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第4話:雪の友達

親父がアマゾンへ旅立ち、半月


殆ど金を持って行かなかった筈の親父。今頃腹を空かせていないだろうか? 俺は心配で、ご飯も喉を通らない



「母ちゃん、今日のおやつなんだっけ?」


「焼きたてのどうぶつさんクッキーよ〜」


母ちゃんはオーブンを指差す。甘いバターの匂いだ


「お、良いね〜」


キッチンのテーブルに座って待つと、チーンと焼き上がる音


「はい、出来た」


「お〜」


母ちゃんが皿を出し、取り分ける


「はい、どうぞ」


「ありがと〜。……あれ?」


母ちゃんはもう一つの皿を出したが、やたら大きい


「そんなに食うの? 母ちゃん」


「違うわよ〜、これは雪葉の分。あの子のお部屋に持って行って貰ってもいいかしら?」


「あいよ」


俺は皿を受け取り、2階にある雪葉の部屋へ持って行く


それにしても、こんなに食うとは……。今はちっこくて細いが、そのうち糖尿病を気にするぐらいに……


「あははは! 宮ちゃん凄〜い」


雪葉の笑い声だ


俺はドアをノックする


「は〜い」


ガチャリとドアが開く


「あ、お兄ちゃん! お菓子持って来てくれたの?」


「ああ。友達か?」


「うん!」


可愛らしい雪葉の部屋に、三人の女の子が座っていた


「こ、こんにちは……」


「ああ、こんにちは」


メガネをかけた大人しそうな子だ。頭良さそう


「おーっす!」


「お、おっす」


髪を短く揃えた男の子の様な子だ。活発そうで良い


「なに? この人」


「…………」


性格悪そうなクソガキだ。きっと、ろくな大人にならないだろう


「…………何よ?」


顔は内面を現すってのは本当だな


「みんなに紹介するね、お兄ちゃん」


雪葉は俺から皿を受け取り円卓へ置いた後、クイクイと俺の手を引っ張る


そして座らせられた俺は、ガキんちょに囲まれた


「雪葉のお兄ちゃん! かっこいいでしょ〜」


雪葉は俺の背中に抱き着きながら言う


「う、うん。素敵な人だね」


「いやいや、そんな。君の方も素敵な子で」


「優しそうな兄ちゃんじゃん! 羨ましいぜ〜」


「おっ、そうか! お前は兄弟いないのか?」


「かっこいい? はっ!」


「てめぇは帰れ!!」



その後の紹介から、メガネの子が鳥里さん。ボーイッシュの子が美月だと言う事が分かった


後は生意気なガキだが


「何? 私の名前? 聞きたいのなら頼めば?」


「いや、いい」


「っ! そ、そう。わ、私だって別に教えたく無かったから!」


「知ってるし」


「な、なんでよ!」


「お前、自分の胸見てみろよ? よく見えるぜ?」


俺はニヤリと笑った


「なっ!? こ、このばかぁ変態!!」


花梨は顔を真っ赤にし、部屋を出て行った


「お、お兄ちゃん、そ、そんな……お、お兄ちゃんがろ、ろり……」


雪葉は驚き戸惑っている


「あ、わ、私そろそろ、帰ろうかな……」


鳥里は警戒している


「なんだあいつ? ……なあなあ、兄ちゃんサッカーとか好き?」


美月は空気を読んでいない


「え? 何この空気?」



ピンポーン



チャイムが鳴り響き、少し経った後、階段を昇る音


その後に開くドア


そこには涙ぐむ花梨と、組織の犬が……


「こ、こいつが私の胸を見て『俺はお前の全てを知っている、俺が揉んでおっきくしてやるよ』って言って!」


「き、貴様ぁ! まだ学生の分際で、なんつー性癖をしていやがる!!」



それから僕は、花梨の胸に付いていたネームプレートの事を、カツ丼なんか食べながら、一生懸命に説明しました。終わり




今日の力関係


母>犬>雪>花>鳥>月>>>>>俺≧父



つづく。社会に復帰出来れば

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