第105話:秋の親友
「すみませんっした!」
「すみませんでした!」
俺と圭一の、見ている方が悲しくなりそうなマジ土下座により、綾さんが連れて来た集団は不満を漏らしながらも解散してくれた
「……じゃ俺らも引き上げるから」
「ああ。……お疲れさん」
圭一達とも別れ、少し落ち着いた後に、綾さんを捕まえて「どうやってあれだけの人数を集めたんですか?」と尋ねてみると、綾さんは笑顔で、「無限連鎖講って知ってます?」と、言った
「な、なるほど〜。あはははは……」
良く分からなかったが、深く関わるのは危険だと俺の本能が告げた
「と、とにかくありがとうございました。お礼と言うのもなんですが、昼飯食奢ります。行きましょう?」
「はい、ご一緒させて頂きます。それにしても佐藤君は美人ばかりを集めましたね〜」
今居る女性は、秋姉と春菜とその友達二人。それと夏紀姉ちゃんに、姉ちゃんが連れて来た三人。そして燕、ゆかな、桜って子と、最後に綾さんを入れて十二人だ
確かに皆、一騎当千の美女ばかり。特に秋姉は一人で世界を破壊出来る程の力を持つ(大まじめ)
「佐藤君は誰が好みなんですか?」
幾つかのグループに別れて話をしている皆を、ぽけーっと見ていたら綾さんがそう聞いてきた
「好み言われても三人は身内ですからね」
身内を除外すると、やはりなんだかんだ言っても燕が一番に浮かぶ
「私的は菊水さんが良いですね。気の強そうな眼差しに、知的で隙のなさそうな雰囲気。典型的なツンデレタイプでしょうか」
「燕は、そんなに気が強い方じゃ無いですよ。むしろ――」
弱い方だな
「だけど、皆さん少し気まずそうですね〜」
綾さんは軽く言っているが、確かに雰囲気は気まずい。そしてそれは一カ所が原因なのだが……
「佐藤君のお姉さんは、あちらの方でしたよね」
右の方で、後輩達や何故かゆかなと話している夏紀姉ちゃんを見ながら、綾さんは尋ねた
「ええ、あの性格悪そうで偉そうな女が家の長女です」
「お姉さんは、一歩後ろで皆さんを見守っている感がありますね。ゆかなさんもそんな感じのタイプっぽいですし、結構話しが合うのかもしれません」
「ふむ……言われてみれば珍しく穏やかに話しているな」
時折ウフフなんて似合わない笑い声すら聞こえる
「向こうでは春菜さん達と、桜さんですね」
四人は左の方で話しており、和気あいあいと盛り上がっているようだ。やっぱり歳が近いせいかな
「あとは……あちらですね」
「…………ええ」
秋姉と燕の一騎打ち。妙な緊迫感と緊張感がある
「……久しぶりだね、燕」
「……うむ」
風で流れてきたのは、申し訳なさそうな燕の声だ
「すまない、私は君を避けていた」
「ん。…………恭介から聞いたよ。仲直り出来たって」
「う、うん。……まだ少し気まずいけど……」
「……よかった」
「秋?」
「仲直り。……嬉しい」
「秋……ありがとう」
微笑み合う二人
「…………」
元々が親友同士だったんだ。きっと直ぐ以前の二人に戻れるだろう
……いや、まぁ疎遠になったのは俺のせいなんだけどさ