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春の合コン 9

「ジュースとお菓子になりま〜す」


「……なります」


店員の制服に着替え、何故か働かされている俺達


「それではまた何かありましたら御呼び立て下さ〜い。……よし、次はお皿洗いに行きましょうマコト君。優しくして下さいね」


「……はい」


「でもたまには激しくされたい年頃です」


「そうですねぇ」


適当に聞き流して……


「マコト君!」


「うわっ!? な、なんですか?」


「マコト君はいつデレるんですか!」


「は?」


「これだけ攻めてデレないなんて……。読者数稼げませんよ!?」


「ど、読者数って……大丈夫ですか?」


頭とか


「やっぱり裸でエプロンしか……でもそれは流石に…………よし!」


「よし、じゃ無いでしょう」


綾さんの頭に軽くチョップを入れる


「早く皿洗いに行きましょうよ」


サボってると給料貰えない……って、目的が違いまんがな!


「綾さん、真理ちゃんから連絡ありませんか?」


「はい、まだありません。そろそろ注文がある頃だと思いますけど……ちょっと覗いてみましょうか?」


「覗く?」


「こっちです」


綾さんに連れられ、廊下の奥へと向かって行く


「ええと…………此処ですね」


一分弱歩き、着いた場所は廊下の突き当たり。木で出来た赤いドアにモニタールームと書かれたプレートが刺してある


「此処は?」


「防犯カメラの映像を見る場所です。店長やリーダークラスじゃないと入れない場所ですよ」


ポケットから鍵を取り出し、綾さんは言う


「…………なんで鍵を持っているのか聞かない方が良いですか?」


「共犯で良ければ是非聞いて下さい」


「…………」


重い沈黙の中、カチャっと軽い音で鍵が開く


「どうぞ、マコト君」


「はぁ……」


渋々ドアを開けて先に入ってみると、人がギリギリ二人入る程度の狭い部屋。中にはパソコン机とパイプ椅子が置いてある


その椅子に座って、マウスを手に取ってみた


「失礼しますね、マコト君」


続いて後から綾さんが入って、閉められるドア。一人でさえ狭いのに、二人入ったのでギュウギュウ詰めだ


「ん……ちょっと狭いですね。今なら痴漢されても誰にされたか分からないかも……」


「アホですか貴女は」


「う……草食と見せ掛けて、以外と厳しいですねマコト君は」


「友達ですからね。遠慮はしませんよ」


「………………」


「………………ど、どうしました?」


綾さんが急に黙ってしまった。狭くて振り返れないのが、もどかしい


「あ、いえ、少し驚いてしまいました。……そっか、恭介君はそう言う人なんですね」


「え? な、何がでしょうか?」


な、なんかやったか俺?


「何でもないですよ、ちょっと嬉しかっただけです。さ、モニター見ましょう」


「え、ええ」


良く分からないが、取り敢えずモニターを見ながらマウスを動かしてみる


「……お、部屋の中が見える」


モニターには、六つの部屋が映っている。その内の二部屋つ人が居るが、どちらも春菜達では無い


「マウスお借りします」


綾さんは後ろから腕を伸ばし、マウスを手に取った


俺の後頭部に何か柔らかい物が当たっている気がするけど、こ、これはまさか……


「お腹ですよ」


「心読んでます!?」


さっきから的確に読んで来る!


「マコト君、分かりやすいです。……あ、此処ですね」


モニターには、春菜達六人が入った部屋が映された


それぞれペアになっているらしく、圭一は春菜の横で春菜の肩を組ながらベッタリ密着状態で座っている


「よ〜し、一丁殺ってみっか!」


清く正しい交際をとは言わないが、女を物で釣って直ぐ調子に乗る野郎に大切な妹は任せられん。此処は天に変わって鬼を退治致す!


「お、落ち着いて下さいマコト君。私が一度部屋の様子を見に行きますから、待っていて下さい」


「……分かりました。お願いします」


「はい、行ってきます」


そう言い、綾さんは部屋を出て行った


……過保護すぎると呆れられたかな


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