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秋の下着泥棒 3

「かくかくしかじかのかくじかなんだ」


本当は黙っていようと思っていたのだが、結局洗いざらい吐いてしまった俺。やはり秋姉には隠し事が出来ない


秋姉は俺の話を一通り聞いた後、一言


「……駄目」


「あ、いや、でも」


「……危ないから駄目」


じっと真っ直ぐに俺の目を見つめる秋姉。なんとも逆らいづらい魔力がある……が


「俺はやる!」


ここは退いたらいけない所だ!


「……なら私も見張る」


「え!? だ、駄目だよ危ないから! あ」


「……私も同じ気持ち。下着はまた買えば良いだけだから……ね?」


ニコッと微笑む秋姉。この微笑みだけで、俺は3百枚下着を買える


「…………分かった。止めるよ」


「……ん。明日、被害届を出すから。……ごめんね、恭介」


「ううん。じゃ、俺、風呂入るよ」


「うん」


リビングを出て、廊下を歩き、風呂ではなく自分の部屋へと行く


「……ごめんよ」


秋姉を騙す様で心苦しいが、一度決めた事だし、やめるつもりは無い


「しかし……」


餌をどうするか


「…………はぁ」


夏紀姉ちゃんのは眼中に無いだろうし……春菜に借りるしかないか


つー事で、春菜の部屋前


コンコンとドアを二度叩くと、中から入って良いぞと声がある


「邪魔するぜー」


ガチャリと入ると、春菜はパンツ一丁の姿でベッドの上で煎餅食いながらテレビを見ていた


「……お前なぁ、シャツぐらい着ろよ」


「もう風呂入るし。あ、トンファーは玄関前に置いといたから」


「お、おう……あのな、春菜」


「なんだ?」


「えっと……その」


意外と言いづらい!


「ん? なんだよ?」


春菜は面倒臭さそうに起き上がろうとする


「俯せのままで聞いてくれ!」


「え、あ、ああ……変な兄貴」


「パンツ貸せ!」


「…………は?」


「お前のパンツ貸せ!」


「い、良いけど……風呂入る前で良いか?」


春菜は履いているパンツのゴムを軽く引っ張って躊躇いがちに言った


「って、それじゃねぇから! 洗濯してるやつよこせ!!」


「な、なんで怒ってるんだ? パンツならタンスの二段目に入ってるから適当に持ってけよ」


部屋の隅にある白い五段タンスを指差して、再びポリポリと煎餅を食い始める春菜。相変わらず太らないのが不思議でしょうがない食生活を送っていやがる


「……では失礼して」


タンスの前に行き、二段目を開ける。そこには綺麗に畳んてある様々な色と形のパンツが、数多く敷き詰められていた


「…………」


妹の目の前でパンツを漁る兄……か。なんだか情けなくて涙が出て来るぜ


「…………お、これは」


赤のストライプ柄。確か盗まれたのはストライプだったよな


「ん? あ、それ盗まれた奴と同じだよ。秋姉と買い物行った時に色違い買ったんだ」


「なるほど……これ借りて良いか?」


「やるよ。代わりに今度秋姉と一緒に新しいの買ってくれよな」


「あ、秋姉のもか!」


妹のパンツを漁り、姉にはパンツを贈る弟。もはや救い様の無い変態な気が……


「……んじゃ、借りてくよ」


「お〜」


テンションがた落ちでパンツ片手に部屋を出る。とにもかくにも餌は手に入れた。後は夜が更けるのを待つだけ


「恭介〜」


とりあえず自分部屋に戻ろうとした時、呑気な声が俺に掛かった。振り向くと


「ぶっ!?」


日本刀を持つ勇ましき母の姿!!


「立花道雪の雷切よ〜」


「何その格好良い名前!?」


「はい、貴方に献上するわね〜」


「いらないよ!」


「あら〜。じゃあ去年お父さんが貰って来た天叢雲剣を〜」


「いらないって!!」


なんなんだこの家!?



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