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第148話:燕の電話

そのうち削除。


女系家族、色々ランキング



精神力


王。夏紀


一位。秋


二位。綾音


三位。宮田



成績


王。夏紀


一位。燕


二位。秋


三位。綾音



美貌


王。夏紀


一位。秋


二位。綾音


三位。燕



可憐さ


王。夏紀


一位。雪葉


二位。花梨


三位。綾音



気品


王。夏紀


一位。燕


二位。六桜


三位。綾音





「王って……。おかしくないか、このランキング」


「わ、私が美貌で三位だと? た、高すぎだ!」


「そうか? それより俺は可憐と気品の三位が気になるんだが……」


つか、綾さん全部に入ってる!?


「やはり私は精神力がネックか……」


「これ、あんま信用しない方が良いと思うぞ? 王の捏造っぽいし」


俺が一個も入ってないし……


ツ、ツ、ツ、プツン


燕に掛けた三度目の電話は、呼び出し音もなく直ぐに切れた。どうやら着信拒否にされたらしい


「…………」


今までこんな事は無かっただけに、心配だ。後で秋姉に相談してみようか?


しかし彼氏でも何でも無い俺が、ちょっと連絡が取れないからって一々騒ぐのはおかしいし、迷惑かもしれない


……いや、あいつは大切な友達だ。迷惑だろうが何だろうが気になるものは気になる。とにかく秋姉に相談し、電話を掛けてもらおう


と、思い立ったタイミングで、電話が鳴った。公衆電話からだ


「はい、もしもし」


「あ……、もしもし。燕です」


出ると、電話の相手は燕だった。元気は無く、疲れている様に思える


「燕? 電話出ないから心配してたんだが……、何かあったのか?」


「……うむ。些細な事で母を怒らせてしまってね、自宅謹慎の上、電話を没収されたのだよ。高校生にもなってと笑わないで欲しい」


燕は明るい声でそう言い、心配掛けてすまなかったと詫びた


「無事なら何でも良いよ。ただ、前も言ったけど何か困ったあったら、必ず言ってくれ。後で遅かったなんて事になったら、俺はずっと後悔するから」


後悔するのは俺の勝手だが、燕が少しでも俺を大切だと思ってくれているなら、それが相談をする理由になってくれるかもしれない


「恭介……」


「相談しろよ、燕」


今、返事をさせるのは卑怯だ。だけど俺は、念を押す様に強い口調で聞いた。燕は一拍の間を開けた後、


「……はい、分かりました」


か細い声でだが、そう言ってくれた


「頼むぜ、燕」


本当にな


それから2、3分、適当な話をし、部屋を抜け出した事が親にバレると大変だからと、俺の方から会話を切り上げた


「それじゃ、またな」


「うむ……ありがとう、恭介」


電話を切り、ベッドに腰を下ろす。最後の方は燕も少し元気になったみたいなので、とりあえずは安心だ。しかし……


「謹慎ねぇ」


厳しいとは聞いていたけど、そこまでするのか。謹慎の理由は、先日帰宅するのが遅くなったから? なら、俺も無関係じゃない。謹慎が長引く様なら、菓子詰めもって謝りに行こう


「その時は山吹色のお菓子を……」


饅頭を一万円札にくるむのだ。俺の財力では二個が限度だが


「ただいま~。あ~あちぃ!」


そんな事を考えていたら、玄関が騒がしくなる。どうやら春菜が帰って来たようだ


「母ちゃん、今日の飯は何ー」


「手作り和風ハンバーグとオムライスよ~」


「よっしゃー!」


「……ふむ」


もうすぐ7時。そろそろ俺もリビングに行こうかね


ピコポコポン、ポコポコピン


「ん?」


また電話?


今度の着信は、画面に徳永さんと出ている。綾さんか


「はい、もしもし」


「こんばんは、佐藤君。綾音です」


「こんばんは。どうかしましたか?」


綾さんの方から電話を掛けて来たのは、これが初めてだ


「はい。佐藤君に、お聞きしたい事がありまして」


「なんでしょう?」


合コンの事かな


「今、履いているパンツは何色です?」


「変質者か!?」


「私は白ですか?」


「俺に聞くな!」


「ハァハァ、ハァハァ……ウヒヒヒヒ」


「怖っ!? 何か喋って!」


「とまぁ、堅苦しい挨拶はこのぐらいにしまして」


「い、今のが挨拶……」


たった数十秒の会話で、かなり体力を消耗してしまった。恐るべし、綾さん!


「こほん。合コンの予定日が決まりましたので、お知らせです。後は佐藤君次第なのですが、来週の日曜日はお時間取れますでしょうか?」


「え、ええ。大丈夫ですよ」


マジでやるのか……


「良かった。ありがとうございます、佐藤君。では日曜日のお昼12時頃に、ブッチャー駅の前で……あ、パンツは履かないで来て下さいね? 綾との約束です」


「いや、普通に履いて行きますって。約束なんかしませんって」


パンツ履かないで合コン行くとか……。そんな変態いるかっての


「なら私が履かないで行きます」


「ここにいた!? つか履いて下さいよ!」


「べ、別にあなたの為に履かないんじゃないからねっ!」


「ツンデレ!?」


「こうして男の口車に乗せられた私は、羞恥プレイを強要されるのでした」


「しませんって! ごほ、ごほ!!」


あ~、怒鳴りすぎて喉が痛い!


「と、とにかく! 下着は必ず履いて下さいね。もし履いてこなかったら、直ぐ帰りますから」


流石に無いとは思うが、もしノーパンなんかで来られた日には、合コンどころじゃ無くなってしまう


「うぅ……。佐藤君は厳しいです。焦らし上手です」


「焦らせてませんがな」


「おかしいなぁ。今読んでるエロマンガでしたら、『ゲヘヘ、焦らされ過ぎて堪らへんやろ。今から一発かましに行くでおま』って展開になるのですが……」


「一体あんたはどんなエロマンガを読んでるんですか?」


「新刊です! えへへ」


「何故に可愛く喜ぶ?」


ご飯ですよ~


廊下から母ちゃんの声が聞こえた


「あ、夕食のお時間ですね。長々と失礼しました」


「いえ、では日曜日に」


「はい。楽しみにしています!」


そして電話は切れ、俺はリビングへ


「……日曜か」


今日以上に疲れそうだな




今日の疲労


俺>>>秋>>春>雪>母>>>夏


お疲れ

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