第129話:院の過去
そのうち削除。SM判別表
母 微妙にS
夏紀 ドS
秋 どちらかと言えばM
春菜 M
雪葉 わりとS
燕 Mっぽい
花梨 ややM寄り
美月 基本M
風子 ちょっとM
鳥里 中々のM
千里 S
リサ SになりたいM
綾音 SM
月刊剣道一直線
剣道列伝、NO.3 土佐の白狼、日永 宗院
今、最も強い剣道家を問うと、読者は昨年全国警察剣道大会で優勝した【六桜 久志】七段を思い浮かべるだろう。豪快な上段からの面は、分かっていてもかわしきれないと恐れられ、近年では敵無しとまで囁かれている
しかし、そんな六桜が高校、大学時代と一度も勝てなかった選手が居る。それが土佐の白狼【日永 宗院】五段だ
日永と六桜の初顔合わせは、二人が高校二年の時に遡る。インターハイ準決勝、それが長い死闘の始まりだった
当初、六桜断然有利の評判の中、一本目を僅か9秒で日永は取る。二本目も15秒と言う、とんでもない速さで決めた
決まり手は一本、二本同じく喉元への突き。ノーモーションで始まるその突きは、無拍子と呼ばれるもので、日永は16歳と言う歳で、既に達人の域にあった
当時の六桜のインタビューによると、一本目は気付いたら喉に竹刀が刺さっていた。二本目の時は半分意識を失っていて、覚えていない、とある。日永の突きは、威力、速さともに申し分ないのが分かるだろう
このダークホースの登場に、試合会場は一時騒然となる。しかし日永は、決勝で体調を崩し棄権。結局準優勝で終わった
その後も、あらゆる大会で日永と六桜はぶつかる事となる。数えると、9戦。六桜は一度たりとも日永には勝っておらず、何度かある棄権以外では日永が敗北した事は無かった
冷静沈着な狩人。喉元に鋭く食らい付く様から、いつしか日永は土佐の白狼と呼ばれ、将来を期待されていた。そして、日永が大学三年の時、全日本学生剣道選手権で初の優勝。名実共に学生最強の座につく
だが、そんな栄光の中、日永は大学卒業後、突然消息を絶つ。関係者に聞くと、自分はまだ未熟。鍛え直すなどと言っていたそうだ。しかし十年経った今も日永の消息は不明のままだ
この謎に満ちた剣道家、日永 宗院。筆者はこれ以上彼について語る筆を持ってはいない。なので彼のライバルである六桜七段が優勝後にしたインタビューで締めくくらせて頂こう
『私はまだ日本一ではありません。私より強い男が居るからです。……日永、お前はまだ修業の身か? 妥協を許さないお前だ、己が満足するまで戻っては来ないだろう。だから待っててやるよ。何年でも何十年でも。俺は、強いままで待っててやる。お前と決着を付けるまで』 了
「……か、かっけ〜」
学校帰り、たまたま寄った古本屋で凄い物を見付けてしまったな……この本、買って帰ろ
今日の立ち読み
俺
「五千円になりま〜す」
「高っ!? いらね!」
つけまつげ