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第29話:父の聖剣

佐藤がウリガド達に救われてから早一週間が過ぎた


村秘伝の薬草のお陰か、体の傷は大分癒え、村の住民と打ち解けて来た頃、その事件は起きる



「うん、美味しそうな魚が釣れた。アルテル達に食べさせよう」


魚籠に数匹の新鮮な魚を入れ村へ帰ろうとする佐藤の目に、モクモクとした黒煙が映る


「あ、あれは!」


村の方角!?


佐藤は釣り道具をほうり投げ、村へと急いだ



「ヒャッハー! 酒だ女だひらめきだー!!」


「I am hungry. It is dangerous.」


「ブルンブルン! 俺様は川の下流にある村のひらめき村長だー!! 食料よこせー」


強靭で凶悪な肉体を持つ数十人の男達が、村の中で暴れ回っている


「女、女! ヒャッホーイ」


「食い物、食い物! マンモスうれぴー!!」


「引き上げじゃ、引き上げじゃー!!」


ウオオオー!!


女や食料を担いだ男達が村から逃げようとしている


「ま、待ちなさい!」


佐藤は男達の前に立つ


「何だお前!」


「君達! 自分が何をしているのか分かっ」


バキ!


突然横から殴られ、佐藤の意識は一瞬で飛ぶ



そして目覚めた時には、荒れ果てた村の中だった


「……う、うう」


「……目が覚めたかの?」


ウリガドは疲れた声で言う


「ぼ、僕は……あ! む、村は!?」


起き上がり、周囲を見回すと崩壊した家々や怪我をした男達


「村はもう全滅じゃ。此処を出て行くしかあるまい」


「そ、そんな…………エルテル達は?」


「連れて行かれた」


「なっ! た、助けに」


痛む体を無視し、立ち上がる佐藤


「無理じゃ。奴らはひらめき族の者達。森の悪霊に取り付かれた凶悪な者なのじゃ、精霊から見放された我らでは勝てぬ……」


「しかし!」


「勝てぬのじゃ……」


ウリガドは血が滲む程、拳をにぎりしめる


…………凄まじい怒りだ


「……私は行きます」


「サトウ!?」


「私はこの村の者ではありません。私が敗れても貴方方には何ら影響はありません」


「ば、馬鹿な事を言うでない! お主が死ねばエルテルが!」


「そのエルテルを救いに行くのです」


ウリガドを真っ直ぐに見つめる佐藤


(何と強く真っ直ぐな目じゃ……。この優しげな男にこれ程までの激情があったとは)


ウリガドは視線を落とす


「着いて来なさい」


そして、村の奥へ向かう



聖なる祭壇の洞窟。


村人以外の者を入れた事がない神聖なる場所


洞窟内には淡い緑色の光が地面から、上へゆっくりと昇って行き、幻想的な雰囲気をかもちだす


「…………綺麗だ」


「……ニ十年前、この場所に邪悪なる者が入った。

その者の名はオルテガ、我が弟。奴はこの奥に眠る2本の剣を狙ったのじゃ」


その剣は魔剣アホカニスト


その剣は聖剣エクスカリパー


「弟は力を求めておった。この星を支配する力を」


「星を……支配」


「聖剣は聖なる者にしか手に出来ぬ剣。魔剣は魔に堕ちた者が手にする剣。弟は魔剣に魅入られたのじゃ」


「…………何て事だ」


「今、弟は下流にあった村を総て支配した。もうじき上流に攻め寄るつもりじゃろう……」


「…………」


「わしらはオルテガを止めようと、聖剣を手に取ったが、剣に拒否されてしもうた」


「…………」


「……お主ならば」


「え?」


「お主ならば抜けるかも知れぬ」



洞窟の最奥。清純で厳格な息苦しい場所


そこには左右に二つの祭壇があり、右側の祭壇には一本の長剣が奉られていた


「聖剣、エクスカリパーじゃ」


「これがエクスカリバー」


「そう、エクスカリパーじゃ」


「……息子に見せてあげたいな」


「さあ、サトウよ! 聖剣を手に取れぃ!!」


「はい!」


佐藤が祭壇に近付き剣を手にした瞬間、洞窟内はまばゆい光に包まれた


「ぬ、ヌオオオ!?」


「な、なんて温かな……」


光が治まり、ゆっくりと目を開けたウリガドの目に映ったのは、聖剣を掲げる勇者の姿


「おお……おおお!!」


ウリガドの目から涙が零れ落ちた


「……僕は行きます。エルテルを救いに!」




今日の聖剣



つづくのか?

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