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春のカッパ騒動 16

「はい、ただ今をもって問題を締め切ります! それでは答えの発表〜」


俺達が○に着いたのとほぼ同時に、答え合わせが始まった


こちら側に来たのは7人。正解なら仲間内で過半数を占める事が出来る


「正解は……ダラダラダラダラ」


「効果音はセルフか」


予算がないのかな?


「○だー!! ジャストミート!!!」


「うわ寒っ……って○か!? おっしゃー!!」


ほぼ勘だけで乗り切った!


「ふ、どーよ春菜。ここまでカッパに詳しい奴は中々いないぜ?」


ドヤ顔であろう顔で自慢する俺に、春菜は目を細くして微笑み


「うん、すげーな兄貴は。さすがカッパ好きだ」


「あ、ありがとう……」


なんかスゲー恥ずかしい


「はーしかし正解できて良かった」


花梨達への面目も果たせたし、後はもう流れに任せよう


「○を選んだ皆様、正解おめでとうございます! ☓を選んだクズどもは秋の七草にでもなって勝手に食われて下さーい。いやーそれにしても、まさか7人もの方がこの難問を突破するとは思いませんでしたよハッハッハ」


司会者カッパは両手を広げ、おおげさな身振りで驚きを表現する


「しかし困りましたね。優勝者は1人のみ、これがカッパの掟なんですよ。うーん、ディレクターのブルーカッパちゃん、どうしようか」


司会カッパは壇上の下にいたブルーカッパを呼び、その場で会議をし始めた


「……90年代のバラエティーかよ」


やる事は最初から決まってる癖に、無駄に焦らす的な


「90年代? 昭和だっけ?」


「平成だよ。西暦から元号を引いてみろや」


「ん……あ、本当だ」


納得してくれた所で会議は終わったらしく、ブルーカッパは壇上を降りていった


「……何をさせる気かしら」


ブルーカッパを目で追い、花梨は不安げに呟いた


「なに花梨、もしかして怖いの? 怖いんだぁ、ひゃーださー」


その花梨をニヤニヤ顔で煽るリサ


「カッパを殺せ、これは戦争だ!」


そしてクレイジーな観客達。会場には何とも言えない嫌な空気が漂っている


「ただいま話し合いにより、優勝を決める最後の競技を行う事が決定しました。それではその競技を発表いたします。最後に行う競技はー」


「………………」


「競技はー」


早く言えや!


「カッパ鬼ごっこだー!!」


はぁ? カッパ以外の人間から呆れと不審の声があがった


なんで鬼ごっこだよカッパはどうした。そもそもこの格好でどうしろと


様々な不満が上がる中、カッパは堂々と宣言をする


「最終競技、カッパ鬼ごっこ。ルール説明後、すぐに開始いたします!!」


・カッパ鬼ごっこ


ルール


【1】最初にカッパを捕まえた人間が優勝 


【2】カッパは子供、青年、オッサンの3体がいる。その内の1体を捕まえればいいのだが、年齢によって捕まえて良いカッパが違う


「花梨やリサ達小学生は子供のカッパ。俺らは青年カッパ。30代以降の人はオッサンを捕まえれば良い訳だ」


「暑いし走りたくないんだけど!」


【3】カッパは最強の妖怪であり無敵である。捕まえる前に金の玉を身体の一部に当て、カッパを弱らせなければならない(誰の金の玉でも良い)ただし効果は20秒


【4】金の玉を使った人間は、30秒以内にカッパを捕まえられなかったら退場


「ここで金玉が出てきたか。お前らは金玉持ってるか?」


「ええ、ちゃんと持ってるわ。……リサ? どうしたの、顔が赤いわよ」


「う、うるさい!」


【5】怪我なく楽しくやりましょう


そんな感じのルール説明が終わり、新たに3体のカッパが現れた


運動神経良さそうなガキ。細身ながらも全身の筋肉が発達している20前後の兄ちゃん。そしてデブなオッサン


「オッサンだけ楽そうだな」


とは言え、こっちの1人だけいるオッサンも似たような体型だし、良い勝負になるか


「しかしこの格好で走れって、正気の沙汰じゃないぞ」


熱中症で何人か死ぬんじゃないか?


「確かに走り難いよな〜。脱いじゃ駄目なのかな」


「お前は裸で走る気か」


「裸は嫌だよ。タオル巻くし」


「服を着ろ」


まぁ、タオルを巻こうと思っただけでも昔よりはマシになってきてるか


「お前は女なんだからもう少し自分に気を使えよ?」


「はぁい」


気のない返事をしやがって


「それではこれより最終決戦、カッパ鬼ごっこを開始いたします! 皆様、競技場の中央へお集まり下さい!!」




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