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雪の妹大会 2

「では、最初の競技の説明をする」


金色オッサンの誘導に従い、体育館の壇上へと出た俺達。壇上には何も乗ってなく、サッカーが出来そうなぐらい広い


その壇上に上がったのは俺を含めた十組の兄妹達


どの子も良い服や、時間が掛かりそうな髪のセットをしているが、ノーマルなうちの子が一番可愛いぜ


「まず、妹ちゃん達には目隠しをしてもらう。その妹ちゃん達から5メートル先に、君達兄が並ぶんだ」


ふむふむ


「そして目隠し状態の妹ちゃん達は、一斉に自分の兄を目指して歩いてもらう。その間、君達は妹ちゃんを誘導してはいけない。声なんて出したら即失格だ」


結構難しそうだな


「無事自分のお兄ちゃんへたどり着いた時のタイムを競うのがこのゲームだ。シックスセンスと冷静さが問われるクールなゲームだぜぃ!」


クールねぇ……


「しかしなるほど。中々の難問だが……いけそうか、雪葉」


「う、うん。なんとか頑張ってみる」


「ま、気負わず行こう」


雪葉は、こういうの苦手っぽいよな


「それじゃ準備開始! カモン、バニー!!」


「バニー? ……お、おおお!」


壇上の右袖にある黒い段幕の中から、バニーガールさん達が現れた。こぼれ落ちそうな乳に、際どいスリット。これはドキドキもんだぜ!


「……どこを見てるのかなぁ? お兄ちゃん」


「う!?」


雪葉の目が冷たい!


「い、いや……けしからん! まっことけしからん!!」


「…………」


「ほ、ほんに、けしからんなぁ。ま、まったく若い娘が……ははははは」


ジーっと疑惑の目で俺を見つめている。なんて目力だ……勢いでごまかそう


「ゆ、雪葉!」


「は、はい!」


「そんな事を言っている場合じゃない! 今はチームワーク第一だ、そうだろう?」


「そ、そうだね。ごめんなさい、お兄ちゃん」


「あ、ああ。全然大丈夫だ」


ごめんよ雪葉。後で回転寿司をごちそうするからな……


そうこうしている内に、バニーさんの一人が俺達の前へやって来る


「はーい、こんにちは」


「こ、こんにちは」


雪葉は、バニーさんにぺこりと挨拶をし、びっくりした顔でバニーさんの乳を見上げた。確かに凄い迫力……


「……じー」


「ご、ごほん、ごほん! 喉が〜喉がー」


「じゃ、お兄さん。妹さんをお借りするわね」


「え、ええ。そ、それじゃ雪葉、待ってるぞ!」


「う、うん。行ってきます」


段幕の方へバニーに連れていかれる妹……シュールだ


「お兄さん達はこちらに集まってくれ」


俺達は金色オッサンが居る方、すなわち壇上の奥へ、わらわらと向かう


「よし来たな! このワッペンを胸に貼ってくれぃ!!」


番号の書かれたワッペンを貰い、胸に貼る。俺は三番だ


「その番号通り、横一列に並ぶんだ! 間隔は1メートルだぜぃ」


指示通り並ぶと、男達がずらりと並ぶ不気味な光景となった。緊張と恥ずかしさからか、皆、苦笑いをしながら視線を泳がしている


「さぁ、妹ちゃん。登場宜しくぅう!」


合図と共に目隠しをした妹達がバニーさん達と手を繋ぎながら登場


「出た、妹!」


「よっ、真打ち!」


その登場に、会場のボルテージはマックスを向かえる


そんな中、妹達は俺達と同じように一列に並べられた。雪葉は左から六番目か


妹達の後ろには壇上から落ちない様、バニーさんが控えている


「さあ、いよいよだ、いよいよ始まる……。第一試合これぞ妹部門、開始10秒前!」


10



8と、カウントダウンが始まった。雪葉は深呼吸を何度かし、キョロキョロした後、こっちをジっと見た!




1…………


「ゼロー!!」


わーっと会場が震える程の大声援の中、十人の妹達が一斉に歩き出す


「あぅ!」


「きゃあ!」


他の子とぶつかったり、あさっての方向を行ったり


そんな中、雪葉はよろよろしながらも、ゆっくり真っ直ぐと俺の方へ向かって来る。す、すげぇ、さすが雪葉さん……


よろよろ、よろよろ


頑張れ、頑張れー


よろよろ、よろよろ


もう少し、もう少しだ!


よろよ……こてん


「きゃ!」


こ、こけた! しかも顔面!?


「だ、大丈夫か雪葉!」


俺は慌てて飛び出し、雪葉の元へ!


「三番、失格です! 惜しいっ」


「…………え?」


「いたた。……あれ?」


一試合目、敗退!



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