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春の合コン 4

無事に綾さんと合流し、いよいよ本格的に追跡開始


「……さて、では行きましょうか」


春菜達が少し離れたのを見計らって、銅像から移動する


「佐藤君」


「なんでしょう?」


ぽんぽんと肩を叩かれ、振り替えってみると


「……あ!」


「キャスケット被ってサングラスでーすよ」


「見知らぬ、ねーちゃんの誕生や!!」


帽子被ってサングラスしただけなのに、さっきと全然雰囲気が違う


「ふふふー。変装は尾行の基本です。佐藤君は何も用意していないんですか?」


「……ふ、侮ってもらっては困りますね。ちゃんと持って来ています!」


俺はポケットから、マスクと真っ黒なサングラスを取り出して……


「……佐藤君。それは下着を盗む時の為に取っておいた方が良いですよ」


そう言いながら、綾さんはフゥっと溜息をつく。どうやら呆れさせてしまった様だが……何故?


「佐藤君の分、持ってきていて良かったです」


綾さんは、手持ちのバッグからニット帽を取り出して、俺に被せる


「変装は自然に。基本ですよ。と、そろそろ急がないと見失ってしまいますね。行きましょう、佐藤君」


「は、はい」


素早く歩き出す綾さん。慣れている気がするのは気のせいだろうか


「しかし、佐藤君も中々のシスコンですね〜。妹の合コンに隠れてついて行くなんて、普通出来ませんよ?」


「否定は出来ませんね。ですが、やはり心配で」


春菜だし


「でも、大丈夫そうでしたら直ぐ引き上げます」


だが、変な奴だったら計画通りに!


「うふふ。みんながどんな反応するか、楽しみです。あ、ファミレスに入りましたね。行きましょう」


「ええ」


春菜達が入ってから2、3分に俺達もファミレスに侵入


からんころん


「いらっしゃいませ。2名様ですか?」


「ええ。席は禁煙席で」


「では、あちらでお好きなテーブルをどうぞ」


「ありがとう」


テーブル毎に仕切りで区切られている禁煙席。奥には8人用の広いテーブルがある為、恐らく春菜達はそっちの方だろう


「佐藤君、奥手前の窓際のテーブルに行きましょう」


綾さんは、迷い無くテーブルへと向かって行った


「よっと」


「此処で良いんですか? ブライド閉めます?」


綾さんに続いて、俺も向かいに座る


こちらは西側なのか、夏の日差しが入って来て、少し眩しい


「大丈夫です。それより後ろの会話を聞いてみて下さい」


「え、ええ」


後ろったって……


「今日は何でも食い放題なんだよな! よっし、和風ハンバーグとナポリタンとカツ丼で!!」


「は、春菜? 後でお寿司食べに行くんだよ?」


「だから?」


「…………お金足りるかな」


「…………」


相変わらず大食いだな 


「何だか私もお腹空いてきました。佐藤君は何を注文します?」


「……そうですね、まだモーニングやっていますからそれを」


「私もそうしようかな」


ピンポーンっと呼びベルを押して、注文


「承り〜!」


やけに明るい店員に注文し、俺は立ち上がる


「ドリンクどうします?」


「わ、ありがとうございます。お茶をお願いします」


「了解」


俺はドリンクを取りに、ドリンクバーへ……げ!


「ん? ……あれ?」


春菜の友達の、真理ちゃんって子だ!


「……じ〜」


「…………な、何飲もうかな」


視線を無視し、俺はコップを取る


「じ〜〜」


「お、ド、ドクダミ茶炭酸入り! これ最高にクールでホットなドリンクだぜ!!」


「春ちゃんのお兄さん?」


「……幾ら出せば見逃してくれるか?」


「え?」


「取り敢えず、拉致ですね」


「え!?」

「うわ!?」


いつの間に背後に!


「では連行しましょう」


「ど、どこにですか?」


「トイレです。佐藤君、先に食べていて下さいね」


「え、ええ」


「た、助け、むぐ!」


口を抑えられ、ずるずると引きずられて行く真理ちゃんを見ながら、俺は改めて綾さんの恐ろしさを知った……

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