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夏の海 10

その内削除


雪葉さんに質問。友達について



風子について


「えっと、風ちゃんは大人っぽくてカッコイイ女の子。綺麗だし、絵も上手だし、胸も……。色々凄くて羨ましいです!」


花梨について


「花梨ちゃんは凄くしっかり者な女の子です。私達のリーダーで、いっつもみんなの事をまとめてくれます。花梨ちゃん、この間作って来てくれたおやつ、とっても美味しかったよ。今度作り方教えてね」


美月について


「美月ちゃんは元気で明るい女の子。器用な美月ちゃんは、何でも出来る感じです。春菜お姉ちゃんに、ちょっと似てるかな」


鳥里について


「宮ちゃんは、お花や動物が大好きな優しい女の子です。お兄ちゃんと、もう少し仲良くしてほしいかな……」


千里について


「千里ちゃんは……ええと、物静かで、頭良くって……ふ、不思議で可愛い女の子です!」


リサについて


「髪がキラキラしていて凄く綺麗。あんまり遊んだ事無いけれど、もっと仲良くなりたいな。あ、花梨ちゃんとは凄く仲良いよね。二人は息ピッタリだと思います」


以上です。ありがとうございました


「うん。どういたしまして」




オマケ


雪葉さんへの返事。


風子


「ありがとう雪。僕も雪のおおらかさや、優しさが羨ましいと思っているよ。胸は……大丈夫、きっと僕よりも大きくなるから」


花梨


「アタシは雪の方がしっかりしてるし、リーダーだと思っているわ。でも何だか嬉しい。ありがと雪。後、おやつの事なんだけど……ううん、今度教えるわ。パンの耳とお砂糖があれば直ぐ出来るから」


