春のカッパ騒動 5
あと3話です。来週末までには終わるような気が……
「しかし亀ねぇ」
玉の次に亀……どことなくエロスを感じてしまう
「大体ヒントが曖昧すぎんだよな。いきなり亀言われても分からんって」
「この先にある亀神社の事じゃねーの? 池に亀いるし」
「それだ!」
「うわ!? な、なんだよいきなり」
何で気づかなかった俺!
「お前、今日は冴えてるな」
よしよし
「ちょ、意味わかんねーよ。つかもっと優しく撫でろ!」
春菜の頭を乱暴に撫で、いざ亀神社へ
「ついた!」
「早っ!?」
川沿いをテクテク歩いて数分。いつの間にか着いていた神社前
鳥居をくぐると古びた神社の敷地に入る訳だが……
「鳥居の前で、おじぎしろよ兄貴」
「ああ」
ぺこりとお辞儀
「参道の真ん中は歩いちゃいけないんだぜ」
「そうなのか?」
じゃあ右に寄って……
「入ったら、まずは手水舎で手を洗えよ?」
「わ、分かったよ」
さて、そんな感じで入りました神社は、地元名物亀神社。狛犬や稲荷の代わりに二匹の石亀が迎えてくれる
神社特有の厳かな雰囲気などはあまり無く、むしろ温かみのあるこの場所は、近くの住人達にとても愛されているそうな
「ここ来んの久し振りだ〜」
「だな」
ごみ1つ落ちてない白い敷石を進み、手を洗ってから拝殿の前へ行く。賽銭箱に5円でも投げてみるか
ちゃりん
「…………」
これからも家族が健康でいられますように。インターハイで秋姉達が優勝出来ますように。ついでに親父が家に帰って来ますように
「頼みすぎたかな……あ、手を叩くんだっけ?」
よく覚えてない
「二拝二拍一拝だろ」
「ああ、そうだそうだ。……な、何で知ってんだ?」
さっきから変だぞ
「常識だろ?」
「うっ」
春菜に常識を説かれるとは……
「82×67は?」
なんか悔しいから、問題を出してみよう
「え!? ち、ちょっと待って分かるから。えっと、14で56が……」
5494かな
「さて、カッパに繋がるようなヒントはっと」
辺りを見回してみても、これと言って変わった所はない
「48に足すから……5494だ!」
「ん? 向こうでお守り売ってんのか」
右側にある小屋の壁に、お守りを首にぶら下げた亀の絵が貼ってある
「答えは?」
家族用に5個ほど買いたい所だが、カッパ焼きのせいで金がない。せめて春菜のを……せ、1200円だと?
「兄貴、答え〜」
なんつー価格設定だ……。これがインフレってやつか? 今の俺には手が出せん
「答え!」
フグみたいに春菜の頬が、ぷくーっと膨れた。おもろい顔だ
「ああ、正解。やるな」
偉い偉い
「だから撫でるなら、もっと優しく撫でろって!」
「はいはい。ところで、これからどうする?」
「裏に言ってみる? 池あるぜ」
「じゃあ行こう」
拝殿を回り込み、裏手に行く。そこではハゲたおっちゃんが、小さな池の前で鯉にエサをやっていた
「神主さんかね?」
「じゃねーの」
近寄ると俺達に気づき、にこやかな笑顔をくれる
「こんにちは」
「ちわー」
「ああ、こんにち……」
手に持つ餌袋を落とし、驚愕の表情を浮かべるおっちゃん。そして震える声で言った
「な、何故、神社に亡者が?」
あれが神主じゃないと信じたい
「……俺、生きてます」
なんだこの説明
「ほほほ、分かっておる。必殺の神主ジョークじゃ」
「…………」
帰ろうかな
「いや失礼。一見、美少女に取り憑いた亡霊に見えたものでの」
よし帰ろう
「そうでしたか、あっはっは。それでは僕らはこれで」
春菜の腕を掴み、来た道を戻る。来て損したぜ
「え? ち、ちょっと兄貴。まだ何もしてねーのに」
「いいから行くぞ。ここにカッパはいない」
俺の勘がそう告げている
「そうかなぁ。なんかありそうなんだけど」
気のせいだ。そう言おうとした時、神主がぽつりと呟いた
「……カッパか。まさか此処まで辿り着く者があろうとは」
「え!?」
この神主、何かを知っている!
「おっちゃん、カッパ知ってんの?」
「うむ。しかしそれをお前達に語って良いものか……」
んな大袈裟な
「教えてくれおっちゃん! 私達はカッパを倒さなければいけないんだ!!」
倒す?
「なるほど然り。お前達は深淵を見たのだな」
見た記憶はございません
「うん、見た」
さらっと嘘つくな!
「……あい分かった、お前達にカッパの居場所を教えよう。心を沈め聞けぃ!」
体に沈むような神主の言霊に、俺達は息を飲む。一体これから何が起きるのだろうか
「だけどその前に、神主クーイズ!」
大した事は起きなかった