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剣の手紙 2

「…………」


部屋に戻ってから早10分。ベッドの上で俺は、窓の外に広がる空をノンビリ眺めていた


流れる雲は穏やかで、時折聞こえるのは子供達の遊ぶ声


「…………平和だねぇ」


こんな晴れた日に、手作りロケットなんかを発射出来たらさぞ楽しい事だろう


「……さて」


回復してきたし、そろそろ戻るとするか


「よっこいしょっと」


ベッドからゆっくり起き上がり、軽く柔軟体操をする


「……むぅ」


ちょっとふらつく。どうやらまだ三半規管が回復していないようだ


「味噌、か」


秋姉の作る料理は技術的には、もうプロ並と言ってもいい。あの謎アレンジさえ無ければ……


コンコン


「ん?」


思案していると、ドアがノックされた


「はいよ」


雪葉か秋姉が迎えに来たのかな?


なんて思いつつ、ドアを開けると……


カッ!


「ぎゃああ―!?」


目を見開いた母ちゃんの姿が!


「びっくりしたかしら〜」


「だから心臓止まるっての!!」


「ごめんなさ〜い。はいこれ〜」


全く反省してなさそうな母ちゃんは、俺に一通の白い封筒を渡す


「これは?」


宛名を見ると、俺と秋姉の名前が書いてある。裏を見てみると……


「…………剣?」


なんだ剣って……剣!?


「かなたさんか!」


「銀河のかなた〜イスカ〇ダルへ〜」


著作権が気になりそうな歌を歌いながら、母ちゃんはリビングへと去って行った



「ロケット完成です!」


手紙を持って雪葉の部屋の前へ行くと、喜ぶ雪葉の声がした


「……おめでとう博士。凄い化学力です」


「ありがとう、秋君! 私はこのロケットで地球を救います!!」


随分スケールが大きい話だな


「……わ〜」


「その前に先ずはお部屋のお掃除です!」


スケール小さっ!


「……はい、マスター。…………ういーん。がちゃん」


ロボット音!?


「ゆ、雪葉〜」


もう少し聞いていたい気もするが、取り敢えず俺も混ざってみよう


「あ、お兄ちゃん。ちょっと待ってて」


がちゃりんことドアが開き、ロケット片手に雪葉が迎えてくれた


「雪葉君、ロケットが完成したらしいな!」


手紙をテーブルに置きつつ、雪葉に迫る


「え? あ、えっと……はい、博士! こちらになります」


「うむ」


雪葉からロケットを受け取り見てみる。装飾がキッチリとされていて、短時間で出来たとは思えない出来だ


「素晴らしい……これならば地球を支配できる」


「は、博士!? これは地球の平和の為に開発されたロケットです!」


「ふふふ。支配こそが、平和に繋がるのだよ雪葉君。秋君、雪葉君を拘束したまえ!」


「……はい、首領」


秋姉は、ういーんと雪葉を拘束する


「あ、秋君!? な、何故博士の命令を……ま、まさか」


「ふふふ。秋君は改造させてもらったよ。彼女はもう、私のいいなりさ」


「……いいなり」


こくんと頷く秋姉。素晴らしい設定だ……


「じゃ、せっかくだしくすぐってみようかな」


「ええ!? お、お兄ちゃ、や、やめ…………んぁん! あ、あはははははは!!」


一分後


「……恭介。そろそろ雪葉つらそう」


「え? あ……」


「雪葉もう……だめ」


解放すると、雪葉は床にへたりこんでしまった。どうやら少し調子に乗りすぎてしまったようだ


「ごめん、ごめん。よっと」


雪葉を抱き上げ、ベッドに乗せる


「少し休んでな」


「はい、お兄ちゃん」


目を閉じる雪葉。相変わらず素直な妹だ


「ちょっとやり過ぎちゃったね。はい、秋姉」


「手紙? ……あ、宮田さん」


「久しぶりだよね」


「……うん。一緒に読もう?」


「うん!」


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