第108話:父の奴隷
【僕の私の将来】
登場人物が小学生の頃に書いた将来の夢を読み、誰だか当ててみよう
全15問で難易度は上級
・可愛いお嫁さんになりたいです!
・金持ち
・姉さんの様な優しい人
・走って食って寝る!
・宇宙ヒーロー、アンパン太郎!
・借金完済。頑張ります
・クジラを倒す!
・転校しない生活
・保母さんです
・菊水流を継ぎます
・補佐官
・愛人
・係長。そのくらいのものですよ、私は
・素敵な家庭を作りたいです
・父さんや母さん達のような、暖かい家庭を僕も持ちたい
採点表(コメント付き)
0点
「良いんじゃない? こんなもん分かったからって、役に立つ訳でもないし」
1~2点
「情けないわね! もっと頑張りなさいよ!!」
3~4点
「微妙だねぇ。もう少し頑張りたまえよチミィ」
5点~8点
「可も無し不可も無しと言った所だが、平均点はちゃんと取れているね。しかしこの点数に満足する事無く、更に上の点数を目指すべく努力する事を怠らないでほしい」
9点~12点
「後少しで満点じゃん! すっげ~。でも……せっかくだし、もう少し頑張ってみようよ! ね?」
13点~14点
「やりますね。ですが、後一つ足りない物があります。……どうです? その足りない一つを埋めるのに、私の力を利用してみませんか?」
満点
「ん……、良く頑張ったね。おめでとう」
答え合わせは次回!
「ポリス! ポリス!」
掛け声と共に発砲する二人の警察官。しかしその弾は、前を走る男に当たる事は無かった
「オー、ナンデアタラナイノダー!?」
「オーラダ! ヤツハオーラバトラーナンダ!!」
弾かれる弾。男が背負う聖剣から発する黄金色の光が、弾の勢いを殺しているのだ
「な、なんで僕がこんな目に〜」
このアメリカンポリスに終われている情けない顔の中年男。名を佐藤と言う
彼は、かつて世界の危機を救った勇者であり、銃刀法違反の現行犯でもある
逃げ足天下一の称号を少年時代に貰っていた佐藤は、人通りが無い方、無い方へと逃げ込み、ようやく警察官を振り切った頃には、すっかり日は暮れ、街から随分離れた港へと着いていた
「はぁはぁ……助かったぁ」
佐藤は剣を背から外し、腰を下ろす。疲れているのだ
「……これからどうしよう」
早く家に帰りたい。しかしこんな物を背負っていたら、空港チェックで金属探知器に引っ掛かってしまう。いやそれどころかテロリスト扱いにも成り兼ねない
佐藤は思う。剣を捨てたいな〜っと
だが、これは友情の証に貰い受けた物だ、何とか持ち帰りたい
「…………宅配便で」
送れるだろうか?
「…………」
取り敢えず今日はもう休もう。佐藤はそう考え、剣を背をって風よけ出来そうな場所を探す
その場所は直ぐに見付かった。少し歩いた所に大きな倉庫があったのだ
今日はこの場所を借りて眠ろう。朝になったら行動を開始だ
海の潮風が身に染みる中、佐藤は倉庫の脇で何列かに分けて置いてあるコンテナとコンテナの隙間に入り、ごろりと仰向けに寝転ぶ
「…………」
星が綺麗だ。明日も晴れるだろう
「……おやすみ。みんな」
直ぐに訪れた眠気に抗う事無く、佐藤は深い眠りについた
ゆらゆら、ゆらゆら
それはまるで赤ん坊の頃に、母に優しくあやされた時のような感覚
実際、佐藤にはそんな記憶など無いのだが、この時佐藤は安らいでいた
「新入りさん、新入りさん」
ゆさゆさ、ゆさゆさ
「起きなよ、新入りさん」
「え? …………」
目が覚めた佐藤が見た物は、木質で出来た十畳程度の何も無い部屋と、真っ白い髭でアゴを隠したサンタクロースの様な初老の男。部屋は薄暗く、天井の隙間から漏れる僅かな光だけが明かりだった
「こ、此処は?」
状況が全く把握出来ないまま、佐藤は誰に尋ねる訳でも無く、そう呟いた
「この船は奴隷船さ」
「奴隷船!?」
今の時代に、奴隷など居ない……と思うのは早計だ。頭脳ある人間は他の生物とは違い、効率化や娯楽性を求める傾向がある。そして人間は支配する事に喜びを感じる性質を持つ生き物で、うんたらこんたら。そう、とにかく奴隷制度は今現在もあるシステムなのである
「これから行くのは死の島、灰巌島。そこでみんな、み〜んな死んてゆくのさ」
今日の奴隷
父
適当に続く