美月


「う~ん、わたし別に器用じゃないよ? 失敗するの多いし。そんなことより遊ぼ~よ雪!」


鳥里


「あ、ありがとう雪ちゃん。雪ちゃんも優しくて可愛くて、素敵だよ。雪ちゃんのお兄さんと仲良くは……ご、ごめんなさい!」


千里


「ふじさんろくにおーむなく。すいへーりーべーぼくのふね……頭良さげ?」


リサ


「髪を褒めて下さってありがとう。私も貴女と仲良くしたいと思っていたわ、今度一緒に遊びましょう。ただ……花梨なんかと仲良くなんてないから!」



「兄貴、あ〜にき。早く早く〜」


「い、いい加減、少し休ませろ……」


春菜と泳ぎ始めてから、俺の脳内時計で約30分の時が過ぎていた。その間、休みと言うものは一切無く、ただひたすらに泳ぎまくっている


「大丈夫、大丈夫。兄貴なら全然余裕だって!」


「お前は俺を買い被り過ぎている」


所詮、俺は雑魚。スライムで言ったら、スライムベス程度のものさ……


「も〜情けない事ばっか言うなよな〜」


春菜は何故か嬉しそうに言い、こっちに泳いでくる


「ほら、手繋ごーぜ。引っ張ってってやるよ」


「一体お前は俺を何処に引っ張ってく気だ……。つか喉渇いたし、やっぱ一度上がろう」


「ちぇ、仕方ねーの。じゃ向こうまで競争な!」


そう言って直ぐ、春菜はモータボートの様に岸へ向かってすっ飛んで行ってしまった。早過ぎて競争にもなりゃしない


「まったく」


それでも俺は、いつもより多少急いで泳ぎ、春菜を追う


「はぁ〜あ」


なんか勝手に溜め息が出てしまう。今日は色々あって疲れてんのかな。流石にこれ以上、変な事無いだろうけど……


「やれやれ、と」


春菜より大分遅れたが、なんとか岸へと辿り着けた。もう俺も歳だし、余り無理させて欲しくないぜ


「私の勝ちだな兄貴!」


先に泳ぎ切っていた春菜が、俺を見付けてそのまま側に駆け寄ってくる


「走るな、走るな」


胸が揺れて、こぼれ落ちそうだ


「それより兄貴〜。イカ焼き、イカ焼き〜」


「分かった、分かったから。取り敢えず落ち着けって」


落ち着き無く俺の周りを跳ね回る春菜を宥めて、腕時計を見ると


「まだ2時か」


秋姉達は、どうしてるかな


ぐるーっと辺りを見回すと、パラソルの下でシートを敷いて横になっている姉ちゃんを発見。その四方を四人の屈強なる男達が睨みを効かせてガードしているが、彼らは一体……


「夏姉、寝てばっかだよな。運転疲れたのかな」


春菜は俺の視線を追い、姉ちゃんを見て心配そうに言った


「歳じゃね?」


最近、姉ちゃんから若さを感じられない


「で、秋姉達は……」


「あれじゃない?」


「ん? ……城!?」


春菜が指差す方には、全長1メートルはありそうな、天守閣付きの見事な日本城が建っていた


「ほら、いた。あれ全部砂だろ? すげーな」


「こだわりの人だからな秋姉は」


意外と職人気質なのだ


「お前も、なんか飲むだろ? イカ焼きと一緒に奢ってやるよ」


「マジ!? やった〜。兄貴大好き!」


春菜は俺の左腕に飛び付き、そのまま絡ませる


「……お前、本当変わったよな」


馬鹿兄貴呼ばわりされていた頃が懐かしい


「そうか? 別に変わってねーと思うけど……。あ、つか、やべ! 何か急にしょんべんしたくなってきた!!」


「しょんべん言うな! お花摘みとか言い方があるだろって、何故海に向かおうとする!!」


「だからしょんべんに」


「トイレに行け、トイレに! 付き合ってやるから!」


「良いよ、面倒臭いし」


「イカ焼き奢ってやらねーぞ!」


「ええ〜。……ちぇ、面倒臭せーの」


「よし、じゃ行くぞ!」


渋々だが納得した春菜を連れて、駐車場へと向かう


「さて……トイレは何処にあるんだ?」


駐車場には直ぐ着いたけど、トイレらしき場所は見当たらなかった


「……やべ、出そ」


「え!?」


「いいや、もう! そっちの陰で……」


「ま、待て! 後5分、5分で良いから!! えっとえっと……居た!」


サーフボードを持って歩いていた人へダッシュで向かい、血走ってるであろう目でトイレの場所を聞く


「む、むこうにコンビニあるから、そこでしてくれば?」


「ありがとう!」


礼を言いマッハで春菜の所へ戻ると、春菜は太股と太股の間に手を挟み、プルプル震えながらしゃがんでいた


「あ、兄貴……私、もう駄目だ。ごめんな兄貴」


潤んだ瞳で俺を見上げる春菜。コイツそんなに限界だったのか……


「よ、弱気になるな! まだ大丈夫、まだ助かるから!」


「あ、兄貴」


「さ、俺の肩に捕まるんだ。なーに、最後には笑い話になってるさ」


「今歩くと……やばい」


「お、俺の背に乗れ。おぶってやるから」


よろよろと立ち上がる春菜をおぶり、いざトイレへ!


「う……、この微妙な振動……やばい」


「や、止めろよ! 俺の背中にだけは止めてくれよ!? そんな事したら絶交だからな!!」


んでもって10分後


「ふ〜。すっきしだ!」


「良かったな……」


何とか間に合ったが、本当疲れた


「やっぱしょんべんは我慢して出すのが最高だよな!」


「お前……」


いや、何も言うまい。今はただ、無事に生還出来た喜びに浸ろう


「じゃイカ焼き食べようぜ、兄貴!」


「お前……」


いや、何も言うまい。とにかく浜辺に戻ろう


それから三倍の早さになった春菜と浜辺でイカ焼きを食い、城を完成させた秋姉達とかき氷を頂き候。ナンパに来た野郎共を追い払っていると、あっという間に3時近くとなった


「そろそろ姉ちゃんを起こさないといけないか」


ほっとくと、後がうるさいし


「雪葉がお姉ちゃんを起こしてくる? お兄ちゃん」


「いいよ。寝起きは狂暴だから、あれ」


冬眠中の熊みたいなものだ


「じゃ、行ってくるよ」


しかしせっかく海へ来たのに、寝てばっかいて勿体ないな


半分呆れながら姉ちゃんが寝ているパラソルへ向かう。すると、直立不動で姉ちゃんをガードする四人組の一人に止められた


「待たれい。これより先は天帝がおわす御所。通す訳にはいかん」


「は? ……いや、その天帝とか言う人の弟なんですけど俺」


「ふん、見え透いた嘘を付く。貴様の様な輩が、天帝の血を引く筈が無いではないか。消えよ、今ならば見逃そう」


「…………」


なんつー面倒臭い設定と兄ちゃんなんだ。こうなったら


「……サッポロ!」


「生ビール! ……ん? あら、恭介。もう3時なのかしら?」


伸びをし、立ち上がる姉ちゃん。つかマジで起きるとは……


「ふぅ、良く寝たわ。それじゃアタシは一度車に戻るから、アンタはさっきの海の家で待ってなさい」


「あいよ」


顔を伏せながらひざまずく四人の男達には眼もくれず、姉ちゃんは駐車場の方へと歩いて行く


「……失礼しました。まさか本当に弟様だとは」


「あー別に良いですよ。似てないし」


てか一体誰に似たらあんな女王様に育つんだ? やっぱり母ちゃん?


「じゃご苦労様でした」


男達に軽く頭を下げ、俺も海の家へ向かう事にした



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