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第109話:剣の手紙

【僕の私の将来】


登場人物が小学生の頃に書いた将来の夢を読み、誰だか当ててみよう。答え合わせ


解答者は佐藤 恭介君


「はぁ、どうも」


・可愛いお嫁さんになりたいです!


「雪葉なら、なれるよ。……相手の男は俺の審査を通る必要があるがね」


・金持ち


「夏紀姉ちゃんの適当さは凄いよな。真面目に書く気が無いのがまる分かりだ」


・姉さんの様な優しい人 


「し、小学生の頃だからね~。今は違う筈さ! そうだよね、秋姉!」


・走って食って寝る!


「……全く意味が分からない。てか夢なのか、これ? 夢ならまぁ、叶ってると思うけど……春菜だろ?」


・宇宙ヒーロー、アンパン太郎!


「……俺です。いや、今は違いますよ?」


・借金完済。頑張ります 


「…………え? 誰?」


花梨さんです


「へ~……って重すぎて何も言えんわ!」


・クジラを倒す!


「う~む。言いそうなのは……美月かな? クジラに何か因縁でもあるのかね?」


・転校しない生活


「……花梨と風子は寂し過ぎるな。今度何か奢ってやろう」


・保母さんです


「うん、定番だな。こういうのは宮ちゃんだろ。いつもみんなを気遣ってる優しい子だし、きっと良い保母さんになるぞ」


・菊水流を継ぎます


「夢……なのかな。よく分からんが、応援してるからな燕……あれ?」


それと……世界征服


「……文字が小さくて最初気付かなかったけど、えらい事書いてんなコイツ」


・補佐官


「……小学生だよな?」


・愛人


「小学生だよね!? てか誰だよ!!」


ゆかなさんと綾音さんです


「あの二人、絶対年齢詐称してるよな」


・係長。頑張ってもそのくらいですよ、私は 


「……頑張れスペシャルアドバイザー」


・素敵な家庭を作りたいです


・父さんや母さん達のような、暖かい家庭を僕も持ちたい


「……これは親父と母ちゃんから聞いた。叶ったね、二人とも。これからも宜しく!」


以上です。ありがとうございます


「ん? 終わり? あ~疲れた」


あ、因みに採点表のコメントは、上から夏紀、花梨、恭介、燕、美月、宗院、秋の順番です


「へ~ってあれって俺なの!?」

「雪葉と!」


「お兄ちゃんと」


「……秋の」


「ドキドキ科学実験コーナー!」


「こ、コーナー」


「……コーナー」


たまに始まる謎のコーナー。今回は何故か秋姉も参加して、俺の心もドキドキだ


「今日はペットボトルロケットを作成したいと思います」


「…………わ〜」


秋姉は盛り上げ役なのだろうか? なら俺も俺の役を演じよう


「ほう、ペットボトルでロケットとな? それは実に楽しそうな実験ではないか雪葉君」


「はい、博士! 秋君、ペットボトルの準備をお願いします!!」


「……イエス、マスター」


「あ、秋姉?」


雪葉の部屋から無表情で出て行こうとする秋姉に、俺は思わず声を掛けてしまう


「……なに?」


「秋姉の役って……」


「……戦争末期に造られた人型殺戮兵器。小鳥が友達」


「凄い設定だね!?」


「……天空の城に住んでる」


「ラ〇ュタ!?」


「昨日見たの」


「あ、ああそう」


どうやらキャラ設定は雪葉の仕事らしい


「……ペットボトル取って来るね」


「お願いします、お姉ちゃん。さ、お兄ちゃん。その間に雪葉達はこの画用紙で尾翼を作ろ?」


「うむ。ではやり方を教えてくれたまえ」


「うん。後で1.5リットルのペットボトルを三等分にするんだけど、その底を尾翼にするの。だから、その底に合うような紙の翼を、4枚均等に作って欲しいの」


「う、うむ。了解だ雪葉君!」


俺の妹は三国一のしっかり者やで!


チョキチョキ……チョキチョキチョキ


何とも地味な作業をやること数分。コンコンとノックの音がした


「どうぞ〜」


「……お待たせ」


ペットボトルをトレイに載せて、秋姉は戻って来た……のだけど


「こ、コーラ?」


「ん……。空のペットボトル無かったから」


ペットボトルの中には、半分以上残った琥珀色の液体が、ゆらゆらと揺れている


「……おやつ」


部屋の円卓に、秋姉はコップと、美味しそうなシュークリームを三つづつ置き、コップにコーラを注いでくれた


「ありがとう秋姉。じゃ雪葉、少し休憩しよう」


「うん! いただきます、お姉ちゃん!!」


「いただきます秋姉」


俺達はシュークリームを手に取って、がぶりと一口……


「ぶはっ!?」


「う……うぇ」


「……? どうしたの、二人とも」


「い、いや、何でもないよ秋姉……て、手作りなんだ」


「……うん。お昼に少し」


はにかむ秋姉。この姉は何かを持っている!


「お、美味しいよ秋姉」


この味は味噌と生クリームだろうか


「……うれしい。今度はケーキ挑戦」


「お、お〜。それは楽しみ〜。あ、なんか水飲みたくなってきたな〜」


「ん……ちょっと待ってて」


そう言って秋姉は部屋を出て行った


「ごめんよ秋姉……。雪葉、無理をしないでお兄ちゃんに任せなさい」


「お、お兄ちゃん……」


「……ふ」


「あっ!」


躊躇する雪葉からシュークリームを奪い、一気に食う!


「…………」


「お、おにぃ?」


「……ごめん、少し部屋で休んで来ても良いか?」


「う、うん」


「…………はぁ」


どうやら今回は肝臓にダメージを受けらしい


「それじゃ、また後で」


「うん。……おやすみなさいお兄ちゃん」


「おやすみ」


よろよろと立ち上がり、ドアを開ける。……階段を無事に降りられるだろうか


ふらふら、ふらふら


「うぎゃ!」


最後の一段でこけて、ぶっ倒れてしまった


「いって〜」


ついた手がビリビリ痛む


「……大丈夫?」


「え? あ、秋姉」


階段の下で痛がっていると、秋姉が傍に来てくれていた


「……怪我は無い? 痛む所は?」


「う、うん。大丈夫、大丈夫。水をありがとう、秋姉」


「ん。……怪我が無くて良かった」


ほっと息をつく秋姉。いつも心配を掛けてしまうな……


「うん……あ、そうだ! 俺、部屋でやる事があったんだった!! ちょっとやってくる!」


「……ん。頑張って」


「あ、ありがとう。じゃまた後で!」


早く肝臓を休めて、ドキドキ科学実験に復帰するとしよう


軽く手を上げ、俺は自分の部屋へと戻った


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