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雪の妹大会 16

ツンデレ試合が終わり、興奮が冷めやらない体育館。俺達は壇上で優勝メダルを貰い、何故かそのまま待たされた


「え〜、各部門の優勝が決まりました。各部門の優勝者様は壇上へお越し下さい!」


乳でかバニーさんが、マイクを使って優勝者に呼び掛けると、各部門の優勝者達は壇上へと向かい始める


「やったね、お兄さん」


「恭君。私、ツンデレ部門出たかったかも」


最初に来たのは風子と千里。この二人と花梨とで三人が優勝者だ、これは一千万貰ったか!


「ツンデレには勝てないかもな……」


「恐ろしいツンデレだよあれは」


残りの二組も上がって来たが、どちらも諦めの雰囲気が漂っている


「うぅ……一千万円、一千万円」


顔を赤らめ、花梨は恥ずかしそうに俯く。一千万の為、色々と我慢しているようだ


「……もう少し我慢してくれな、ツンデレ」


「誰がツンデレよ!」


「す、すまん」


つい釣られてしまった


パンパカパーン!


「うぉ!? な、なんだいきなり!」


「妹……それは宇宙の神秘」


ファンファーレが鳴った後、不思議っ子対決の時にも聞いた声が、体育館のスピーカーから流れる


「人は何故妹を求め、妹を愛すのか」


な、なんだ!


誰だこの哲学を語る紳士は!?


んな風に会場はざわめき始め、皆がスピーカーを見つめる。その時、誰がが叫んだ!


「あそこだ! あそこに誰か居るぞ!!」


体育館の2階、作業用のキャットウォークで腕を組み、俺達を慈愛の瞳で見下ろすスーツ姿の男


「あ、あれはSISTER愛好会一番隊隊長、山口 真さん!?」


「な、なんと、あの誇り高きNAITOが!」


極一部の奴らが驚き戸惑う。なんか前にもこんな事があったような……


「とぅ!」


謎の変態はキャットウォークから飛び降り、何事も無かったように着地。そして、にこやかに微笑みながら


「最終対決は、兄の腕立て伏せ対決だ」


などと意味不明な事を言って変態は壇上へ上がって来る


「腕立て伏せ?」


いや、てかツンデレが最終対決だろ?


「各部門を優勝した兄達が制限時間内に腕立て伏せをし、一番回数が多かった兄の妹にゴッドシスターの称号を与えよう」


「え!? ち、ちょっと待て! それじゃ俺達が優勝して来た意味が」


「妹の応援が沢山ある。兄ならば、それだけで限界を超えられるはずだ。よって佐藤君! 君は断然有利なのだよ!!」


俺に向かって、どうだと言わんばかりに指を差す変態


「んなアホな……」


絶句し、他の兄達を見てみると


「お、おっしゃー! まだ俺らにもチャンスがある!!」


「やってやる……やってやるぞ!」


燃えていた


「……マジかよ」


俺、腕立てなんて50回ぐらいしか出来ないぞ


「とにかくこれは私を含めたスポンサー達の意向だ。受け入れてほしい」


「…………」


「……私はね、かつて22人の妹を引き連れ、最強の妹使いと呼ばれた伝説のキング。彼の魂を君に感じるんだ」


感じるなよ


「君ならば、彼を越えられるかもしれない」


越えないから


「さぁ、佐藤君! 我らに君の力を……妹魂を見せてくれ!!」


「妹魂って……」


相手の二人は、俺より運動神経が良さそうだし、テンションもがた落ちだし……


「お、お兄ちゃん……頑張って、お兄ちゃん!」


雪葉?


「兄ちゃんなら絶対勝てる! いっけー!!」


美月


「花梨の目が正しいか、見極めてあげるわ」


リサまで……


「後はお兄さんの望むように」


風子


「今日は結構楽しかったし、おおむね満足。最後のオチきめて」


千里!


「正直一千万円は欲しいけど……。ま、ここまで来たらどうでもいいわ。それより、最後なんだから、ちゃんと頑張りなさいよね!」


お前ら……


「ああ、分かったよ。やるだけやってみる。……ありがとな、花梨」


「……うん」


「まったく……。ふ、俺は良い妹達を持ったものだ」


「ただし本物は一人。リサ、答えをどうぞ」


「……流石に私も空気読むわよ?」


「よーし!」


なんかテンション上がって来たぜ!!


「……どうやら内に眠る猛き獅子が目を覚ましたようだね、佐藤君。それじゃ最終対決、いよいよ始まるよ」


「ああ!」


「では各お兄さん方、腕立て伏せの準備をお願いします」


泣いても笑ってもこれが本当に最後。悔いを残さない為に全力でやってやる!

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