春のカッパ騒動 12
まさかの一年オーバー。カッパが、カッパ如きが!!
なぜなに女系家族
・登場人物の中で、1番美人なのは?
容姿だけなら楓。次いで綾音と春菜
・恭介が燕と付き合っていた時期は?
本格的には中3の夏から高1の秋まで。燕が先に告白
・恭介の目が死んでいるのは?
秋の料理を食べているから
・母は何姉妹?
三姉妹。三女が家を継いだ
・一族の男は?
恭介が唯一の直系。先祖の呪いか! ってぐらい男が産まれない
・恭介の誕生日は?
冬と秋の間
・たまに雪葉の口調が変わるけど?
小学校低学年の頃はずっと敬語だったから、その名残
・秋って何であんなに口下手なの?
よく考えてから喋っているから。相手の気持ちを気遣い過ぎる
・夏紀は大学何年生?
四年。就職の予定はない
・楓って危ない人?
天才すぎて感情を学ぶ事が出来なかっただけ。根は素直な人
・芦屋家はまた出る?
出る
「んにゃむにゃ、うまうま」
「…………」
こ、こいつまさか何かを食べる夢を……
「第1問」
チャララン
「大分県はカッパ発祥の地の1つ、○か×か」
妹に底知れぬ恐怖を感じている間に、クイズは始まった。最初は○×クイズだ
○だと思う奴は司会者の右側にいる青カッパの方へ、×だと思えば左の赤カッパの方へ行けば良いらしい
「ついに始まったか」
一生消えないであろうトラウマを刻まれてしまい、正直なところ一刻も早くこの場から消えたい。しかし
「……肉」
ぴくん
俺の呟きに、春菜の体が反応する。そんなに食べたいのかねぇ
「まったく……。こら春菜、いい加減に起きなさい」
肩に手を置くと、春菜は薄く目を開けた
「起きたか?」
声を掛けた俺に、ふて腐れた顔で言う
「まだ食べ始めだったんだけど?」
「お前……いや、何も言うまい。それよりもうクイズ始まってるぞ。問題は――」
言っても分からないか
「お前は○の方に行ってくれ」
「○?」
「○の看板持ってるカッパんとこだ。俺は×の方に行く」
2手に別れれば、どっちかは正解するからな
「……なんかよく分かんねーけど、兄貴が言うなら行ってくる」
「頼むぜ」
さて、俺も
「話は聞かせてもらった」
春菜の背を見送り、行動しようと思った俺の前に千里が立ち塞がった!
「って、どうしたいきなり」
てかまだ花梨達は争ってんのか
「ヒントタ〜イム」
元気よく手を上げてのアピール(棒読み)
「恭君は私より背が高い。○か×か」
「○だな」
問題と言えないぐらい簡単だ
「そんな感じ」
「え? ……ああ、なるほど」
こやつ、やりおるわ
「しかし良いのか? 俺達はライバルなんだぜ」
「借りを返しただけ」
そう言って千里は、×の方に向かって歩き出した。その小さい背中は、やけに大きく見えて……
「こらこら」
「なんちゃって」
振り向き、舌を出して冗談をアピール(棒読み)
「○はほんと。信じるか信じないかは恭君次第」
「信じるよ」
千里はいい子だ。疑うまでもない
「借金の保証人になるタイプ?」
「親父はよくなってたな」
4度目の時、母ちゃんがキレて(超笑顔で)以来止まったが
「それよりも、そろそろ止めなくて良いのか?」
千里の後ろでは、まだ花梨達がやりあっている
「めんどい」
「確かに」
とは言え周りから人がいなくなってきたし、そろそろ行動せねば
「花梨、リサ」
「なによ!」
「なによ!」
二人がギョロンと俺を睨む。マジ怖いっす
「ふ、二人とも喧嘩は止めろって。せっかく綺麗なドレス着てすっげー可愛くなってんのに、なんか勿体ないぞ」
「なっ!? な、なぁ、なうぅ……」
「はぁ? なに言ってるの? キモいんだけどっ!」
牙を剥くリサ。そして絶句し、きゅっと唇を引き結ぶ花梨
まずい、怒らせたか
「あーほら、二人のドレス姿なんて初めて見たからビックリしたんだよ。こんなに可愛くなるんだって」
「変態! アホ!! ロリコン!!!」
「あ、あのなぁ……どうした、花梨?」
なんか目を泳がせてモジモジしているが、トイレか?
「…………あ」
「あ?」
あほ?
「あ、あり、あ……言えるかぁ! あほー!!」
「やっぱり!?」
花梨は顔を真っ赤にしながらダッシュで○カッパの方へ行く。ちゃんと正解を選んでいるところが、しっかりしてるよ
「か、花梨!? 追うわよ千里!!」
「あいさー」
二人もダッシュ。良い走りだ
「転ぶなよ〜」
さて、俺も行こう