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いたずらハロウィン 前編

11月半ばぐらいまでイベントやってますし…

秋空映える日曜日の午後。ぽかぽか暖かい太陽の光が、眠気を誘う


時刻は2時すぎ。先日借りたFPSをやっているのだが、そろそろ目が疲れてきた


「……ふぅ」


少し休もう


「ポチっとな」


もはや広辞苑に載るべきであろう言葉を言いつつ、ゲーム終了。そして伸びをする


「…………」


暇だし散歩でもしてくるか


コンコン


ぼんやりうとうとしていた俺は、ドアのノックで目が覚める


「入っていいよ」


この時間だと雪葉か春菜かな


ガチャリ


開いたドアから、ぞろぞろと入って来たのは全身を黒い布で覆う5人の小人達


「な、なんだ?」


一見、イランの女性がよく着ているチャードルかと思ったが、こちらは顔すら隠れているのでそれとは違う


ならあれか、フェニックスチームの初登場時か? 俺はマンモスマンが好きだったが、オメガマンの方が人気あるんだよなー


「…………」


い、いや、落ち着け俺。あまりの非日常感にパニックになっているぞ


ここはあれだ、冷静に窓から逃亡を……


「トリックオアトリート!」


5人の小人は、一斉に布を脱ぎ捨てる


「お菓子くれなきゃイタズラするぞっ」


そう宣言したのは、犬耳をつけた女の子、美月だった


灰色のファーぺプラムに、もこもこのショートパンツ。とても可愛らしいが、上が短すぎてヘソが見えてしまっている


「ふふ。するぞ?」


続いて声を発したのは風子。頭にツノが生えているだけで、格好はジーンズにトレーナーと、いたって普通だ


だがよく見ると手には鈍く光る鎌があり、後ろには細い尻尾のような物も見えた


「は、早くお菓子を出しなさい!」


この強盗みたいな奴は花梨。花梨は……なんだ? ツンと尖った長耳に黒いポンチョ?


「ドラキュラ?」


「こ、コウモリよ」


「うん? ……あー」


見えなくはない


「ドラキュラより可愛いかもな」


「かわ!? うぅ……」


そして花梨の隣にいる頭にネジを刺した顔色の悪い子は


「フランケンシュタイン!」


「だろうね」


何故もっと可愛いチョイスをしなかった、我が妹よ!


「い、いたずらは、やめて下さい……」


最後の子は、部屋の隅で小さくなっている眼鏡の魔法使い。上目遣いで俺を見ながら震えている


「いや、しないから! される側だから!」


「兄ちゃんイタズラがいいの?」


美月はウズウズと、今にも飛び掛からんとしている


「ち、違う、待ってくれ! 今、菓子を渡す」


俺はしゃがんで、ベッドの下から秘蔵の柿の種を取り出す


「そう、これ。あった、あったってなんじゃこらー!?」


毎日一杯、健康生き生き青汁の素! 粉末タイプでゴー


「な、なんでこんなものが?」


ベッドの下を覗き込む。床になにやら書き置きのようなものが……


『柿の種もらうぞー。代わりにスーパーでもらったの置いとく』


「あ、あの野郎!」


せめて食い物おいとけや!


青汁片手に唖然とする俺に、美月は大きな目で見つめながら一言


「トリック? それともトリート?」


「お、お菓子はないが……あ! クッキー作るわ。今から材料買って……」


「だーめ。えっへへー」


「はぁ……仕方ないわね」


「ふふ、覚悟は良いかい?」


「いくよ、お兄ちゃん」


「は、早く終わらせて下さい……」


1人を除いた怪物達は、ジワジワと俺を取り囲む


「ちょっと君達?」


目が怖いよ?


「いたずらだー!」


そして拷問が始まった



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