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第19話:直の告白

「お兄さん!」


朝の登校時、突然後ろから声をかけられた


振り返ると爽やかな少年


「ん? あ、えっと直也君だっけ?」


「はい、直也です」


直也君は屈託の無い笑顔で頷いた


「俺に用かい?」


「は、はい! い、いえ……はい!」


「…………何だ、言ってみな」


「は、はい! は、はる、は、はる、はるらっ痛!」


舌を噛んだようだ


「…………と、取り敢えず学校目指して歩こうぜ」


「は、はい!!」


俺達は並んで歩く


「……………」


「……………」


「……………」


「……………えっと、直也君?」


「はい!」


「あ、いや……春菜がどうかしたのか?」


「えっ!! どうしてそれを!? ……やっぱ流石、春菜のお兄さんだ」


直也君はゴクリと唾を飲み込む


「いや、分かるって。……で、春菜が何か?」


「あ、その……もうすぐ春菜の……あ! す、すみません!!」


突然直也君は俺に向かって頭を90度下げる


「わっ!? な、何が?」


「さっきからお兄さんの前で春菜さんを呼び捨てにしてしまいました! 殴って下さい!!」


「お、おいおい」


「おもいっきし、来て下さい!」


直也君は後ろで手を組み、仁王立ちをする


コイツ顔に似合わず、体育会系か!


「なにあれ……」


「カツアゲじゃない?」


俺達を登校する生達がジロジロと見る


「い、いや、良いよ! 春菜が呼び捨てを許してるんだろ? 俺は気にしないから」


「う、器もでけぇや……。あの、ありがとうございます。すみません俺、態度悪くて……」


「そんな事無いよ。で、春菜がどうかしたのか?」


「は、はい。あの、春菜さん、もうすぐ誕生日ですよね」


「ああ、明後日だな」


「それでプレゼント買ったんですが……」


「そっか、ありがとう」


「……あのお兄さんの方から春菜さんに渡して頂けませんか?」


「え? 自分で渡した方が良いんじゃないか?」


「それがその……なんか、警戒されてて」


「警戒? 春菜が?」


食い物を見せれば、包丁を持った相手でも着いて行きそうなあの春菜が?


……万が一にもそんなデンジャラス野郎に着いて行かない様、帰ったらキッチリと教え込もう


「はい。先月迄そんな事無かったんですが……」


「先月……ああ、飴がどうこうって奴か」


「なっ!? ……マジですげぇ。春菜のお兄さん、船越〇一郎か……」


「いや、違うよ」


「器でけぇし、勘も半端じゃないし、船越だし……春菜が慕う訳だ」


「別に慕われて無いぞ」


「……俺、頑張ります! 今は全然だけど、いつかお兄さんにハッキリと好きだって言える様になりますからー!!」


直也君はそう叫び、走って行った


「………………え〜」


追いてかれた俺は、周りの突き刺さる様なこの視線をどうしたら良いんだ?




今日の兄貴


俺>>父>>>直


つづける

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