回コールが鳴った後、しとやかな声が俺を迎えた


「はい、綾音です」


「あ、もしもし、恭介です。遅くにすみません」


「いいえ、大丈夫です。どうなさいましたか?」


「聞きたい事があって連絡したんですけど……。綾さん、いつもと様子が違いません?」


普段は、もうちょい軽い感じだったような


「そうでしょうか。もしかしたら、お客様がいらしてるからかもしれませんね」


おや? この感じは


「ひょっとして文之さんが来てます?」


「はい、よくお分かりですね。先程まで居間でお話をしていました」


「げ。すみません、後日かけ直します」


「問題ありません。何をお尋ねになられたいのでしょう?」


「そ、そうですか? え、えーと」


困ったな。何処から洗うか何て聞く雰囲気ではないし……


「下着の色は答えられませんよ?」


囁き声が俺の耳をくすぶる


「聞きませんよ!」


「残念」


ふふっと笑い、どうぞ遠慮なく聞いてくれと言ってくれたので


「ではお聞きします。風呂入る時って、何処から洗いますか?」


意識しない、させないよう気軽に聞いたのだが、意外にも綾さんは息を飲んで黙ってしまった


「あ、綾さん?」


「……びっくりしました。佐藤君はスケベですね」


「スケ!? は、春菜が聞きたがっているんです! 心理学に必要だとかで!」


全ての罪を押し付けてしまおう!


パニックになっている俺に、綾さんはなるほど相づちを打つ


「よくは分かりませんが、春菜さんのご質問でしたら仕方ありません。私が最初に洗うのは、おま」


「ちょちょーっ!? それは流石に駄目でしょ!」


声も大きいし!


「ですね。危うく家族が崩壊する所でした」


「簡単に崩壊させないで下さいよ……」


文之さん達に土下座で謝りに行く事になってしまう


「顔です」


「はい?」


「顔から洗う事が多いと思います」


「あ、そうですか」


普通だな


「ご期待に沿えず、申し訳ありません」


「き、期待なんてしてません!」


「後日お時間を頂けるのであれば、続きを。顔から肩、お腹へ。そしてその後は……と、事細かくお教え出来るのですが」


「いやもう本当大丈夫です! ありがとうございました!」


「どういたしまして。春菜さんに宜しくお願いします」


「はい。それじゃ、ありがとう」


もう一度礼を言い、電話を切った。よし次は楓さんだ


「えっと」


楓さんの番号を出してポチ


【おかけになった電話は、電波の】


数コール後、アナウンスが入ったので切る。電源を切ってるのかな? 


「…………」


自宅の方に掛けてみるか


少し迷ったが、叔母さんに話したい事もある。俺は深呼吸をし、芦屋家の番号を押した


「はい、芦屋です」


さほど待たず、聞こえた声は……椿か


「よ、俺だけど」


なるべく明るい調子で言う。そんな俺に椿は冷たい声で


「うちには兄も弟も父も息子もいません。ですからお金は振り込みません」


「恭介だよ!? 詐欺じゃないから!」


「あはは、分かってる。どうしたの?」


椿の声は落ち着いていて、いつも通りだった。元気になってくれたみたいだ


「えっと、春菜がさ楓さんに聞きたい事があるってんで、スマホに電話したんだけど出なくて。今、楓さん家に居ないのか?」


「姉さんなら部屋にいるよ。呼んでくるね」


「ああ頼む。あ、そうだ、お前にも聞きたいんだけど」


ついでに聞いといてやろう


「うん、なに?」


「風呂入る時、何処から洗う?」


「な!? ば、馬鹿っ、変態!」


ガチャ! ツーツー


「…………」


やはり俺は変態なのか


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