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第127話:秋の下着泥棒

「大変だ兄貴!」


火曜の夜。部屋で名探偵キテレツを見ていると、いきなりドアが開き、春菜が飛び出してきた。しかし俺は慌てず


「どうしたね春菜君。世の中に慌てる事などそうは無いのだよ」


なんてキテレツさんの名台詞を言い、ゆっくりと振り返る


「パンツ盗まれた!!」


「なに! それは結構大変な事だな。よし、被害届を出しに行こう!」


再犯の恐れもあるし、用心には用心を重ねて……


「秋姉のが」


「ぶっっっっ殺す!!」



第7回、佐藤家緊急会議


「では会議を始めたいと思います」


議長である夏紀姉ちゃんが眼鏡をかけ直し、俺達を見渡す


ここはリビング。出席者は夏紀姉ちゃん、俺、春菜、母ちゃん。ちなみに秋姉は風呂で、雪葉は就寝中だ


「まず、事件が発生した経緯を確認します。では母さん、証言をお願いします」


姉ちゃんがそう言うと、ノンビリ母ちゃんは椅子から立ち上がって、ノンビリ証言を開始した


「は〜い。今日は朝から仕事があったから、昨日の夜の内に洗濯を済ませて2階のベランダに干してたの〜。それで今日の夕方前に秋が洗濯物を取り込んでくれて〜たたんでいた時に、下着が一枚足りない事に気付いたみたい〜」


「犯人を直ちに見つけ、去勢、またはぶっ殺すべきだと思います!!」


神が許しても俺が許さねぇ!


「佐藤 恭介君。今はアンタの発言を許可していません。では次に佐藤 春菜君、盗まれた物の詳細をお願いします」


次に姉ちゃんは、テレビを見ながら煎餅食ってる春菜に証言を求めた


「秋姉のパンツを一枚だけみたい。ストライプの奴」


「もう犯人はぶっ殺しても良いと思います!」


世論は俺の味方だ!


「……アンタはもうアレね、アホを通り越して馬鹿って言うかアホよね」


「アホに戻った!?」


「盗まれたのは秋のだけで良いのかしら?」


無視された……


「うん。他に夏姉や兄貴のもあったけど、秋姉のだけだな」


「……夏紀姉ちゃんのは盗まないか」


敵ながら中々、目利きが効きよるわ


「何か言った?」


「いいえ、なにも」


必殺無表情


「秋のだけねぇ。犯人は子供っぽい下着が趣味なのかしら」


「あるいは秋姉のだと知っていた? ……野郎、ふざけやがって」


「風に飛ばされたって事は無いのかしら?」


「それは無いわ〜。だってジャパネットタ〇タお勧めの強力洗濯挟み使ってるもの〜」


「そ、そう……」


一気に信憑性が無くなったな


「でも2階でしょう? 足場になるとこも少ないし、どうやって盗ったのかしら?」


「マジックハンドとか使ったんじゃないの? 1、2万だせば、かなり高性能の物があるしって、な、なんでそんな疑惑に満ちた目で俺を?」


「犯人……アンタじゃないわよね?」


「違うよ!」


「怪しいわね……まぁ、良いわ。ところで秋の様子はどうなの?」


「少し怖がっていたけれど、基本的には落ち着いてるわ〜。流石よね〜」


「そう。……とにかく本当に犯人が居るなら、何か対策を練らなくちゃいけないわね」


「あ、そうだ〜。タ〇タさんで簡易地雷グッズが売ってたわ〜」


「ま、待って母さん!」


急いで注文しなきゃと、自分の部屋へ行こうとする母ちゃんを、姉ちゃんが捕まえた。ナイス阻止


「そ、それはマズイわよ近所迷惑にもなるし」


「でも娘の危機よ〜。何か対策しないと〜」


「うう〜ん。どうしたものかしら」


悩む二人にまだ煎餅を食ってる一人。このままでは中々結論が出そうにないな……よし!


「はい、議長!」


俺はびしっと手を挙げて


「ん? なによ?」


「今日から何日間か、俺が夜見張ります!」


高々に宣言をした


「え? ま、まあそれが一番手っ取り早いかもしれないけど……大変よ? 危ないかも知れないし」


「大丈夫。俺に任せてくれって」


神をも恐れぬ変態野郎に鉄槌を喰らわせてやる!


「……そう。ならスタンガン貸してあげる。もっときなさい」


「じゃあ母さんは日本刀貸すわね〜」


「おーし。じゃ私は、トンファー貸してやるよ」


「って何、この武闘派家族!?」


意外と恐い家庭だったんだな俺んち……


「とにかくやるなら気をつけなさいよ。危なくなったら叫ぶ」


「ああ、ありがと姉ちゃん」


犯人が何者だか知らないが、秋姉の安眠は俺が守る!!


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