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雪の妹大会 3

結局これぞ妹部門は、俺達が破れて数分後、朔美って子がベストタイムを叩き出し、終了。今、優勝した二人は表彰台でメダルを首に掛けられている


「ごめんなさい、お兄ちゃん……」


「いや、どちらかと言えば悪いのは俺だろ? だから気にするな」


「うん……」


落ち込む雪葉を慰めながら風子達の元へと戻る


「悪い。負けた」


「頑張ったわね雪。つ、ついでにアンタも……。雪、後はアタシ達に任せて」


「花梨ちゃん……うん!」


気まずい雰囲気は、花梨の一言で払拭され、逆にみんなのテンションが上がってゆく


「よーし、次はわたしが行くぞ!」


ピンポンパンポーン


「第二試合はハードボイルド部門、ハードボイルド部門です。参加する方は体育館の外で係員からワッペンを受け取って待機して下さい。その他の方は今暫く体育館内でお待ち下さい」


スピーカーからお知らせ時の定番音が聞こえ、次の試合を知らせた


「ごめん、美月。どうやら先に僕の出番のようだよ」


「え〜、超気合い入ってんのに。でもいっか、頑張れ風子!」


「ありがとう。それじゃ行こうか、お兄さん」


「ああ。じゃ行って来るよ」


「行ってらっしゃい、お兄ちゃん」


「がんばんなさいよ、アンタ達!」


「兄ちゃんも!」


「私、不思議っ子。だから敢えて応援しない。負けろー」


「それ、ただのひねくれ者だって……」


五人の妹(仮)に見送られ、俺達は体育館の入口に向かって歩く。歩きながら周りを見渡すと、同じように歩いている奴らは3、4組しか居なかった


「……まぁハードボイルド部門だからな。参加者も余りないか」


「変わった部門だね。でも、一筋縄ではいきそうもないよ」


風子に言われて、改めて歩いている兄妹を見てみると、確かに普通じゃない事に気づく


ほんとに小学生かって思う程、高身長で筋骨隆々の女の子に、目付きが鋭く、隙が無い女の子。そして何故かグリンベレーをかぶり、迷彩服を着た子。それぞれ特徴は違うが、どの子も共通してピリピリとした危険な雰囲気を持っている


「……ハードボイルドって言うより、戦争でも始めそうな雰囲気だな。部門が部門だし、危ない様なら棄権しようぜ?」


怪我をさせる訳にはいかないしな


「……固ゆでの卵。確か元々の意味は、そうだったよね」


な、なにが?


「だけど固くゆでた卵は意外と弱い物だよ。一度崩れれば自分の形さえ、見失う。大丈夫、どんな競技でも僕は負けない」


そう言い風子は帽子を脱ぎ、俺を見上げ


「お兄さんにも良いところを見せたいからね」


と、穏やかに笑った


「……頑張ろうな、風子」


「うん、お兄さん」


どうやらこの対決、凄い事になりそうだ


決意を込めて頷く風子を見て、俺はそう思った


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