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燕の訪問 12

もしも恭介が願いを何でも一つ叶えてくれるなら



登場人物達のコメントで誰が喋ってるか当ててみよう。全十二問、難易度は中級



一問目


「え? う~ん。お兄ちゃんは今でも優しいし、私の事を、とっても大切にしてくれるから特にはありません」


ニ問目


「わたしの兄ちゃんになってもらう!」


三問目


「あ? ……奴隷ね」


四問目


「佐藤君がですか。でしたらやはり〇で×して♂で♀したら*に@しまして、◆◇のΩを∀であいた!?」


五問目


「兄貴? とりあえず飯だな。釣りでも良いけどさ!」


六問目


「一に取材、二に取材! 三、四も五も六も、とにもかくにも取材です!」


七問目


「き、恭介がか? そ、そんな……しかし……ならば婿養子になってもらおうか! い、いや、もういっそ子供もがが!? に、にゃにふる、ゆはな!」


八問目


「恭介君にですか? そうですね、私の親友の恋人になってもらいます」


「もがが!?」


九問目


「ん……、どうしよう。新作の料理を食べてもらおうかな」


十問目


「無いわ。花梨になら色々……なんでもない!」


十一問目


「あ、アイツに? そ、そうね……ゆ、遊園地へ一緒に行ってあげても良いわよ! 特別に! 特別にっ!!」


十二問目


「……直兄さんの前から消えて下さい。永久に」





採点表(コメント付き)


・0個分かった


「あらあら、そんなに難しかったかしら~? 困った子ね~。……本当、困った子ね」


・1~3個


「ヘタレ」


・4~7個


「俺もこのぐらいです。次はもっと良い点がとれるよう、一緒に頑張りましょう!」


・8~11個


「う~ん。これって高得点ですよね? だけどなんかパッとしないなぁ。もうちょい頑張ってみたらどうです? そういうのカッコイイと思いますよ」


・満点


「凄い成績だ、尊敬するよ。ボクも負けてられないね」

キーを回すと、ブルルルっと馬の様に吠えるエンジン。その音に姉ちゃんは満足し、ゆっくりアクセルを吹かす


「それじゃ行くわよ。シートベルトよろしく」


助手席には秋姉。俺と燕は後部席だ


「……む」


シートベルトの閉め方が良く分からないらしく、燕は手間取っている


「ちょっとごめんな。……ほれ、これで良し」


「あ、ありがとう」


「あいよ。オッケーだよ姉ちゃん」


「ええ。出発よ」


高馬力の割には穏やかに発進する車。燕の家は、電車で二つ先にある市街地の郊外。車なら20分前後と言った所か


「車を出して下さって、ありがとうございます」


「ん? 全然。それより燕ちゃんだっけ? うちの馬鹿と仲良くしてくれてありがとね」


あんたは俺のオカンかよ


「いいえ。こちらこそ恭介さんには良くして頂いています」


馬鹿で俺の事だと通じる所が悲しい


「でも驚いたわ、恭介にこんな可愛いガールフレンドが居たなんて。存分にこき使ってやってね」


おいおい


「あら? 死兆星」


げ!


「っ!? ごほ、ごほ!」


「大丈夫?」


「は、はい。すみません……し、死兆星ですか?」


燕は恐る恐る姉ちゃんに尋ねるってか、俺もビクビクだぜぃ!


「ほら、北の空。北斗七星分かる? その横に青く輝く星が見えない?」


確かに空は晴れていて星もちらほら見えるが、特別に澄んでいる訳ではなく、ましてや動いている車の中だ、星など区別しようがない。一体どういう目をしてるんだこの姉


「あれ、アルコルって言うのよ。見たからって死にはしないけどね」


鼻歌混じりに言う姉ちゃん。重くなった後部席の雰囲気なんて、気付きもしない


「そういえばアンタの元カノ? 死兆星を見たから別れるって言ったんでしょ? そんな適当な理由まで作って、よっぽどアンタと別れたかったのね〜」


「ま、まぁ……ははは」


「…………」


燕は顔を伏せ、沈黙してしまった。まったくなんて空気を読まない姉なのだ、親の顔が見てみたいぜ


「……姉さん」


「ん? なに?」


「夏の三大角、……教えて?」


「あら、良いわよ。そうね、注目すべきはベガ、アルタイル、デネブの三星。特にベガは分かりやすくて――」


姉ちゃんは星の説明に熱中し始めた。流石秋姉、ナイスフォロー! ではこちらも……


「ま、気にするな」


燕の肩をポンっと叩いてフォロー


「……恭介」


「ん?」


「君は優しいね」


「え?」


またか


「静流さんにも言われたけど、俺は別に優しくなんかないぞ」


基本、自分の事ばっかだしな


「その優しくない俺が気にするなって言ってるんだからさ、言葉通りに受け取れって」


「……ん」


燕は暗い表情で頷き、また黙ってしまう。参ったな……


「うむ〜。……よっと」


「ひゃ!? き、恭介?」


「手、握られるの好きだったよな。落ち着くんだろ?」


俺の手で申し訳ないが


「う、うん……ありがとう」


「あいよ」


「うん……」


それからも余り喋らなかったが、今度の沈黙には気まずさはなかった


そして気付けば燕んちの前。握った手を離すと、燕は少しだけ俺に微笑みかけ、ありがとうと唇の動きだけで伝えた


「はい到着よ。……ふ〜ん、凄い家ね」


車を止めて、燕んちの壁を見上げる姉ちゃん。家の中までは見えないが、この壁の長さで半端な家じゃないってのは分かる


「一度入った事あるけど庭がまた凄いんだよ。池はあるわ、でかい桜は植えてるわ。つかでかすぎだっての!」


学校の校庭レベルだ


「む。そんなに大きいだろうか?」


燕は疑問顔で家を見るが


「ブルジョアめ……」


貧乏人を舐めるなよ! て言うか、俺ん家の収入源は一体どうなっているんだ? なんか親父が居た頃より裕福になっているような……


「……恭介?」


「え? あ、うん」


秋姉と燕が心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。どうやら我が家の闇を考え、ぼーっとしていたらしい


「大丈夫、大丈夫。それより燕、そろそろ」


燕の家は厳しい。これ以上遅くなると、大変な事に成り兼ねない


「あ、う、うむ。夏紀さん送って下さりありがとうございました」


「どういたしまして」


「秋、恭介も。ありがとう」


「ああ」


「ん……」


燕は俺達に礼を言い、車を出る。だが家には入らず、車の横に控えた


「どうしたのかしら?」


「多分、車が出るまで待ってると思うよ。変な所で律儀だし」


見送るまでは動かないだろう


「真面目ねぇ。うちの馬鹿にも見習わせたいわ」


相変わらず俺と同じ事を言いやがる


「じゃ、さっさと行きましょうか」


「頼むよ姉ちゃん……またな、燕」


頭を下げて見送る燕をバックに、車は家を目指して出発した




今日の個人資産


母>>>>>>燕>>>>>>>俺>>夏>秋


都筑ふれあいの丘


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