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春のカッパ騒動 19

「どうもすみませんでした」


騒ぎから10分後。俺は不満げなカッパから謝罪を受けていた


「まぁ良いです。それよりさっきのは事故で誤解だったと皆さんに説明して下さい」


「はぁ」


気の無い返事だな


「本当にお願いしますよ」


もう前科を増やしたくないんだから。いや、無いけどさ


「春菜、帰るぞ…………春菜?」


「先ほど帰ったみたいですよ。カッパ」


「そうですか」


別に良いけどさ


「それじゃ俺も帰ります。さようなら」


「ワンシーンだけ協力してもらえませんかね? カッパに倒される所とか」


「嫌です!」


まだ何か言いたそうだったが、それを無視して早足で会場を出た


「あーこれより表彰式を始めます。その前に、さっきの変態は変態では無かったそうです。我々の間違いでしたどうも」


「…………」


酷い釈明だが、戻って文句を言う気力もない。とにかくファミレスへ――


「服は参加賞でーす。たまには着てくださいね?」


ファミレスに着いて服を返そうとすると、元気な店員さんにそう言われた


高そうなのに凄いサービスだ。有り難く頂こう


「やぁ佐藤くん」


「はぁどうも」


コーヒーを飲んでいるカッパメガネを発見 


「タダで飲むコーヒーは格別ですねぇ」 


「飲み過ぎて腹壊さないで下さいよ」 


苦笑な店員の様子を見るに、20杯は飲んでいそう 


「じゃあまた」


「ええ。店員さん、コーヒーおかわり」


メガネと別れファミレスを出て→河川敷→駅前→商店街→その辺の道


そんな感じで歩いて行き、ようやく家の前。なんだかダイジェストぽくなったが、とにかく疲れているのだ。早く家に入ってシャワーでも浴びよう


「ただいま〜」


「お帰りなさい」


そんな疲れた俺を出迎えてくれたのは、廊下の床拭きをしている雪葉だった


その笑顔にスイートテンダイヤモンドでも送りたくなってくる


「ただいま雪葉」


「はい、お帰りなさい。……?」


雪葉は俺を見つめて首を傾げた


「雪葉?」


「お兄ちゃん、なんだか凄く疲れてるみたい。大丈夫?」


「ああ、大丈夫。まぁ確かにちょっと疲れてるんだけど……よく分かったな」


疲れてるのは心であって、見た目は変わってないと思うんだが


「お兄ちゃんの事だもん。えへへ」


「うっ!」


この妹、癒しのプロか!?


「……ふっ、100の薬より妹の笑顔、か。ありがとよ雪葉、お前のおかげで全快だ」


カッパの事は忘れよう


「う、うん、どういたしまして?」


「ふん! はっ!」


体が、体に力が戻る!


「お、お兄ちゃん?」


「シャワー浴びてくるぜぃ!」


スパッと汗を流して俺も風呂掃除だ


「あ、待って。今、春菜お姉ちゃんが入ってるの」


「そうなのか? じゃ俺も床掃除手伝うよ」


「ううん、お兄ちゃんは休んでいて。これは雪葉のお仕事です」


「そ、そうか」


雪葉は、よいしょよいしょと力強く床を拭く。どうしよう、オカンと呼びたくなってきた


「ふぃー気持ち良かった〜」


そんな中、パンツ一丁の妹が現れた。雪葉は濡れた雑巾で俺の目をガード


「お姉ちゃん!」


「ん? あ、お帰り兄貴。……何やってんの?」


「君のせいで今日の僕は散々ですよ」




今日のお疲れ


俺>>>>>>花梨>>>リ≧千>雪>>春


つづみ




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