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春の合コン 6

誰が喋ってるか当ててみよう。答え合わせ


解答者、佐藤 恭介君


「はぁ、どうも」


問1 あん? ……奴隷ね


「…………夏紀姉ちゃんだろ」


問2 か、彼の事か………………い、いや。その、なんだ? いわゆるアレだ、こ、恋人的な……元だけど……え、ええい! これ以上聞くな!!


「燕だな。他に元カノなんて居ないしさ!」


問3 自慢のお兄ちゃんです!


「俺もお前が自慢だぜ、雪葉」


問4 彼ですか? 彼は良い青年ですよ。間違いなく出世するでしょうね


「……宗院さんに言われると何か凹むんだよな」


問5 ……弟。大切


「俺も秋姉が大切や~!!」


問6 え? あいつの事? あいつは……悪い奴じゃないわよ。馬鹿だけど


「……やっぱ花梨とは一度ゆっくり話し合う必要があるな。正座で」


問7 兄貴っ! なんか最近超好き~


「ありがとよ。でも最近ちょっと甘え過ぎだぞ春菜」


問8 ふふ。素敵な人だと思うよ


「風子も素敵な女の子だぜ。これからも雪葉を宜しくな!」


問9 お姉ちゃんと仲が良い痴漢さん


「なづなちゃん……」


問10 恭介さんですか、凄い人です。今の俺じゃ何一つあの人に勝てません。でもいつか! いつか必ず追い付き、告白を!


「……それじゃ俺に告白するみたいだぞ直也君」


問11 こ、怖い人……です


「鳥里さん……なんか本当にすみません」


問12 兄ちゃんの事? う~ん……うん! 好き!! またゲームやろー、兄ちゃん


「お、嬉しい事言ってくれるな美月! 来月発売の翼子、勝負だぜ!!」


問13 良い子よ~。自分の命よりも大切ね~


「母ちゃんはマジで言ってるからなぁ。嬉しいけど、自分も大切にしてくれよ?」


問14 佐藤君ですか。そうですね~、私としては佐藤君本体より、佐藤君の下半身に寄生する、おっ立った象さあいた!?


「いや、俺はこれに何てコメントすれば良いんだよ……。 綾さんだろ?」


問15 佐藤君? ああ、秋さんの弟ですね。ええと、可愛い……かな? 好きですよ、ああいう子……って確か同い年だっけ


「きっと向こうでも剣道やってんだろうな。またいつか会おうね、宮田さん」


問16 奴か……奴はとんでもない男だよ。歴史に残る犯罪者とは、奴の様な者を指すのだろうな。いつか必ず捕まえる!


「組織の犬め……」


よく出来ました


「あ、どうも。……って結局アンタ誰!?」

「よ、春菜ちゃん。この間はごめんね」


「ん? 何が?」


「なんか嫌な思いさせたみたいだからさ。でも俺って、あんまり女の子に声とか掛けない奴なんだよ? 春菜ちゃんには思わず声を掛けちゃったけど」


「いや知らないって。てか誰?」


「ぐっ……お、俺、鳴神に通ってるんだけど、そこで―」


「だから知らないって。今、カツ丼食ってんだから話し掛けてくるなよ」


「ぐぐ!」


席の後ろで繰り広げられる会話は、三組に別れていた。その会話の中で俺が耳を澄まして聞いていたのがこれ。春菜と圭一の会話だ


「春菜さん、全く相手してませんね」


「春菜に男女の駆け引きなんか通用しませんよ。それに春菜の理想にアイツは掛け離れてますし、懐きもしないでしょう」


春菜の理想は人が良くて優しくて、自分をしっかりと愛し包み込んでくれる人。要するに親父だな


「他の二組も余り盛り上がってない様ですよ」


「組み合わせが悪いんじゃないかな?」


真理ちゃんと中川って奴の間には、殆ど会話が無く、加奈ちゃんと岡田にはお互い共通する話が無いらしい


「加奈ちゃんは多分中川の方を狙ってんじゃないかな? 大人っぽい男が好きそうだし」


「岡田君はゲームやマンガの事しか話してませんもんね。私は全然構いませんが、初顔合わせにゲームの話は普通に引きます」


「中川は中川で無口だよな。真理ちゃんも進んで話す方じゃなさそうだしこれは間が持たないだろう」


「合コンで無口の人は、ほぼ100%彼女作れませんよ。と言うより基本的に受け身の男性はモテません」


「ではこの中では圭一が一番と?」


「下心見え見えですけどね。その下心を楽しむのも合コンだったりしますが、中学生に対して露骨過ぎます。私的には、ごめんなさいです」


「成る程。なんだか、ねるとんみたいになってきたな……」


「……佐藤君って本当は歳、幾つですか?」


そんな会話をしている間に、後ろで動きが有った


「食べ終わった? それじゃ、次はカラオケ行ってみっか〜」


「賛成~。ほら春菜、立って、立って」


「ちぇ。めんどくせ~の」


六人は立ち上がり、会計所へと行く


「……まずいですね」


綾さんは珍しく顔を曇らせ、そう言った


「まずいって……何がですか?」


「カラオケは一番安くて気軽な個室です。個室に連れ込まれてしまうと、万が一、中で何かが有ったとしても……どうしたんですか? そんな面白い顔をして」


「心配してるんですよ!」


「大丈夫です。いざとなれば強行手段を使いますから」


ニコッと笑う綾さんを見て、この人には逆らわない方が良いと、本能的に悟った


「では行きましょうか」


「え、ええ。あ、料金は俺が払いますよ。そのくらいさせて下さい」


「お言葉に甘えちゃいます! ありがとう」


今度の笑みは、とても可愛いらしい


「こうして私は、この若い男に篭絡されて行くのでした」


「しませんよ」


……普通にしていれば、魅力的な人なんだけどねぇ

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